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今日の出来事


☆三郷村の黒沢ダム建設計画(その1)☆
★安曇野市(旧三郷村)三郷小倉の黒沢川で進められている「黒沢ダム建設計画」。
2001年、国内には約2704のダムが完成。そのうち信州には64ダムが完成、現在、県営ダム8ヶ所の工事で進められている。安曇野では黒沢山を源流とする黒沢川。黒沢川の上流(標高1150m)には落差30mの滝が豪快に流れ落ちる「黒沢の滝」がある。 2段の滝。冬には凍柱となる。林道の途中には、黒沢川にかかる廊橋の奥に建つ「黒沢不動尊」や「黒沢ダム湖」があります。(車約20分)。初夏の新緑と清流が楽しめる静かなところ。すぐ近くまで林道が走っています。爽やかな沢音を聞きながら 渓流を歩くトレッキングには良い。
安曇野のほぼ真ん中にあたる「三郷村」は今や松本のベットタウンとなってきた。村の人口も増え続け、今では約1.7万人と長野県内一の村である。安曇野の展望が良い「FV室山」の裏手から望める西山「黒沢山」(標高2051m)を水源とする 「黒沢川」は山麓に広がるリンゴ畑や田園地帯を潤している。麓の「黒沢キャンプ場」や「安曇野ワイナリ」沿いを流れ、扇状地に広がる田園地帯に流れ込んでいく。途中で地下に入る珍しい川である。三郷村に扇状地をつくる黒沢川。渇水期には 水が枯れる一方、大雨となれば氾濫を繰り返してきた経過がある。
三郷村小倉の黒沢川で進めている黒沢ダム建設計画。治水と水道用水の供給を目的とするダムである。建設省は2000.5月のダム基本設計会議でダム位置を黒沢砂防ダムの下流約20mに重力式コンクリートダムを造ることを了承した。作業は夏から 地区代表や地権者らに説明会を行う。2000年度の事業費は1.5億を見込んだ。(2000.5)

★今回作られる「黒沢ダム」は、今の「黒沢砂防ダム」下流すぐにコンクリート製の新しいダムができる。ダムの大きさは高さ約61m、堤の長さは172m、貯水量は63万m3。ダムができると「黒沢不動尊」の上から奥にある 「黒沢の滝」に通じる「黒沢林道」の一部などが水没してしまう。豊科建設事務所では2000年度内に、ダム建設に向けて周辺地域の地質調査、現地に生息する動植物などの環境調査と、その林道付替えに伴う測量などを行う予定であり、 長野県は2001年度以降にその調査結果を踏まえてダム設計に入るとしている。2000年12月の村議会では、建設予定地では既に環境の調査やボーリングが行われており、「流域住民の安全対策と、村人への水瓶としてダムは必要」とし、 三郷村としてもダム建設計画に協力する姿勢を示していた。また、長野県知事の公共事業の見直しの対象にもなっていないとしているが、一応、「県の動向を見守り、村として適切に対応していく」方針。現在の計画ではその事業費は 約150億円。
ダム建設の目的が「水道用水供給と治水」と聞けばやも得ない気もするが、ホントに必要なのかを含めて、ダムができることに対する影響等をよく事前に調査して欲しいと願っている。2001年度までの事業費は約7.4 億を使用。 三郷村の治水・利水目的の他、堀金・穂高・豊科の治水目的も兼ねている。ダム建設の背景には過去に黒沢川が三郷村内の下流域で農業用水路に流れ込み、大雨による災害が何度か発生していることが挙げられている。ところがその後、 農水省が別の川と結ぶ排水路の建設計画を打ち出し、2001年度から着工されるが、1999年度にはこの件で長野県公共事業評価監視委員会で議論となったこともある。
今でも少なくなった黒沢川の水量がもっと減ってしまうのか?。三郷村の奥の「北黒沢川橋」から先の林道は好きなところ。
2001.2/20長野県知事は原則としてダムの建設しない「脱ダム」宣言。「子孫に残す資産としての河川・湖沼の価値を重視し、多くの水源を擁する長野県においてはでき得る限り、ダムを造るべきではない」という考えから 「ダム建設による環境破壊」と「完成後の維持費大」がその理由としている。
本体着工していない7つの県営ダムが対象となり、ダムに頼らない「治水」を目指すことになりそうだ。これに伴い三郷村の「黒沢ダム」もその対象になるが、現地視察した上で宣言に沿って最終判断する。

★黒沢ダムは1991年度の調査開始以来10年が経過。2000年3月に建設位置が決定し、2000年度から付け替え道路の測量、設計、環境調査に着手した。2001年度からダム用の取付道路の建設が始まる計画だった。工事を始められるのかどうか 分からなくなってきた。人口増加の激しい三郷村では現在水道水を約4800t/日を供給しているが、今後の人口増加を想定し、黒沢ダムから更に1000t/日の水を水道水として利用する予定だった。また1983年の集中豪雨では麓で約2.8億の 被害を出しており、治水対策も必要。当時の三郷村長は「治水だけでなく利水面でもダムは必要。これからの人口増加や下水道の普及で水が不足すると県からの説明を受けている」「貯水池としての機能を理解してもらうように知事に 働きかけていく」と述べていた。(2001.2.20)

★三郷村・黒沢川に計画する治水・利水の多目的ダム「黒沢ダム」が「脱ダム」宣言の対象になっていることについて、2月県会で質問があり、中止の是非が焦点になりながら宣言後も一切、地元自治体に連絡していないことに知事は反省。 (2001.3.6)


★長野県議会(3会派)が共同提案した「長野県治水・利水ダム等検討委員会条例案」と「脱ダム」宣言の再考を促す条例施行決議案が本会議(3/19)に可決されそうだ。「脱ダム宣言」に伴い、知事が県内に建設予定のダム建設中止を 表明したことに対し、県議や流域住民からも疑問の声も上がっている。
条例案は長野県がダム事業を計画している河川や、知事がダム中止・見直しを表明した河川の計9河川の治水策を住民参加で協議するという「住民参加型の検討委員会」を設置するというもの。条例案と一緒に提出された決議案には 「100年、200年先の子孫に残す資産としての河川・湖沼の価値を重視する」との脱ダムの理念に対して「一定の理解をする」との文言が盛り込まれた。議会が政策提案する条例案は1959年以来42ぶりとなる。
条例案によると、長野県が現在ダム計画を進めている河川(黒沢川、角間川など)や、知事がダム事業の見直しを表明した浅川(浅川ダム)、砥川(下諏訪ダム)、薄川(大仏ダム)など計9河川において、ダムを含めた治水・利水策を探る 検討委員会を知事が設置することを規定している。検討メンバーは学識経験者や地元市町村長代表者(首長)など15人以内で構成され、知事が任命。任期は2年。
また、委員会の下部組織として各流域ごとに住民などからなる「部会」を設置するとしている。学識経験者と流域に関係する行政機関の職員、流域住民計20人以内を委員長が「特別委員」 に任命。委員とともに調査・審議する。 「部会」は住民意見を聞く公聴会などを開くほか、運営に関し必要な事項は知事が定めるとしている。
条例案は「脱ダム」宣言に一定の理解を示しながら、「住民参加」を大きな柱に据えているのが特徴。この条例案に対してはダム建設の賛成派や反対派の住民双方とも肯定的だが、一部の反対派からは「ダムを建設する意図が見える条例」との 声も上がっている。(2001.3.10)

三郷村小倉の黒沢川に建設予定の「黒沢ダム」について、3月の三郷村定例議会で町長は「抜本的な治水対策が必要。下水道の普及、人口増加による水需要の増加も考えられる。知事の脱ダム宣言は遺憾に思う。今後は県議会を見ながら、 村議会・建設促進協議会の意見を聞きながら、適切な対応をしていく」と宣言。(2001.3.12)

★「2月定例長野県議会」開会前(2/20)に「脱ダム宣言」が出され、その後、「長野県治水・利水ダム等検討委員会条例」可決された。条例で検討されるダム計画のうち下諏訪ダムを除く6つの未着工ダムについて、長野県知事の4月中に 現地視察が決まった。視察では河川の状況や道路状況を視察する。今回は住民との集会は設定されていない。条例に基づく検討委ができれば、流域ごとに部会が設置される。ここで公聴会などを行い、意見集約した方がよいとの判断から。 4/24;三郷村の黒沢ダムの視察を予定。(2001.4.4)
治水・利水の在り方を論議する「県治水・利水ダム等検討委員会設置条例」に基づき、検討委を6月定例県議会前までに設置する。検討委立上げ前に河川課と関係建設事務所に 「治水・利水等検討事務室」と分室を設置。また事務室をサポートする「幹事会」も設置。幹事会は治水・利水の問題点を洗い出しそれに基づいて、知事が最終的に「諮問の是非」を判断するという。条例には、住民意見を治水・利水計画の 検討段階から反映させる狙いがある。住民らが参加する「部会」を各流域ごとに設置し公聴会を開くことで、計画プロセスの透明性が図られる。(2001.4.16)

★2001.4/24県が建設を計画している三郷村小倉の黒沢川上流の黒沢ダム建設予定地・用水路などを知事が初めて視察した。「脱ダム」宣言に基づき、是非を検討する未着工の県営ダムの一つ。黒沢ダムは、洪水調節や水道用水供給を 念頭にした多目的ダムで総事業費150億円。長野県は2000年度から付け替え道路の設計などをしている。
砂防ダム直下に計画される黒沢ダムは過去1983年の秋、台風で下流域で農作物などに2.8億の被害がでている。この洪水被害を受けた形で長野県では「30年に1度の大雨に対応できるように」と黒沢ダム建設が計画された。長野県では 黒沢川下流域の対策として農業用水の掘廻堰から小田多井堰経由で穂高の万水川に水を流す排水路を1981年から1984年にかけて建設してきた。しかし、この掘廻堰は設計流量が小さかった(7.9m3/s)。予定地の下流域の視察では、 農業用水路に流れ込む黒沢川が大雨ではんらんし洪水被害が出た経過、農水省が2001年度から新たな排水路を洪水防止のために建設する排水路建設の説明がなされた。これは長野県の安曇野広域排水事業の中で、農水省が県の排水路に沿って 排水路を拡幅する形で「10年に1度の大雨に対応できる」あづみ野排水路計画を進めていた(77.7m3/s)。その後、長野県と農水省との調整の結果、「30年に1度の大雨に対応できるような排水路」に計画が変更され(165m3/s)、 2001年秋にも工事が着工される予定。更に黒沢川の水を新排水路に流す河川改修も長野県では進めている。
ダム予定地では、三郷村の人口増に伴う水需要の見通しなどが説明された。三郷村長は「ダム建設は20年来の地域住民の悲願であり、下流域の水害の恐れをなくして欲しい。水道用水を確保して欲しい。」と改めて建設推進を要望した。 三郷村は近年の人口増加でここ10年で2100人が増え、黒沢ダムからの水道水を1000t/日取り入れる計画である。
知事は「ダムと排水路との関係や、水道用水の使用量が99年度まで減ってきているのに、需要増の予測は疑問。住民に納得できる根拠を示さないといけない」と、水道用水の確保についてもデータ不足としてダム建設に疑問の声を投げかけていた。 また、ダム計画と排水路建設の矛盾を指摘した。県治水・利水ダム等検討委員会条例に基づく検討委への諮問は「これらの資料を得るのが先」として知事は明言を避けた。
黒沢川上流の黒沢ダムは「30年に一度の雨を想定して計画されたもの」、そして黒沢川の下流域で進められている排水路は「後で、30年に一度の雨を想定して計画されたもの」である。知事が矛盾を指摘したのは「下流域で対応可能なら 上流域でのダム建設は不要なのでは?」という点にある。
しかし、忘れていけないのは「三郷村は扇状地の地形」であり、上流域でダムを作らずに大洪水が起きたら、下流を幾ら設計通りに治水したとしても相手が自然だけにどうなるか予想しずらい点にある。三郷村長は「ダム建設は20年来の 地域住民の悲願」と言っていたが、どの位の人がこのことを知っているのか疑問である。現在進められている黒沢川ダムの建設計画に対する反対運動が地元から出てこないのは地権者への計画説明はあっても、一般の村民へのダム建設計画、 排水路計画とその過程が説明されていないためか。今回の知事のダム建設計画地の視察で、報道機関のTVや新聞のニュースで大きく取り上げられているため、三郷村民の関心も高くなる。
このあと、知事は国交省が堀金村などで建設中の「国営アルプスあづみの公園」も視察。(2001.4.24)

★6/15;「県治水・利水ダム等検討委員会」の残りの1名委員には安曇村・議長を選出。前歴に東電で水力ダム建設に携わった経験が評価されての任命となった。(2001.6.17)

★6/14;三郷村6月定例議会で三郷村村長は黒沢ダム建設計画について、改めてダムの必要性を強調した。「脱ダム宣言だけで計画がなくなるのは遺憾。県治水・利水ダム等検討委員会の審議を見守っていく」と。6/15;本会議では ダム建設促進特別委員会委員の人事変更された。(2001.6.16)

★6/7;「県治水・利水ダム等検討委員会」の委員任命。学識経験者8人と県議4名の委員を公表。市町村議長の委員は81市町村のうち18人から応募があり、全市町村議会からの返答を待って選考する。県知事の「脱ダム宣言」に助言した 新潟大教授ら「脱ダム」色の濃い人選となった。客観的に県の治水・利水を考えている人を選出。6/25;初会合を開催。学識経験者委員は次の通り。新潟大工学部河川工学教授、法大法学部経済学教授、信大農学部森林学の助教授、 宇都宮大森林学名誉教授、大阪市大工学部河川工学教授、長野工専都市計画・教授、伊那谷自然友の会常任委員地質学、信大科学一般・名誉教授。(2001.6.7)

★5/7;県河川課と豊科建設事務所は三郷村小倉の黒沢川上流に計画している黒沢ダムの関連文書45点を公開。住民グループ「あづみの道草あかとんぼの会」の求めに応じた。文書で県がダム建設と比較するため、遊水池を組み込んだ 洪水調節についても検討してきた経緯が明らかになった。(2001.5.7)

★長野県は土木部河川課内に「治水・利水検討室」を5/10発足。2001.2月県議会で成立した「治水・利水ダム等検討委員会条例」に基づく検討委員会立ち上げのための事務局の役割を果たす。(2001.5.6)

★「長野県治水・利水ダム等検討委員会条例」に基づき、流域ごとの治水を考える検討委の幹事会で53項目の「多角的治水対策案メニュー」が提示された。幹事会は検討委の補佐機関で県の土木、農政など課長らで構成されている。 ダムや河川改修、森林保全、水田の保全による保水機能維持、河川の氾濫を前提とした土地利用規制などが提示された。メニューでは造林や水田の畦のかさ上げ、雨水浸透升設置など、流域全体の保水力を高める対策を挙げている。 以下に一部抜粋。検討委は6月中に発足させる予定。
「治水対策メニュー:(流出抑制策)」
・公園・校庭、空き地など雨水調整池を整備。・造林、森林破壊地の緑地化整備。・水田の水抜きと雨水の貯水。畦のかさ上げ。
・雨水浸透升や浸水井戸の設置。・道路・駐車場の路面を浸水しやすいように改良。
「治水対策メニュー:(被害軽減策)」
・堤防沿いに樹林帯を整備。・河川の氾濫を想定した浸水する土地を確保した上での堤防切断。・団地や集落を囲む輪中堤。
・氾濫予想の区域内での宅地化規制。・危険区域、避難場所を示すハザードマップの作成
・河川モニター設置と常時監視。
「治水対策メニュー:(課題・他)」
・水害時の家屋補償。・河川の知識向上(学校教育)・土地の確保。・水田の保全対策。・住民合意。

★三郷村内で計画されている「黒沢ダム」について、三郷村内で住民懇親会・意見交換会が実施されます。これは2/20の「脱ダム宣言」と4/24の「長野県知事の現地視察」でダム建設について関心が高まったため。三郷村主催と 住民グループ主催のものあり。(2001.5.15)
・5/26;20:00〜明盛地区(三郷村公民館)、5/31;20:00〜温地区(三郷村農村環境改善センター)、6/01;20:00〜小倉地区(小倉多目的センター)
(問)三郷村建設耕地課 TEL 0263-77-3111
・6/17;18:30〜住民グループ「あづみの道草あかとんぼの会」(三郷村公民館)、公開された黒沢ダムの関連文書をもとに意見交換。
・6/02;14:00〜住民グループ「世直しシルバー倶楽部」区(三郷村公民館)、ジャーナリストを講師に学習会。

★黒沢ダム建設予定地で長野県の天然記念物に指定されている高山蝶「コヒオドシ」の幼虫が松本の蝶研究家によって確認された。成虫は標高2000m前後で生息し、越冬のために里山に降りて産卵する。この蝶は北海道や北ア山麓などで 生息している。黒沢川支流では南の土手にこの蝶の食草であるエゾイラクサが生い茂っている。長野県の調べでも高山蝶など約8種類の貴重種が確認されている。貴重な生物が住む環境を守って欲しいと。また、ダムの建設予定地周辺は 猛きん類のオオタカなどの生息域でもある。(2001.5.20)

★三郷村で黒沢ダム計画で住民懇談会。5/26;三郷村では県が黒沢川上流に計画している黒沢ダムについて、地区ごとの住民懇談会を始めた。初日は明盛地区を対象に村公民館で開き住民約60人が出席した。賛否の意見、疑問点を 指摘する声が出た。5/31;懇談会を温地区で、6/1;小倉地区で予定。(2001.5.27)

★長野県知事は計画されている9ヶ所の県営ダムについて、知事は6/19;東京で「脱ダム宣言」について説明し、「ダムは不要」と明言。「脱ダム宣言」に伴って見直しの対象になっている三郷村の黒沢ダムなど9ヶ所の県営ダム計画について 「ダムでない答えが出ると確信している」と述べ、6/25;開かれる「治水利水検討委員会」ではダム計画について論議を始めるが、知事はダム以外の案として「洪水防止や水源確保策を検討するよう」求める方針を示した。なお、 現地視察の結果については「ダムが必要と感じたところはひとつもなかった」と述べた。検討委員会のメンバーは「脱ダム派」が多数を占めており、委員会では脱ダムの方向で論議される公算が大きい。(2001.6.19)

★6/25;13:00-16:00長野県庁にて「第1回長野県治水・利水ダム等検討委員会」が開催。河川の現状、検討の進め方など。一般傍聴席は100席。

★6/24;三郷村民ら有志が「県治水・利水ダム等検討委員会」で検討される「黒沢ダム」計画に反対していく「安曇野の自然環境を愛する会」を結成。合わせて地域高規格道路「松本糸魚川連絡道路計画」の見直しをも求めていく。 同会では安曇野の自然環境にダメージを与えること、住民負担の説明などが不十分だったと指摘している。ダム以外の方法を探るべきとしている。(2001.6.24)

★2001.7/13;18:00〜「安曇野スイス村サンモリッツ」にて対話集会「長野県を考えよう・脱ダム・公共事業から」〜知事と共に〜を開催します。レクチャー・対談、「脱・ダム」公共事業に賛成・反対など県民スピーチ。(発言自由;2分)。 ゲストはジャーナリスト(入場無料)

★6/25;長野県がダム建設計画してきた9河川の治水・利水策を検討し直す「治水・利水ダム等検討委員会」の初会合が行われた。河川流域住民など約80人が傍聴。2001.2月知事の「脱ダム宣言」によって全国各地でダム事業や公共事業の あり方が論議されている。今日の会合では、知事は「ダム不要」の発言は避け、「多角的な治水・利水の検討をお願いする」と述べた。県側からは雨量や過去の被害状況の報告。河川周辺の森林、地質・地盤、河川改修の歴史など多方面に わたる資料要求が県側にあった。河川の優先順位付けは行わず、8月末までに全ての河川を視察することになった。但し、ダムに否定的な委員が大勢を占めており、今後、議論の公平性が問われるかもしれない。なお、住民を含む部会の 立ち上げは視察のあととなりそう。(2001.6.25)

★「治水・利水ダム等検討委員のアンケート結果」(2001.6/25)
1)(法大教授;法学) :計画中のダムは全てサンセット、必要性を議論し直すべき、宣言には賛成。
2)(信大助教授;森林学):理念はダム建設の費用対効果、河川環境の考え方が基本的に一致。
3)(新潟大教授;河川工学):川の流れを止め、環境を壊してまでダムを造り続けるのか?。安全性追求はきりなし。一定の安全度に達しているなら環境と治水のバランスを
4)(大阪市立大教授;河川工学):計画中の多目的ダムは必要性に疑問のあるものが多い。財政面からも見直す。
5)(宇都宮大名誉教授;森林学):「緑のダム構想」を「脱ダム宣言」というメッセージで表現。
6)(長野工専教授;都市計画):どちらとも言えない。流域住民の立場に立って考える。
7)(伊那谷自然友の会;地質学):計画スタートからダムを造ると決めている。治水と利水のためにどんな方策が最適なのか。原点から話し合う。
8)(信大名誉教授;物理学):ダムの必要性が薄まっても公共事業として惰性で計画が続いている。
9)(泰阜村長)   :「ダムありきではない」は最近の流れ。行政トップとしてダムを選択肢から外すのは疑問が残る。治水・利水面でダムを解決法の一つ。
10)(共産党)    :「日本の水源地」である長野県の自覚と誇りを再認識。環境の時代にふさわしい理念。ダムに頼らない治水・利水が可能。
11)(社県連):公共事業のあり方に一石を投じた。代替案が具体的ではない。手法に問題あり。住民の不安は解消していない。
12)(県政会)    :急しゅんな地形の長野県にはダムしかできない河川もある。ダムでない河川もある。「脱ダムありき」ではなくゼロから議論。
13)(県民クラブ) :地形や住民の願いを基本に置いて総合的な観点で考える。中立的な立場で検討。
14)(安曇村議会議長):ダム事業はケースバイケース。公共投資のあり方を見直す宣言の理念には賛同。

★7/18〜;県内9河川の治水や利水のあり方を検討する「県治水・利水ダム等検討委員会」が現地視察を開始。7/18〜8/8にかけ一つの河川について2回視察、原則は14人の委員が1度は現地を訪れる。ダム計画地周辺の森林現況図や航空写真、 河川の改修図面などを視察前に提供。今後は河川ごとに住民参加の「部会」を設け、視察結果と資料を参考に審議の優先順位などを決めていく。黒沢川視察は7/24,8/3に予定。(2001.7.10)


★安曇野関連事業と連携を図りながら、早期の事業完農業被害の防止による農業生産環境の改善だけで溢水等により多大な農業被害が発生しており、地域あづみの了に向け事業を着実に推進する。自然豊かな地なく、地域排水の改善による 農村生活環境の改善の観の自然と調和した排水施設を早急に整備し、農業生産域の実情を踏まえ、景観や環境にも配慮する。点からも、事業の必要性は高く、関連事業とも連携をと環境の改善を図るため、本事業の早期完成を要望すりつつ 事業の着実な推進を図る必要がある。本地域は自然が豊かで、地域そのものがエコミュージアム的な要素を有することから、農業用水の持つ多面的機能が活かされるよう、環境・景観への一層の配慮を期待する。


★7/13;公共事業のあり方について知事とともに考える県民主催の対話集会「長野県を考えよう・『脱ダム』公共事業から」が豊科町の安曇野スイス村サンモリッツで開かれました。脱ダム宣言を市民の立場で論議しながら、公共事業のあり方に ついて考える。約500人参加。長野県知事は住民の意見や質問に対し「治水・利水ダム等検討委員会の中で、多くの住民が望む、新しい方向付けをしてくれる」と。ゲストにはダムや水道事業について追っているジャーナリストを招いた。 ダムでためることで水がよどみ、「死んだ水」を生み出している。生きた水を得るためにはどうすればいいのか考えれば、おのずから答えが出る。ダム周辺は樹木を伐採して緑のダムを破壊し保水力が相殺されている」と。参加者の 2分間スピーチでは「住宅が集中していない地域で下水道の工事が進み、不愉快に感じている。脱ダム宣言に砂防ダムも入れるべき」など。また、松本糸魚川連絡道路、中部縦貫道、国営アルプスあづみ野の公園の建設に対する反対意見が 相次いだ。また、林業で雇用を確保することは良いこととの意見も。この集会は新知事支援者が結成した「しなやかでしたたかな県民の会」が呼びかけて実現した。(2001.7.13)

★7/24;大仏ダム建設計画の薄川と、三郷村の黒沢ダム建設計画の黒沢川流域を長野県治水・利水ダム等検討委員会の11人が視察した。このうち黒沢ダム建設計画について、参加した複数の委員からは治水面で必要性に疑問の声が出た。 黒沢ダムの建設予定地では、県の担当者がダムによる洪水調節の機能などを説明。三郷村担当者は水道水やかんがい用水を確保する点でダムの必要性を訴えた。(2001.7.25)

★7/25;南安の町村議会で、地元の三郷村議会から提案された黒沢川の上流の「黒沢ダムの早期着工」が決議され、今後は国・県に要望していく。長野県知事の脱ダム宣言で事業が停止され、村民の生命・財産・暮らしを守るために、 治水・防災・利水対策は一刻の猶予も許されないとしている。黒沢川末端と万水川を結ぶ計画も含め、防災対策・生活用水確保をしたいと。他にR158の道路改良工事やごみ削減・リサイクルへの支援を求める決議も行われた。(2001.7.26)

★8/3;午後から黒沢ダム計画予定地で長野県治水・利水ダム等検討委員会の現地調査が再び行われる。13:00;黒沢ダム建設予定地、14:00;黒沢側下流、拾ヶ堰・万水川接続部、14:30;万水川中流、15:00;万水川・帯広川合流地。(2001.7.26)

★9/3;県営ダム計画の是非を論議する「治水・利水ダム等検討委員会」は、治水や利水の方法を判断するため、川の流域ごとに森林の保水力などについて新たに調査を行う方針。長野県庁で開かれた幹事会で、調査はダムが飲料水など 利水目的で計画されている流域については利用する人口や給水の計画を最新のデータに基いて予測する。治水については流域の森林の変遷と森林の保水力を推定する。1)水道需要予測、2)流域の森林の変遷状況、3)流域の森林保水力の推計。 幹事会では調査に客観性を持たせるためいずれも外部の会社に調査を委託する。委託調査は9/20;検討委員会で了承を得て、結果は3ヶ月以上かかる見込み。調査の背景には地元からダム建設を要望する際にその根拠となっていた市町村の 水道需要予測が妥当なのかを見直すためで、公平な視点で調査する目的で民間に調査を委託する。(2001.9.3)

★9/5;県営黒沢ダム計画について住民らでつくる「安曇野の自然環境を愛する会」はダムに頼らない治水、利水対策を考えていくよう求める要望書を三郷村村長に提出。要望書では黒沢川の治水や生活・農業用水の確保について 「行政の最優先課題」としたうえで、「ダムは自然界や社会的にさまざまな影響を与える」と指摘。(2001.9.5)

★9/12;「長野県治水・利水ダム等検討委員会」の幹事会で「第3回検討委」の議論のたたき台となる33項目をまとめた。「治水安全度の妥当性」などこれまでダム計画の根拠となってきた調査数値を再度見直す項目が多い。検討委員が幹事会に 提出した論点を、治水、自然環境など6分野に整理。項目は遊水池設置の可能性、新たな水源確保の可能性、ダム計画の費用対効果の確認など、ダムによらない多角的な治水、利水を検証する項目など。(2001.9.13)

9/20;県内河川の治水や利水のあり方を検討する「県治水・利水ダム等検討委員会」が開かれた。浅川と砥川では部会を11月に発足。その他の河川については次回以降検討。部会とは別に(1)基本高水(想定最大流量)、(2)財政問題(地元負担)、 (3)森林状況(保水能力)、(4)利水(水道料金・節水)の9河川の共通課題を個別に検討するワーキングチームを設置。各チームは検討委のメンバーのうち専門家数人で構成。部会審議の基礎資料を作成する。(2001.9.21)

★2001.11;農水省は堀金村烏川の万水川から、三郷村温の堀廻堰間の「あずみ野排水路」(約2.9km)の建設に着手した。長野県は更にこの排水路を延長し(約0.5km)、黒沢川に直結させる予定。工事完了は2003年度を予定。この黒沢川上流には 「黒沢ダム建設計画」があり、治水面で長野県知事が現場視察の際に、その整合性の矛盾を指摘していた。「あずみ野排水路」は幅25m。両サイドに管理用道路を設けた幅は35m。設計流量は165m3/sec。2001年度は広域農道 を挟んで下流約850mを整備する計画。当初は排水路計画を農水省が単独で計画した。10年に1度の大雨に対応できるように、設計流量を68m3〜78m3/secとしたが、99年長野県公共事業評価監視委員会で「県営黒沢ダム」との 整合性をとるように指摘があり、農水省と長野県とで調整し設計流量が拡大されている。57億円の総事業費用のうち、長野県は2割負担する。下流部での治水工事が始まり、上流部の黒沢ダム建設計画にも何らかの影響が出そうである。(2001.11.08)

★2001.12/26;第5回長野県治水・利水ダム等検討委員会が長野で開かれ黒沢川(三郷村)などの3流域について2002年4月までに部会を設けることを決定。2002.01/28次回会合で部会の委員構成や部会長を決め、流域住民に対する部会委員の公募に入る。 ダムを前提にした下流の河川改修が中断している「黒沢川」は「緊急度が高い」としている。遅くとも国の2003年度予算編成で概算要求が出る11月までにダムの是非を含む方向性をまとめる方針。(2001.12.27)

★長野県知事の脱ダム宣言をきっかけに発足した「県治水利水検討委員会」では、2002.2/14から新たに設置する3部会の住民委員を公募。三郷村の黒沢川と、郷士沢川、上川の3河川。公募期間:2002.2/14-3/6。地元の住民10人程度。 豊科町、穂高町、梓川村、三郷村、堀金村民が対象。希望者は「洪水防止や水道水源の確保に関する意見」を800字にまとめ提出。ダムの必要性などを論議する委員会のもとに住民や地元自治体の代表で構成する部会を設置。新設する部会の初会合は 2002.4月中に行われる。(2002.01.13)

(問)長野県豊科建設事務所管理計画課 TEL 0263-72-8600
(問)長野県河川課治水・利水検討室 TEL 026-235-7312

★2002.04/11;長野県治水・利水ダム等検討委員会の黒沢川部会のメンバーが決定。公募では45人(ダム必要29人,ダム不要13人,他)であった。選考の結果、豊科町1人、穂高町1人、三郷村7人(安曇野の自然環境を愛する会、他), 堀金村1人の計10人。 安曇村議会長、新潟工学部教授、宇都宮名誉教授、県議、三郷村/堀金村/豊科町/穂高町/梓川村長と合わせ、19名で構成。長野県側では、黒沢川の氾濫は30年に1度と想定し、基準点での基本高水流量(洪水の規模)は毎秒215m2、 ダム設置でカットする計画水量は毎秒15m2としている。部会にはダム建設賛成・反対者を選考しているが、相反する意見を持った人々が同じテーブルについても果たして議論が進むのか心配である。長い時間をかけて単なる数値目標の 議論が交わされるだけになってしまうような気がする。産廃検討委員会のような進行具合にならなければ良いのだが。水害はいつ起きるか解らない。ダムを造るべきか、緑のダム構想だけで治水・利水は可能なのか。難しい課題。(2002.4.12)
★黒沢川部会のメンバー:
1)nさん;「大地を潤す水が流れないかと思えば洪水として暴れ回る」としてダムによる調整に期待。
2)mさん;新たな水源としてダムの取水について、「今後の人口動向が論点」とした上、ダムによる水源確保の有効性を主張。
3)nさん;人口増や下水道普及による水需要の増加を挙げ、「国土交通省や県土木部がダム必要性を認めた経緯を再認識」。
4)tさん;洪水・水源対策として「自然破壊が最小限になる工法でのダム建設を」。
5)sさん;黒沢川などへの関心を高めているが、「ダムは必要」との立場。

6)kさん;「脱ダム宣言」に賛成の立場。しかしすべてのダムを否定するには大いに疑問があるとし、「水源確保にはダムが必要」と主張。
7)tさん;脱ダムネットワークのメンバー。付替道路・ダム本体工事などにより、「自然に看破しえぬ負荷を与え、災害の危険性が増大する」と主張。
8)uさん;「黒沢ダムに治水や利水の根拠となる適正な理由があるのか、科学的な検証から始めるべき」とし、ダムに代わる治水や利水対策を求めている。
9)mさん;ダム建設によって下流域への水の供給が減り、農作物に影響が出ることを懸念。地下水に水源を求め、「ダムを造るより経費も安い」と。
10)aさん;「自然を壊し、貴重な動植物の生命を奪い、150億円のダムは必要か?」と疑問を。
★2002.4/30;三郷村を流れる黒沢川の治水と利水を住民参加で論議する、県治水検討委員会の黒沢川部会が発足。豊科町内で開かれた初回の部会には18人が参加。2週間に1回、会合を開き、2002.8月末を目標に部会として結論をまとめる。 松本のベッドタウンとして人口が増えている三郷村は利水がポイント。ダム建設賛成、反対から一歩抜け出し、安曇野の将来をともに考えていきたい」と黒沢川部会と挨拶。黒沢川部会の「審議5原則」として「委員それぞれの発言を尊重し、 否定しない。私利私欲のための発言はしない」などとした。また、「できるだけスムーズに審理を進め、結論は両論併記でなく一つに絞りたい」との意向を示した。会合では黒沢川流域の状況や部会の進め方が話し合われ、委員からは行政の 節水への取り組みやダム予定地上部の森林の様子を問う意見が出された。部会はこの日、黒沢川の現状などの説明を県から受けた後、すっかり新緑になってきた西山山中の黒沢川上流の県営黒沢ダム建設予定地の現地調査を行った。 黒沢ダムは夏季の渇水時の取水安定、水質の保全、治水を目的にした多目的ダムで総貯水量74.3万m3。地元の三郷村は、松本市のベッドタウンとして人口が増加傾向にあるため、利水面からダム建設を求めているが、自然環境保護や ダムの安全性の観点から反対運動も展開。30年に一度に洪水が起こるとし想定した治水、三郷村や近隣の町村の水道用水と農業用水を目的に利水として利用される予定のダム建設は総事業費150億円。1991年に事業を着手し、既に7.4億円が 投入されている。進捗率は約5%。(2002.4.30)

★2002.5/14;県営黒沢ダム計画の是非を論議する「県治水・利水ダム等検討委員会黒沢川部会」の2回目の会合が豊科町の県南安曇庁舎であった。委員16人が出席。検討委員会の利水WGから将来の水需要の予測・水源確保の選択肢などについて 報告を受けた。将来の水需要は検討委が委託したコンサルタント会社の調査結果によると、2000年度の1日当たり給水量が7300tだったのに対し、2020年度の需要予測は9900t。部会では新たな水源の確保の必要性を確認。水源確保の方法は、 WGでは地下水、農業用水からの転換、多目的ダム、利水ダム、ため池の5つの選択肢を提示。「現行の砂防ダムを活用したダム建設も選択肢に入れるべきだ」との指摘もあった。第3回目は5/31予定。(2002.5.17)

★2002.5/31;県営黒沢ダム計画の是非を論議する「県治水・利水ダム等検討委員会黒沢川部会」の3回目の会合が豊科町の県南安曇庁舎にて行われ、委員14人が出席。将来の三郷村内の水需要について、2008年に1日当たり9600tになる。 この需要量に合わせた水源確保の方法を論議。水源確保の選択肢は6つ。地下水、農業用水からの転換、多目的ダム、利水ダム、ため池、現行の砂防ダムの活用。地下水については、三郷村内と南安曇郡内の実態、汲上げによる影響などが 明確でないとして、今後、詳しく検討する。ため池については、東京ドーム2個分の用地が必要となるため、現実的でない。一方、他の選択肢と組み合わせて需要量に合わせた水量確保を検討すべきとの声も。次回は6/9。水源確保のほか 黒沢川流域の治水の面も含めて検討予定。(2002.6.1)

〜続く〜


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