AZUMINO GUIDE PAGE NO.895

松本 国宝・松本城の情報




VISITOR NO.=


「松本城〜氷晶きらめく水鏡」

「雪の松本城」(松本城公園にて)

「松本城〜氷晶きらめく水鏡〜」(バレンタインデー特別演出)

「国宝・松本城プロジェクションマッピング2024-2025」(松本城公園にて)



「松本城」世界遺産登録目指す。松本城周辺のまちづくり:国宝松本城・国宝旧開智学校校舎・松本市立博物館・松本市美術館

■2025.2/7;世界文化遺産登録を目指す国宝の城を持つ松本市、犬山市、松江市の3市長と、文化遺産専門家の「意見交換会」が「松本市役所」で開かれた。
松本城、犬山城、松江城、姫路城、彦根城を加えた国宝5城を「近世城郭の天守群」として世界遺産登録を実現させるため、連携を深めていく。松江城は2025年国宝指定10周年で、6月に松江で開かれる式典には国宝5城の市長が出席し 関係を深める。国宝5城のうち姫路城は世界文化遺産に登録済、彦根城は暫定リストに記載。他3城は連携し世界遺産への機運を高めていくことが必要。松本市は「松本城の魅力を世界に発信し、地域の活性化も目指したい」と。

■〜2023.11/10;松本では「国宝松本城Week」と定めイベントを開催中。
11/10;松本市が「松本城の日」と定め、1週間、お城にまつわるさまざまなイベントが行われています。11/6;18:30;夜の松本城などを巡るツアーが行われた。参加者は天守から松本の夜景を楽しんだ。 松本市立博物館に移動し、江戸時代後期の松本城の城下町を再現した模型などの展示品を見学した。ツアーに参加した市民は「松本城から見える景色が日中によりきれい。定期的に松本城に足を運びたい」と。

「国宝 松本城の日」(2023.11.10;オリジナルフレーム切手)

■2023.11/10;「国宝・松本城」の世界遺産登録に向けた機運を高めようと定められた「松本城の日」。
松本城では、記念品の配布などさまざまな催しが行われています。11/10;明治時代のはじめに松本城天守が取り壊されそうになった際、保存に向けた資金を集めるため地域の人たちが中心となって天守で博覧会を始めた日。 松本市などは、松本城を市民が守ったことを広くアピールするとともに、世界遺産登録への機運を高めようと、11/10を「松本城の日」と定めた。松本市と市内の企業・団体らでつくる「国宝松本城を世界遺産に」推進実行委員会が 2021年度に制定した。11/10;松本城公園ではオリジナルのメモ帳や、NHK大河「どうする家康」で注目された初代城主・石川数正と康長親子のイラスト入りマグネットなどが先着300人に配られた。大勢の人が朝から列をつくり、 配布が始まって10分で終了。松本市文化振興課は「世界遺産登録を目指す中、多くの方に松本城を誇りに感じてもらうようにしていきたい」と。

■11/10;松本市の「国宝・松本城」の世界遺産登録に向けた機運を高めようと市が制定した「松本城の日」。
11/10;「国宝松本城を世界遺産に」推進実行委員会は、「松本城の日」に合わせ、松本城公園でお城の特製紙ファイルやメモ帳などを限定300セット無料配布。世界遺産を目指し市民や観光客にPR。
11/10;日本郵便信越支社は「松本城」の記念切手(オリジナルフレーム切手)を発売。
四季折々の情景や北アを背景に映える松本城を版画で表現。木版画家の塩入久さんによる作品。(\1330/1シート;\84×10枚)
11/9;一夜限りのスペシャルナイトツアーが行われ、市民や観光客約40人が参加した。

■11/3-11/10;「国宝・松本城」で松本城の日(11/10)に合わせた「国宝松本城ウイーク」が始まった。
菊花展や茶会、古城太鼓演奏、国宝天守の築城に携わった石川数正公の関連ブースが設けられ、多彩な催しがあり、観光客や市民でにぎわった。二の丸御殿跡では、松本弓道会主催の「第34回国宝松本城奉射弓道大会」が開かれ、愛好家160人や会員40人、 信大学生20人が腕前を披露。お城と北アを背景に弦が弓を打つ弦音が響き、的中すると観客から拍手が送られた。
「本丸庭園」では、松本古城会が松本城の守護神にまつわる「二十六夜神例大祭」を開いた。天守6階の梁の上に祭られているご神体を遷座して祭壇を設け、約150人が参列した。「須々岐水神社」の宮司が祝詞を上げ、山辺小の児童が浦安の舞を奉納、 松本城の安泰を願った。月齢二十六夜の月夜に二十六夜様が天守番に「梁にわれを祭り、餅をついて供え、藩士に分かち与えれば城が安泰となる」と告げた伝説に基づく。前日には久しぶりに餅つきを再開し祭壇に供えた。「松本城を愛する気持ちを 確認する機会になれば」と。

■10/28-11/12;8:30-17:00;「松本城公園」で恒例の「菊花展」が始まった。
地元の愛好家らが育てた黄や白、赤などの色鮮やかな約400鉢が並び、観光客や市民が写真に収めていた。2023年で63回目。市内の愛好家らでつくる「松菊会」の会員らが大輪を付けた大菊や、小菊を盆栽に仕立てた作品などを出した。

■2023.8/25;「国宝・松本城」、「犬山城」、「松江城」の、松本市臥雲義尚市長、犬山市原欣伸市長、松江市上定昭仁市長が松本市役所で懇談した。
専門家の助言で、「姫路城」と「彦根城」を加えた「近世城郭の天守群」として一括で世界遺産登録される可能性を改めて確認したとし、国内候補が選定されるここ1-2年は重点的に活動を進めることで一致した。3市のトップ会談は3月以来。 ユネスコの諮問機関のイコモス国内委員長を務めた経験がある西村幸夫・国学院大教授を初めて講師に招いた。西村氏は、既に世界遺産の姫路城、国内候補入りした彦根城を念頭に「単独で登録されていても、その後に重複で登録された例がある」と。 先行した形の姫路、彦根と連携を深めるヒントになるとした。松江市は「協力関係を3市から5市に広げたい」、犬山市は「3市の宝から、世界の宝へと手を伸ばしたい」。臥雲市長は「約50年という短い間にできた貴重な木造建築で、 戦乱から平和の時代への移行期を映している」と。5城一体での登録に向け、「こうした世界に通じるストーリーを練り上げていきたい」と。

「松本城の日」(ロゴ)

■8/20;松本の「国宝・松本城」の天守で、犬山城、松江城と合同企画「国宝天守合同床磨き」が行われた。
国宝天守を擁する3城が、共に目指す世界遺産登録への機運を盛り上げようと、初めて同じ日に取り組んだ。松本城では関係者や市民有志など約100人が集まり、丁寧に床を磨いた。オニグルミの実と、こぬかを布に包んだ専用の道具「たんぽ」で 床板をこすった。合同床磨きを主催した「国宝松本城を世界遺産に」推進実行委員会によると、犬山城では約60人、松江城では約70人が取り組んだ。実行委員会会長の臥雲義尚松本市長は、3城が世界遺産の国内候補に追加されるかは「ここ1,2年が 最後のチャンス。3城でしっかりスクラムを組み、世界遺産につなげていきたい」と。

■8/20;「国宝・松本城」の世界文化遺産への登録を目指す松本市は地元の人たちが城の床を磨くイベントが行われた。
国宝・松本城がある松本市は、島根松江と愛知犬山とともに城の世界文化遺産への登録を目指しています。世界文化遺産への登録の機運を高めようと、3市では城の床を磨くイベントが開かれ、松本城には地元の人100人ほどが集まりました。 松本市臥雲義尚市長は「新型コロナが5類に移行し、外国人をはじめ多くの人が松本城を訪れている。世界文化遺産への登録につなげたい」と。このあと、参加者は大天守や月見櫓などに分かれ、米ぬかとクルミを麻の布で包んだ「たんぽ」と 呼ばれる昔ながらの道具を使って床磨きに取り組みました。「たんぽ」は床のつやを出したり、木材を傷みにくくしたりする効果があるということで、床の隅々まで丁寧に磨いていた。歴史のある松本城を世界遺産にしたいという思いで 磨きました」と市民。

■訪日外国人動向などを紹介する「訪日ラボ」を運営する「mov」は、外国人に人気がある長野県内の観光地ランキングを発表。
ネットの外国語の口コミと評価を分析して独自に人気度を算出。県内観光名所100カ所、グリーンシーズン(5/12-8/9)調査。Googleマップの約1万件の口コミを解析。
1位;松本「国宝・松本城」(596P)、2位;「上高地・河童橋」(415P)。3位;温泉に入るスノーモンキーの「地獄谷野猿公苑」(343P)
4位;軽井沢「白糸の滝」、5位;安曇野「大王わさび農場」、6位;「中山道・妻籠宿」、7位;長野「善光寺」、8位;軽井沢「ショッピングプラザ」、9位;「旧軽井沢銀座」、10位;松本「松本市美術館」
口コミでの言語別人気観光地は、英語は松本城。中国語は河童橋。長野県内は人気スポットが分散。訪日外国人は県内各所の自然や歴史に触れ合えるスポットを訪れている様子がうかがえる。

■中信の観光地ではお盆休み(2023.8/11-8/16)期間の前半、どこも新型コロナ禍前を超えるにぎわいが見られた。
ただ、後半は台風7号の影響で宿泊施設では予約キャンセルが相次いだ。松本市によると、上高地の入り込みは、2019年(約5.3万人)の90-95%となる見込み。上高地観光旅館組合は「8/13以降に半数以上のキャンセルがあった。観光客が 戻ってきていた中で、このつまずきは痛い」と。「国宝・松本城」の入場者数は2万7600人、2019年(2万9200人)に迫った。特に外国人は2100人で2019年より1割多くなった。

■8/14-8/16;19:00-21:00;「松本城公園」で夏の風物詩「お城盆踊り」が始まった。
暗闇に浮かぶ天守を背景に、浴衣姿の市民や観光客などが風流な踊りの輪をつくった。移転新築で休館中の「博物館」前にやぐらが組まれた。集まった人たちは壇上の松本レクリエーション協会員が見せる踊りを手本に、松本音頭などの 民謡に合わせてしとやかに踊った。「松本音頭」や「浅間節」、「炭坑節」が流れると集まった人が楽しそうに体を揺らし、外国人客も飛び入り参加。お城盆踊りは戦後間もない1946年から続く伝統行事、2023年で75回目。 8/15-8/16;「ゆかたキャンペーン」との連携イベントが行われる。(雨天中止)

■8/14-8/16;19:00-21:00;「松本城公園」で「第75回お城盆踊り」
盆踊りのやぐらが設置され、カラフルな提灯が飾られています。ライトアップされた松本城をバックに、日本の夏を感じる盆踊りを。

■8/12;お盆休みを楽しむ観光客の入り込みが本格化し、各地の観光地は多くの人でにぎわった。
「国宝・松本城」では天守への入場まで最長1.2H待ち、8/12;松本城は本丸庭園に4918人が入場。11:00;250人が待機できるテント付ベンチに入り切らない人が炎天下で列をつくった。入場者数は新型コロナ感染拡大以前の2019年5313人より少なかったが、 市松本城管理課は「暑さで並ぶのを敬遠する人もいたのではないか」と。松本市街地の中町や縄手通りでも人出が多かった。満席のそば店では入店待ちの行列ができていた。

■8/10;信大医学部付属病院の脳卒中・心臓病等総合支援センタは、休みなく働いている心臓を思いやり健康について考える日「健康ハートの日」、県内の医療機関など6ヶ所をシンボルカラーの赤色でライトアップした。 「国宝・松本城」では天守閣がライトアップ。ほんのりと赤く染まった天守閣が浮かび上がると、観光客や夕涼みの市民が盛んに写真を撮っていた。

■8/8;「国宝・松本城」の夏の風物詩「第42回国宝松本城薪能」が二の丸御殿跡の特設舞台で行われた。
松本城を背景にした特設舞台で能「花月・鵜飼」や狂言「鬼瓦」が上演され、夕闇の中で厳かに繰り広げられる能や狂言の世界を約500人が堪能した。

■8/3;日差しが照り付ける「国宝・松本城」では、浴衣の職員が観光客を出迎えています。
午前中に30℃を超える中、職員が涼やかな浴衣姿でおもてなし。松本市松本城管理課は「気持ちもちょっと涼やかな気持ちになるかなと思います。夏を感じていただければ」と。8/11-8/16;浴衣や和服を着て訪れると天守と本丸庭園に無料で 入場できます。

■8/1;「水の日」。この1週間(8/1-8/7)は「水の週間」
8/4;松本市は「松本城公園」で「打ち水大作戦2023」を開催。打ち水で夏の暑さを少しでも和らげたい。(荒天中止)
国交省はポケモン・みずタイプの「シャワーズ」を「水の日」応援大使に任命し、「水の日」をPR。松本城に「シャワーズ」が登場する。12:00;黒門で一斉打ち水(一般公開)。10:30/13:30;松本城公園内でグリーティング。
松本市地球温暖化防止市民ネットワーク主催。
(問)事務局(松本市環境地域エネルギー課) TEL 0263-34-3268

■7/29ー7/30;「国宝松本城」の「二の丸御殿跡」で「第35回国宝松本城太鼓まつり」
松本駅前、大手門枡形跡広場にもステージを設け、松本の9団体など計20団体がステージに立ち、勇壮な太鼓演奏の音と熱気に包まれた。7/29:広場では市内3団体が出演、炎天下で汗を流しながら熱演。二の丸御殿跡にも観光客や市民ら多くの 聴衆が訪れ、演奏に聴き入った。荘厳な天守と融合するような迫力ある太鼓の音が響き渡った。新たな試みで松本城公園内にはキッチンカーの出店も。松本市や松本商工会議所などでつくる「城下町松本フェスタ組織委員会」主催。 7/30;15:00-16:00;松本駅前と枡形跡広場、17:30-20:00;松本城二の丸庭園で演奏。(入場無料)

奈良県を拠点に活動するプロの和太鼓集団「舞太鼓あすか組」の他、松本の国宝松本城古城太鼓,浅間温泉火焔太鼓保存会,松本アルプス太鼓,響,鳴桜,中山太鼓連,本郷若獅子太鼓,四賀鼓龍会虚空蔵太鼓,信州塩尻阿禮太鼓。県外では 神波(埼玉),批魅鼓(埼玉),玉里創作太鼓(茨城),尊徳太鼓保存会(栃木),安中総合学園高飛翔(群馬),大治太鼓尾張一座(愛知),岐阜県太鼓連盟獅子の会(岐阜),志童(兵庫),天樹(福岡)などが参加した。
(問)国宝松本城太鼓まつり実行委員会事務局(松本市役所観光プロモーション課) TEL 0263-34-8307(平日9:00-17:00)

■7/26;「国宝松本城を世界遺産に」推進実行委員会は、松本城の床磨きに使う道具を手作りした。
8/20;世界遺産登録を目指す犬山城、松江城と初めて「3城一斉床磨き」を予定。市民による床磨きは松本城で数十年続く取り組み。世界遺産登録に向けて協力する犬山城、松江城でも「松本発」の活動を連携して行い、市民の機運を盛り上げようと 同じ日の床磨きを企画。手作りした道具は米ぬかと砕いたクルミを布で包んだ「たんぽ」。適度な油分が床につやを与えるという。この日は実行委に加盟する「松本古城会」のメンバーら15人が、「ぬかとクルミを握ってまとめるのに力がいる」と 苦戦しつつ、100個ほどを作り上げた。古城会は「子どもも参加する床磨きは文化財を身近に感じる機会。こうした取り組みを3市に広げるのは大切なこと」と。

■7/24;松本中心街の夏を彩る「深志神社」の例大祭「天神祭り」が始まった。
氏子16町会の舞台(市重要有形民俗文化財)が境内に並び、華やかな雰囲気に包まれて多くの人たちでにぎわった。子供たちが乗った舞台は町会内を練った後に境内に引き込まれた。法被姿の氏子たちが舞台を押す場面、16台の舞台が並んだ様子などを 訪れた人は盛んに写真に収めていた。中町二丁目町会では十数年ぶりに子供たちの太鼓が復活した。新型コロナ禍が落ち着きを見せる中での開催。7/25;本祭り、氏子町会内をみこしが巡る。

■7/24-7/25;松本「深志神社」で例大祭「天神祭」
深志神社は、松本城の南西の守護神とされ、守護神社の一つ。学問の神「天神さま」(菅原道真公)が祀られ、受験時は合格祈願でお守りや絵馬を書いたりするので有名。松本に夏を告げる祭りとして昔から親しまれています。16町会が所有する 舞台は高さ4-5m。2階建てで彫刻が施されたり人形が飾られたりしています。舞台は1888年南深志の大火後に再建されたものが大半で、御輿は300年前の元禄時代に松本城主が作らせたものという。平成には各町会の舞台が修復作業が行われた。 神輿は市重要文化財、舞台は市重要有形民俗文化財。祭りの起源は1615年小笠原忠真公が大阪の陣の戦勝帰陣に際し、山車舞台を造らせ社前に曳き入れたと伝えられています。古い記録によれば、1692年祭礼に町内から舞台が出て、1738年車を つけた舞台を曳きまわしたという。
7/24;神輿と各町会の舞台が神社から引き出され、各町内を引き廻します。深志神社の宵祭りが斎行される夕刻(17:00〜)、子供囃子を乗せながらお囃子の音とともに境内に曳き込まれ、舞台16台と2基の神輿が豪華絢爛に社前に並びます。 神社では雅楽の演奏とともに神官の厳かな儀式が執り行われます。華やかなお祭りで数多くの露店が並びます。
7/25;11:00;本祭神事。14:00-17:30;神輿渡御、各町会の舞台、神輿が地域を巡ります。
(問)深志神社 TEL 0263-32-1214

■7/10;松本城にゆかりの深い「松本神社」の「例大祭」が始まった。
新型コロナ禍で中断していた子供みこしが4年ぶりに復活した。氏子の20町会の小学生約70人が2基のみこしを担いだ。法被にねじり鉢巻き姿の子供たちは東西の2コースに分かれ、街中を練り歩いた。子供たちの「わっしょい、わっしょい」という 元気な声が久しぶりに城下町に響き渡った。氏子総代は「70年前から続く伝統ある子供みこし。コロナ禍で3年間できなかったが、復活できてうれしい」と。7/11;9:45;本祭りでは大人が担ぐみこしの練り歩きが行われる。

■5/21;「国宝・松本城」二の丸御殿跡で、「松本藩古流砲術演武」が開かれた。
松本藩の古式砲術を伝承する市民有志の松本城鉄砲隊が甲冑姿で、戦国時代に伝来した火縄銃の砲術を実演、大小さまざまな火縄銃の撃ち方を披露し、多くの観客を楽しませた。鉄砲隊の男女13人が空砲で演武を披露。轟音が響き、 白煙が舞い上がると会場から驚きの声が上がった。織田信長と徳川家康の連合軍が武田勝頼を破った長篠の戦いで用いられた「三段撃ち」の技法などが披露され、訪れた人たちは戦国時代に思いをはせていた。演武は毎年春と秋に 開催してきたが、新型コロナの影響で2020年は春秋中止、2021年は春中止。2022年から通常開催。鉄砲隊は「大河ドラマに、松本城を築城した石川数正が登場したことで松本城への関心が高まっている」と、「松本城は鉄砲戦を想定して 造られたということを多くの人に知ってもらう機会になると思う」と。2023年秋の演武は10/15。

■5/初;「国宝・松本城」の松本城公園ではフジの花が見頃を迎えた。
本丸庭園内など4ヶ所にある藤棚では垂れ下がった花房が連なり、香りを放っています。

■松本市が掲げる国宝松本城周辺のまちづくり像「松本城三の丸エリアビジョン」実現に向けたプロジェクトが本格的に動き出す。
エリアを10に区切り、「界隈」のうち6つで地元住民らが取り組みを始動。空き地を生かして小規模店が並ぶ場所を創出したり、河川敷を美化して憩いの空間をつくったりと、地元の人も訪れる人も魅力を感じる街を目指す。 ビジョンでは10の界隈ごとに将来像と具体的な取り組み案を掲げる。

■4/29;「松本城」本丸庭園と黒門で華道の真派青山流による「野外いけばな展」が始まった。
季節の花を中心に色彩豊かな6点が並び来訪者を楽しませている。家元の弟子ら30人が2023年のテーマの「瑞宝」に沿い、アイデアを出し合った。地元の民芸品「松本手まり」をイメージし、竹を曲げて表現した大型作品は直径1.6m。 ラベンダーやシャクナゲ、デルフィニウムなどを組合せた作品も。

■4/28;日本郵便信越支社は松本市開智小学校の創立150周年を記念した切手シート300枚を郵便局で販売。
切手には、明治から昭和時代に撮影された同校の前身の国宝旧開智学校校舎や、今年撮影された現校舎などの写真が使われている。

■4/8;松本城外堀では桜の花が散り、お堀を埋め尽くした桜の花びらが、水面に浮かび薄ピンク色に染めています。桜が散った後も美しい春の光景。

■4/6;「松本城の桜」は散り始め。「本丸庭園」のシダレザクラ(清正公 駒つなぎの桜)は葉桜。松本安曇の島々谷(徳本峠入口)の桜が早くも見頃。
松本「アルプス公園」や安曇野「光城山」・「長峰山」などでも桜が見頃、池田町「陸郷」の山桜は満開。

■満開の桜と「国宝・松本城」。桜が見頃を迎えた「松本城公園」は大勢の花見客で賑わった。天候に恵まれ、家族連れや外国人観光客らが思い思いにお花見を満喫。
快晴の朝、「松本城公園」から「外堀」をぐるっと回る。松本城公園内の桜や枝垂れ桜は見ごろで、桜と残雪の北ア「常念岳」が絵になります。お堀の桜並木も満開で、「松本城の桜」と残雪の「大滝山」(標高2616m)〜「常念岳」(標高2857m)・ 「横通岳」(標高2767m)とのコラボが美しい。よく見れば常念岳の左手下に「槍」の穂先が見えます。

■3/27-4/3;松本城公園外堀沿い、女鳥羽川沿いで桜並木のライトアップ「国宝松本城桜並木光の回廊」が始まった。
約120灯の照明が春の城下町と桜を美しく照らし出す。松本城の桜の開花宣言に合わせた恒例のイベント。約80本の桜が並ぶ外堀では北側と東側の歩道沿いに約100灯を灯す。初日の外堀の桜はまだ咲き初め。市民がほころんだ桜にスマホを向けていた。 夜の本丸庭園を無料開放する「夜桜会」も始まり、外堀より一足早く見ごろを迎えたコヒガンザクラやシダレザクラ「駒つなぎの桜」が幻想的にライトアップ。光の回廊は18:30-21:00,金/土は18:30-22:00、「夜桜会」は17:30-21:00。大名町通りのイルミネーションは18:00-22:00。 日本気象協会によると松本城の満開予想日は3/31。

■松本は桜が見頃を迎え、公園や河川敷は大勢の花見客でにぎわった。
4/1;青空が広がり、風も穏やかで絶好の花見日和。松本城の本丸庭園や外堀沿いの桜も満開、観光客で賑わった。松本「城山公園」では桜並木が8分咲き。桜の下にシートを広げてピクニックを楽しむ家族。薄川沿いのソメイヨシノは満開。 薄川沿いのソメイヨシノの桜並木が花盛りを迎え、北アを背景に東西に延びるピンク色の帯が連なる。堤防沿いの緑地では花見客のシートやタープが点々と並び、春爛漫の風情を楽しんでいた。 山全体が淡いピンク色に染まった松本の桜の名所「弘法山」。ソメイヨシノや枝垂れ桜など約4000本が植えられ、ソメイヨシノは7-8分咲き。古墳のある山頂からは松本市街地が見渡せ、霞のかかった北アが望めます。

■3/24;松本城では桜の開花宣言があった。
2022年よりも2日早く、松本測候所の観測記録が残る1953年以降最も早く観測史上最速の開花。女鳥羽川のオオヤマザクラは満開、辰巳の庭のコヒガンザクラは5分咲き。
桜の開花状況(松本市)

■3/24;松本の「国宝・松本城」では観測史上最も早くサクラの開花宣言。
松本城「本丸庭園」や「外堀沿い」にはソメイヨシノやシダレザクラなど約300本のサクラが植えられています。3/24;外堀沿いのソメイヨシノが5輪以上の花を咲かせ、開花を宣言した。松本城のサクラの開花は2022年より12日早く、 観測が始まった1953年以降の70年間で最も早い開花。枝垂れ桜も開花。まだまだ桜は蕾が多いが、暖かい日が続けば3/末には満開になりそう。辰巳の庭の桜(コヒガンサクラ)はすでに7-8分咲き。松本城管理課は「当初は3/末開花を 予想していたが、このところの暖かさで一気に開花が進んだ。お堀だけでなく本丸庭園の桜もきれいなので是非楽しんでほしい」と。
3/27-4/3;松本城では夜桜、サクラのライトアップが行われます。国宝松本城「夜桜会」(17:30-21:00;庭園無料開放、天守には登れません)、国宝松本城桜並木「光の回廊」(18:30-21:00)

■3/24;「国宝・松本城」のソメイヨシノが咲き始め、桜の開花宣言。
旧松本測候所の観測を含めて記録が残る1953年以降、観測史上最速の開花。松本市松本城管理課が外堀沿いにあるソメイヨシノの標本木2本に複数の花が咲いているのを確認。開花を宣言した。天気が良ければ月内に満開を迎えそう。 3/27-4/3;夜桜のライトアップ。夜の本丸庭園を無料開放する「夜桜会」は17:30-21:00。外堀沿いを照らす「桜並木光の回廊」は18:30-21:00,金/土は22:00)。夜桜会では松本古城会による団子とすしの販売あり。

■2023.3/27;国宝の天守を有する3市(犬山市・松本市・松江市)が将来的な世界遺産への登録を目指すために、犬山市で懇談会が開かれた。
愛知県犬山市、長野県松本市、島根県松江市の市長が参加。3市はさらに姫路城と彦根城を合わせた国宝5城を「近世城郭の天守群」として世界遺産への登録を目指しています。しかし、すでに世界遺産に登録されている姫路市と、文化庁の 暫定リストに掲載されている彦根市とは温度差があります。「いきなり世界遺産登録というわけではなく、意思統一を図って、世界遺産に向けて5市で連携していきたい」と。

■松本市はYouTubeに「国宝・松本城」の公式チャンネルを開設、ライブ映像や動画を配信。
新型コロナ後の誘客強化に向けて城の情報を国内外に発信、旅行者らには混雑状況を確認してもらう狙いある。今後、公式チャンネルで松本城に関連するイベントの告知なども行う計画。
「本丸庭園」黒門にカメラを設置、天守を撮影し、天気の良い日には北アの山並みも望める。 (2023.6/15;チャンネル登録者;580人)。市松本城管理課は「旅行を計画している人や市民に気軽に見てもらい、城に足を運んでほしい」と。

■3/1〜;松本市はYouTubeで公式動画が再生されるたびに広告収入が得られる仕組みを3月から導入した。
松本市は5年前からYou Ttubeに公式チャンネルを開設、行政情報やイベント情報などを配信。その後、チャンネルの登録者や再生回数が増える中、情報発信の強化に役立てようと、市の動画が再生されるたびに広告収入が得られる仕組みを 3/1から導入した。松本市によると、この仕組みの導入は県内19市では初。松本市によれば、2/末時点で公式チャンネルの登録者は4100人、動画の平均再生回数は1本あたり2400回。2022年度の再生回数をもとにした試算すると年間10万円の 収入を見込めるという。得られた収入は行政情報の発信強化などに役立てていく。松本市臥雲義尚市長は「収益化によって公式チャンネルの内容の一層の充実を図って、これまで行政情報などが届きにくかった世代にも届くようにしたい」。

■2023.3/22;日本郵便が発行した「My旅切手シリーズ」(第8集)のデザインの一つに「大出公園から望む白馬三山の景色」が選ばれた。
地域の魅力的な景色や生活文化、特産品などを題材とした切手。
84円郵便切手×10(\840);善光寺、諏訪大社、旧開智学校、上田城、白馬三山、白糸の滝、おそば、おやきなど。
63円郵便切手×10(\630);松本城、上高地、国営アルプスあづみの公園(堀金・穂高地区)、妻籠、ビーナスライン、諏訪湖、地獄谷猿、戸隠神社、りんごなど。

■2023.2/3-2/4,2/10-2/11,2/17-2/18,2/24-2/25;18:00-19:30;「国宝松本城天守ナイトツアー」開催
夜間の天守入場は行っていないため貴重な体験。要所でツアーガイドが解説。天守からは松本の夜景と本丸庭園・埋橋のLED照明。松本城レーザーマッピング「松本城〜氷晶きらめく水鏡〜」を天守から観覧。ナイトツアー限定の特別御城印発売(\300)。 アルピコプラザH,エースイン松本,プレミアH-Cabin-松本,H飯田屋,Hニューステーション,松本H花月/松本丸の内Hなどで宿泊セット販売。
(ツアー;事前予約制,松本市内宿泊者,1日;40名,\700)

■2023.1/21;松本市と松本観光コンベンション協会は、外国人観光客向けに「国宝・松本城」の天守を夜間に観覧するナイトツアーを行った。
市内に宿泊する米国人、オーストラリア人の13人が参加、普段は体験できない暗闇の天守内を英語ガイド付きで見て回った。防寒具に身を包んだ外国人たちは、外壁にある石落の穴や、展示品のしゃちほこを興味深そうに観察し、 最上階では板戸を閉めて江戸時代と同じ暗さを体感。城主と姫君の人形に扮した「松本城おもてなし隊」の2人が突然動き出すサプライズの演出も楽しんでいた。天守ナイトツアーは、冬場の観光振興策として昨冬に初めて企画、 計12回に延べ276人の日本人が参加した。今冬は新型コロナ後のインバウンドの入り込み回復を見越し、市内に宿泊する外国人枠を新たに追加した。松本城を訪れる外国人数は、入国制限の撤廃でコロナ禍前の8割近くまで回復。

■「国宝松本城を世界遺産に」推進実行委員会は、中信の「MGプレス」で連載した「市民が守りつなぐ松本城」をまとめた冊子を作った。
実行委は「次世代を担う生徒たちに、市民が守った城の歴史を伝えたい」と、市内の中3年生約2400人に配布予定。記事は実行委が制定した「松本城の日」(11/10)に合わせ、2022年10-12月に7回連載。明治初期に売却され、解体されそうになった 松本城天守を買い戻す運動をした市川量造の子孫や、天守外壁の黒漆塗りを手がける職人、城の保存活動を続ける「松本古城会」などを紹介。冊子は2/25;市川の命日に合わせ、学校を通して配布。編集委員は「取材を通じ、明治期から市民が 城の保護に動いたのは全国的にも珍しいと再認識した。そうした松本の良さを知ってもらえれば」と。

■3/1-3/14;「国宝・松本城」の入場者は過去5年で最多、新型コロナウイルス禍前の2019年より2割以上増えた。
外国人旅行者の入場が増えたのが大きな要因。花見シーズンの3月後半-4月にかけてさらに増える傾向があり、松本城を中心にした観光産業の活性化が期待される。3/上;天候に恵まれ、松本城の入場者が急増た。1日1000人以上訪れた日が多く、 3/12;2918人と過去5年で最多。同期間の入場者2万1046人で2022年の2倍以上、新型コロナ禍前の2019年の21%増。3/15;早朝から多くの来場があり、特に外国人旅行者の姿が目立ち、外国人を英語などで案内するボランティアガイドが活躍した。 松本城管理課は「スキーで信州に来た外国人が松本城を訪れることが多いのでは」と。東南アジアからの来場も多く、ツアー旅行者も増えているという。「市民にも松本城に来てもらい、改めて魅力を知ってほしい」と。

■3/15;「国宝・松本城」で、冬の間、庭園の木々を雪から守ってきた「冬囲い」を外す作業が行われた。
冬囲いの取り外しには、松本城の保存活動に取り組んでいる「松本古城会」のメンバー17人が参加。本丸庭園には48本のボタンが植えられていて「わらぼっち」と呼ばれる、わらで作った囲いを丁寧に外すと、緑色に膨らんだ新しい芽が顔を出しました。 古城会は「あったかい春の日を浴びてきれいな花を咲かせてほしい」「松本城は観光客が大勢来て、天気になるし だいぶにぎやかになるのでは」。松本城管理事務所によれば、観光客は堅調に推移していて、3/1-3/14の来場者数は2万1046人と前年の (9724人)2倍以上に、コロナ前の2019年(1万3764人)と比べても1.2倍に回復。あと2週間で桜の開花も予想され、松本城は本格的な春の観光シーズンを迎えます。

■お城情報WEBメディア「城びと」(東北新社)で「2023年に行きたい!お城ファンの推し城20」を発表。
黒色の天守が水堀に映える「松本城」が2年連続1位。ランキングは、2022.9ー12月サイトユーザー1202人が日本100名城・続日本100名城の計202城の中から「推し城」を1人2城投票。「松本城」は漆黒の天守閣が北アを背景にお堀によく映えます。 松本城とお堀と赤橋、そして北アの山々が美しい。城には随所に白色(漆喰)の部分があり、白と黒のコントラストが美しいお城。

■12/1-2023.2/28;18:00-21:00;「松本城公園」にて「松本城〜氷晶きらめく水鏡〜」(松本城レーザーマッピング)
12/1;冬の松本で「松本市イルミネーション」「国宝松本城氷彫フェスティバル」からなる「光と氷の城下町フェスティバル」が開幕する。「国宝・松本城」に投射されるレーザーマッピングがお堀の水面に映る幻想的で壮麗な景色が15分間で 3回演出。最新システムを使用し、2021-2022シーズンよりも見応えのあるビジュアル表現と煌びやかな光が楽しめる。レーザーの特徴、点と線の描画で構成される演出は、対象物をスクリーンとするプロジェクションマッピングとは一味違い、 松本でしか観ることのできない芸術作品。
光と氷の城下町フェスティバルを盛り上げる「新たなイルミネーションスポット」や「グルメキャンペーン」も同時開催。イベントは全10演出で各々3分間。新演出は「大地」「水」「星空」、特別演出は「クリスマス」「お正月」「氷彫」 「バレンタイン」、2021-2022年の演出は「現在」「過去」「未来」で構成。
17:00-22:00;松本市街地イルミネーション。17:00-22:00;「トワイライトスクエア」は大手枡形広場に現れる美しく不思議な世界。12月の1ヵ月間、空間演出家によるシンボルツリーとイルミネーションで彩られる。毎週末には「MMM Xmas Market」 「まつもと古市 #85」「Art Park」「クリスマスバル&ライブ」。
2023.1/28-1/29;「国宝松本城氷彫フェスティバル」開催。お城と冠雪の北アを背景に瞬間の芸術・氷像が出現。
12月-2023.2月の3ヵ月間、「イルミネーション」「氷彫」の写真を撮り、Instagram・ Facebook・Twitterで「#光と氷の城下町」を付けて投稿すると、市内の提携飲食店でお得なサービスが受けられる。

■2022.12/1;松本では市街地をライトアップする「光と氷の城下町フェスティバル」が始まった。
音楽に合わせて光に照らされる「国宝・松本城」の天守。冬の賑わいを創出しようと、2021年度から始まった、松本城のレーザーマッピングですが、この冬はさらに、松本の豊かな自然をイメージした新たな演出が加わっています。 「星空」がテーマの演出で、3分間のプログラムを通じて星や星座がきらめいて、人々の願いを空へ届ける様子を表現。クリスマスやお正月、バレンタインといったイベント期間には限定の特別演出する。光がお城の屋根や石垣の凹凸に 合うようにデザインされ、お堀の水面に映った姿も幻想的。松本城の光のショーは2023.2/末まで、毎晩18:00-21:00に行われる。また、市街地でもイルミネーションが灯され、松本の冬の夜を彩ります。

■12/1-2023.2/28;松本市街地イルミネーションと「国宝・松本城」で「光と氷の城下町フェスティバル」
松本市は「光と氷の城下町フェスティバル」の一環として「国宝・松本城」を舞台にレーザーマッピングによる演出「松本城〜氷晶きらめく水鏡〜」を実施する。
松本城のレーザーマッピングでは、最新システムを使用して、ビジュアル表現と煌びやかな光を展開。レーザーの特徴である点と線の描画によって構成された演出が楽しめる。
2023.1/28-1/29;「国宝松本城氷彫フェスティバル」として、城と冠雪の北アを背景に氷像が出現する。

■12/1-2023.2/28;「国宝・松本城」など松本市街地を光で彩るイルミネーションが開かれる。
冬の観光誘客と市街地活性化を図るため、市や松本商工会議所などでつくる組織委員会が主催して2年目。音楽に合わせて松本城天守などにレーザー光を照射する他、今季から大手門枡形跡広場にも電飾を点灯する。松本城へのレーザー光照射は 期間中18:00-21:00点灯。「現在」,「過去」,「未来」を表現した昨季の3テーマに加え、赤やオレンジで「大地」、青で「水」、黄色で「星空」を表現する演出を新たに制作。クリスマスや正月、バレンタインなどに合わせた特別演出もある。 12/1-12/31;大手門枡形跡広場にシンボルツリーを設置、17:00-22:00;一帯で電飾を点灯。週末には雑貨や飲食物を販売するマーケット、音楽の生演奏などのイベントなど。大名町通り、信毎メディアガーデンなども光で彩られる。 松本市によると、昨季のイルミネーションには約11.8万人が来場した。

■1/28;氷の芸術で彩る「国宝・松本城氷彫フェスティバル」の「全国氷彫コンクール・チャンピオンシップ」が松本城公園で始まった。
全国の氷彫師12チームが参加し、技術の粋を集めた一晩がかりの氷彫制作に取りかかった。市民や観光客でにぎわい、氷の粒が飛び散る迫力ある制作風景。1/29;早朝からライトアップ展示。1/29;氷彫フェス最終日は、松本城公園と花時計公園、 大手門枡形跡広場、松本駅お城口広場、中町・蔵シック館、市美術館で氷彫の展示。

■1/27-1/29;厳寒の街を氷の芸術で彩る「国宝松本城氷彫フェスティバル」が松本で開かれる。
1/26夜には氷彫師が松本駅お城口広場で天使や魚の作品を作り上げ、氷彫フェスをPRした。大きな氷のブロックをのみやチェーンソーで巧みに削る職人技に、多くの人が足を止めて見入っていた。1/27;松本駅前と市美術館、1/28;中町蔵シック館 で氷彫展示。15:00;大手門枡形跡広場で制作実演、17:00;花時計公園で若手彫刻師によるプレイベント8本の氷で仕上げる。メインのコンクールは1/28夜から松本城公園で全国氷彫コンクール・チャンピオンシップ。 氷彫師が松本に集結し、最高峰の技術と思いを15本の氷に乗せ、夜を徹して制作。制作は1/28;17:00〜、展示は1/29;5:00〜、彫刻ライトアップは1/29;5:30〜。

■1/27;松本で氷の彫刻が並ぶ「国宝松本城氷彫フェスティバル」が開幕した。
松本市美術館と松本駅お城口広場に氷彫がお目見えした。市美術館の中庭には高さ2.5mの氷の塔が展示。塔の側面には細かい溝や凹凸が施され、周りの景色を映したり透かしたりして水晶のようにきらめいていた。松本城大手門枡形跡広場や 花時計公園、松本城公園などでも作家がチェーンソーで豪快に削ったりのみで輪郭を整えたり。オオカミやキリン、グリフォンなどを形づくった。厳しい冷え込みで氷にとってはベストな環境。1/28;中町通りの中町・蔵シック館前で制作実演あり。 全国から12チーム24人が参加する氷彫コンテスト「チャンピオンシップ」は、1/28;17:00〜;松本城公園で夜を徹して行われる。1/29;5:30〜;彫刻ライトアップ。

■県内の観光地は人出が回復傾向で、「国宝・松本城」でも正月の外国人観光客数が3年前の入場者数に戻りつつある。
正月三ヶ日の松本城入場者はコロナ前の80%にあたる1万3241人に回復した。臥雲義尚市長は「インバウンド需要もあり、この後はさらに回復していくと思う」と。松本市によると、コロナ前(2020年)の三ヶ日の入場者は1万6463人。 2021年はコロナの影響で4268人まで激減、その後は回復傾向。外国人観光客は2020年831人が、2023年は651人(78%)まで入場者数が戻った。1/21,1/28;松本市内に宿泊している外国人観光客を対象に、「松本城インバウンドナイトツアー」を行う。 また、2月金/土曜;市民向けのナイトツアー。臥雲市長は「全国的にもコロナ前のように客が戻りつつある。コロナ発生から3年がたち、日常として社会活動や経済活動を行っていくことが定着してきた。観光需要を盛り上げていきたい」と。

■「国宝・松本城」の正月三ヶ日の入場者は13241人(前年比1196人増)
コロナ禍前の2020年の約80%、外国人観光客も651人(同385人増)で2020年の78%と回復傾向。誘客を図るため、市は天守のナイトツアーを実施。1/21,1/28;外国人観光客限定のツアーを初めて開催、2月;金/土の計8日間は市民向けツアーも行う。 ガイドの解説付で、あんどんをともして江戸時代の暗さを再現するなど、当時の気分を味わう特別な体験ができる。松本観光コンベンション協会や松本城HPから申込む。応募多数時は抽選。

■1/3;「国宝・松本城」の「本丸庭園」で、中信の愛好家でつくる和太鼓グループ「国宝松本城古城太鼓」が新年を祝う打ち初めを披露した。
19人が出陣を表現した曲など5曲を演奏。大小の太鼓やどら、ほら貝を鳴らした。勇壮な音が響き、観客は足を止めて演奏を楽しんだ。

■1/3;「国宝・松本城」では本丸庭園が無料開放され、新年のお祝いムードに包まれています。
冬晴れの青空のもと、地元の和太鼓サークルが新年を祝う演奏を披露した。松本城では正月三ヶ日、本丸庭園が無料開放され、初登城に訪れた、地元の人や観光客などでにぎわいをみせています。 松本城管理課によれば、三ヶ日の来城者は、約1.2万人が訪れた2022年より1-2割多くなる見込みで、1/1-1/2;コロナ禍前と比べても9割以上の来城があった。

■「国宝・松本城」の「本丸庭園」が正月三ガ日に無料開放され、大勢の観光客や市民らでにぎわっています。
1/1;快晴のもと天守や北アの山並みを背景に記念写真を撮ったり、松本蟻ケ崎高書道部による書き初め作品を眺めたり。正月気分を満喫。1/2;同校書道部による書道パフォーマンスあり。1/3;和太鼓演奏などあり。

■松本城の4月-12/27;59万3500人と行動制限の緩和などを受けて、コロナ前の2019年の同じ時期と比べ、7割程度にまで回復した。
松本城管理課は「2022年もコロナの影響はありましたが、10月以降にぎわいが戻り始め、よい1年になりました。2023年もしっかりと感染対策をして、楽しく明るい年になることを願っています」と。

■12/13;年の瀬を迎え、新年の準備が進むなか、「国宝・松本城」では大きな門松の飾りつけが行われた。
国宝・松本城では毎年この時期、城の正面の「黒門」と東側の「太鼓門」の2ヶ所に大きな門松を飾り新年を迎える準備をしています。黒門前では市内の造園業者が高さ3.5m、直径20cmの3本の大きな竹を、わらを巻いたドラム缶の中に 固定しながら立てた。そして松や梅、それに紅白の実がついたナンテンなどを飾り、最後に「壽」と書かれた扇を取り付けて1対の門松が完成した。松本市松本城管理課は「2022年は多くの人に来てもらえたほか、制定してから初めての 松本城の日を迎えて盛り上がるなどいい年でした。2023年も笑顔で多くの人に来てもらえるよう準備を進めたい」と。松本城では12/28;1年の汚れを落とす「すす払い」を行ったあと、しめ縄を飾って新年を迎える準備を整え、正月三ヶ日は 10:00-15:30;本丸庭園が無料開放。門松は2023.1/7まで飾る予定。

■「国宝・松本城」周辺で民間が手がけるまちづくりなどをサポートしようと、松本市は推進支援組織を立ち上げる。
まちづくりに助言する専門家の運営委員や、各エリアの企業、団体が参加。12/13;「三の丸エリアプラットフォーム」が設立。お城まちなみ創造本部によると、松本城周辺のかいわいを「大名町」や「女鳥羽川」、「松本城南・西外堀」など 10エリアに分割。各エリアで市が進める公共事業と調整を図りつつ、商店主や地元住民ら民間が計画するまちづくりや空き家・空き地の活用などに協力したり、助言したりする。全国まちなか広場研究会理事、都市デザインの大学名誉教授ら 5人が推進支援組織の運営委員となり、寄せられた計画を審査していく。民間から寄せられた計画を具体化させるため、2023年5月以降に各エリアで試行し、2024年度から本格実施を目指す。臥雲義尚市長は「市にとって、松本城の三の丸エリアは 重要な地域。誰かに語りたくなる暮らしを実現するため、民間の様々な取り組みと連携できるよう、支援のあり方を検討していきたい」と。

■12/13;松本市が策定した松本城周辺のまちづくり指針「松本城三の丸エリアビジョン」を具現化する組織「三の丸エリアプラットフォーム」が設立。
丸の内の松本館で設立総会とキックオフトークがあり、民間主体の7つのプロジェクトチームが協力して、三の丸エリアのまちづくりを進めることを確認した。三の丸エリアプラットフォームは、三の丸内に設けた10の界隈ごとに行うにぎわい創出の 実施主体となる「事業会員」、支援に関する審査・助言を行う専門家の「運営委員」、プロジェクトに協力する「連携会員」で構成。運営委員の委員長に就任した、全国まちなか広場研究会理事の山下裕子さんは「プラットフォームが完成したことで まちづくりに力を結集することができる」と。臥雲義尚市長は、外堀復元事業が進んでいることを説明し、「三の丸エリアはこれまで以上に松本市の中心としてにぎわいと活力を生み出す街になる。多くの人を巻き込み、将来的に松本を けん引する大きな力を持つことを期待したい」と。三の丸エリアでイベントなどさまざまな活動に取り組む7つの事業会員の紹介があり、運営委員による「誰かに語りたくなる暮らし」をテーマにしたトークセッションもあった。2023年度に 10界隈のうち6つのプロジェクト社会実験を始めるのを前に、プラットフォームを設立する運びとなった。2023-2024年度は助走期間として国と市が各プロジェクトに補助金を出し、2025年度以降の自立を目指す。

■12/8;年の瀬も迫り、「国宝・松本城」では新年の準備が進んでいます。
松本城では「黒門」に飾るしめ縄作りが行われた。松本城の本丸庭園で行われた恒例のしめ縄作り。城の保全活動をしている「松本古城会」やシルバー人材センタのメンバーら約30人が大きな掛け声をかけながらわらを編み込んでいきました。 しめ縄は長さ6.5m×直径20cmで、編みあがるとかっぽう着姿の女性たちが飛び出たわらを切って形を整えた。松本古城会は「世の中穏やかになっていい年が迎えられるといい」。しめ縄は毎年、天守閣の入口や太鼓門など3ヶ所に飾っていますが、 2022年は防災・耐震工事の関係で黒門のみ。12/28;すす払いの後、「黒門」に飾られ、松本城は正月を迎える準備が整い、2023.1/1;開門の儀で来場者を迎えます。松本城管理課によると、松本城を訪れる人は少しずつ増え、 「新型コロナ禍前の7割ほどまで戻った」という。

■12/1;「国宝・松本城」で雪や寒さから木々を守る師走の風物詩「冬囲い」が行われた。
松本城の庭園に植えられている木々が雪の重みや寒さで傷まないよう、毎年12/1に行われ、松本古城会のメンバーや造園業者ら約40人が作業した。かっぽう着姿の女性らは庭園に植えられている50本の小笠原ボタンに「わらぼっち」と 呼ばれるわらで編んだカサを一つ一つ丁寧にかぶせた。また、松やツツジには雪の重みで枝が折れないように幹にそって立てた支柱の先端から縄を放射状に張る「雪吊り」が行われ、作業にあたった人たちは忙しそうに冬支度を整えていた。 冬囲いは古城会などによって1994年から行われている。古城会は「来年もきれいに花を咲かせてほしいという願いを込めて作業を行いました。外国人観光客も戻りつつあるなか、多くの人に日本の風情を感じて楽しんでほしい」と。 松本城では年末に向けて、しめ縄づくりやすす払いなどが予定され、正月を迎える準備が進んでいきます。松本城の「冬囲い」は春を迎える、2023.3/中に取り外されます。

■12/3;「松本市民活動サポートセンタ」で、「国宝・松本城」に収蔵されている火縄銃について学ぶ「松本城講座」が開かれた。
市民ら約20人が参加、イベントで古式砲術演武などを披露している「松本城鉄砲隊」の手ほどきで銃を構えたり、鉛の玉をつくる道具を持ったりして、火縄銃を用いた合戦の攻防に思いをはせた。鉄砲隊が銃の構造や扱い方を解説、 銃身の後端にはめ込む部品を除いてねじ締めが一切ないことなどを説いた。「火縄銃の構造には江戸時代の匠の技が生かされている。その上に近代文明があることを理解してもらえれば」と。松本城天守は、鉄砲や弓矢を放つ小窓の 「狭間」が100ヶ所以上あるなど鉄砲戦の備えを持っている。

■「国宝松本城」の東側にある「太鼓門二の門」が浮いた。
門の基礎部分を耐震補強するため、全体を1-2m持ち上げている。2023.2/10まで太鼓門を通行止めにして工事が行われる。太鼓門は城側にある一の門と、堀側にある二の門からなり、二つの門を枡形の土塀がつなぐ。明治時代初めに取り壊され、 市が1999年に古絵図などを基に復元。2018年度の市教委の耐震診断で強度不足が判明した。11月始まった補強工事では一の門の天井に補強材を入れ、二の門は基礎部分に鉄骨のフレームを入れる。二の門は工事期間中の大半、地面から 持ち上がった状態になる。

■11/22;松本市臥雲義尚市長は姫路市清元秀泰市長と懇談し、松本城や姫路城など国宝5城を生かして観光連携を深めていくことを確認した。
松本市は国宝5城を一体とした「近世城郭の天守群」による世界文化遺産登録を目指しており、今回の関係強化をその足掛かりにしたい狙いがある。国宝天守は姫路城、彦根城、犬山城、松本城、松江城。姫路城は1993年に世界遺産登録。 松本市は2001年に「国宝松本城を世界遺産に推進実行委員会」発足。2016年に松本市・松江市・犬山市の3市で「近世城郭群世界遺産登録推進会議準備会」と設立し、世界遺産登録を目指す。11/11;松本市、姫路市、犬山市、松江市の市長が 意見交換。2023年9月に姫路で開かれる姫路城世界遺産登録30周年記念イベント「お城EXPO in姫路」では5市長が集まり、各市にある国宝5城の連携強化について協議する。臥雲市長は「国宝の城を有する都市が連携してインバウンド誘致などに 取り組みたい」と観光面での協力を深めることを確認した。清元市長は「お城EXPO」で5市長がパネル討論などを行い、国宝5城の歴史や文化の魅力をアピールすることを提案した。世界遺産登録ありきではない国宝5城の連携強化に向け、 臥雲市長の呼び掛けで3市長の合同表敬が実現。松本市文化観光部は「城郭というハードだけでなく、歴史や文化といったソフト面での交流、ネットワーク化を進める契機にしたい」と。

■「国宝・松本城」で地元の小学生たちが地域のボランティアなどと協力して、大天守の床を磨く活動が3年ぶりに行われた。
取り組みは、地域を大切にする心を養ってもらおうと松本警察署などが行い、地元の開智小と地域のボランティアなど合わせて約100人が参加した。松本警察署は「皆さんの宝である国宝松本城の床を磨いて、規範意識や防犯意識も 磨きましょう」と呼びかけた。子どもたちは松本城に入ると、天守の1F・3Fに分かれて地域のボランティアと協力し、新品の雑巾を使ってはりや柱、床をから拭きした。松本城の床を磨く活動は新型コロナの影響で3年ぶり、 子どもたちは一生懸命きれいにしていた。

■11/3-11/10;文化の日(11/3)-「松本城の日」(11/10);「国宝松本城Week」開催
松本市臥雲義尚市長は「世界遺産登録への機運を高めるとともに、観光振興につなげたい」と。松本城は明治期の廃藩置県で不要となり、取り壊しが政府に許可されて競売にかけられた。天守の保存のため、地元で新聞発行に携わっていた 市川量造らが博覧会の開催を呼びかけて買い戻しに成功したとされる。その博覧会の初日が1873年11月10日だったことから、公募を経て「松本城の日」に定めた。この日に合わせて開催する「城を学び楽しむ」イベントで、城内や城下町を めぐる7つのガイドツアーなどもある。松本城大天守では、江戸時代初期に描かれたとみられる、松本城やお堀、城下町の様子を記した「絵図」が初めて一般公開。オリジナルの「御城印」販売。松本城に関する記録映像などを流す仮設テントも。 北アを望める場所にブースを設け、乗鞍岳や上高地のPRも行う。11/10;先着500人に記念のメモ帳やクリアファイルを配布。期間中は、市教育委員会の学芸員や識者らとともに、普段は公開されていない場所や、城下町などを巡るツアーも予定。 (問)松本市松本城管理課 TEL 0263-32-2902

■11/10;「松本城の日」
2022.11/10;制定されてから初めての記念日、松本城で記念グッズが配られた。松本城公園には市民や観光客など100人が並び、松本城の日を記念したエコバッグ、紙ファイル、メモ帳がセットになった記念グッズが先着500人に配られた。 松本城の日は、国宝・松本城を世界遺産登録を目指す推進実行委員会が2021年12月に制定。1873年に売却・解体されかけた松本城天守を買い戻すため、有志が開いた博覧会の初日にちなんでいます。四季折々の松本城を描いた記念の フレーム切手が郵便局で販売されるのを祝って、本丸庭園では式典が開かれ、郵便局から松本市に贈呈された。また、城の歴史を伝える映像を流すブースや、北アと松本城の景色を一緒に楽しめるベンチなどが設置され、訪れた人たちは 歴史や景色を楽しんでいた。市文化振興課は「ファンからの人気も高いので松本城は市の誇り。後世まで大切に残すためにも今後も取り組みを続けたい」と。松本城は多くの観光客でにぎわっています。

■「松本城の日」に合わせ、日本郵便信越支社が記念切手シートの販売を中信の郵便局で始めた。
松本の木版画家・塩入久さんが描いた紅葉や桜など四季折々の松本城をデザイン。松本城の日を多くの人に知ってもらいたいと、塩入さんが同社と市に提案し実現。\84切手の10枚組み。11/10;本丸庭園で贈呈式があり、松本城西郵便局長が 宮之本伸副市長に手渡した。局長は「世界遺産登録に向け、これからも盛り上げたい」と。(\1330,1000セット限定)

■〜11/10;「国宝・松本城」で愛好家が丹精込めて育てた「菊の花の展示会」が開かれています。
松本の菊の愛好家でつくる「松菊会」が毎年、この時期に開き、2022年で62回目。松本城公園の一角に設けられた会場には、愛好家や地元の小中学生が丹精込めて育てた菊の花、400点が展示。訪れた人たちは色とりどりに咲き誇る菊の花を 眺めたり写真に撮ったりして秋のひとときを楽しんでいた。松菊会は「ことしも力作がたくさん並んでいます。これから見ごろを迎えるので、ぜひ多くの人に見に来てもらいたい」と。

■11/3-11/10;「松本城の日」(11/10)に合わせて、お城の周辺では「国宝松本城ウイーク」が始まった。
「国宝松本城を世界遺産に」推進実行委員会が昨年度に松本城の日を制定したことを受けて初めて設けた。絶好の行楽日和となり、奉射弓道大会や二十六夜神例大祭、菊花展などが開かれ、爽やかな秋空に紅葉が映える城内に大勢の観光客や 市民らが足を運んだ。松本城「本丸庭園」では、松本城古城太鼓のメンバーが勇壮な演奏で観光客を迎えた。「二の丸御殿跡」では「第33回国宝松本城奉射弓道大会」が開かれた。国宝天守と北アルプスを背景に射場が設けられ、出場した150人が 腕前を披露した。段位3段以上の116人と松本弓道会員34人が出場。28m離れた的を狙う「近的」で1人1手矢2本を射った。2本を的中させた19人が決勝に進み、矢が外れるまで続ける「射詰競射」で順位を決めた。静けさの中、選手たちが矢を 放つと弦が弓を打つ弦音が響き、的中すると観客から拍手が起こった。松本城とゆかりが深い小笠原家が弓馬の奥義に通じたことなどから大会が開かれている。会長は「歴史を思い、一手入魂の弓を引く選手をはじめ、見学する方たちにも 弓道の魅力を感じていただけた。長く大会を続けていけたら」と。「松本城天守」では江戸時代に製作されたと見られる当時の城や町並みを記した絵図が展示された。レプリカですが貴重な資料が初公開。発売前には行列ができ、松本城の 登城の記念となる切り絵タイプの御城印(1000枚限定販売)、大勢の人が買い求めていた。

■11/3-11/10;「松本城の日」に合わせて、国宝松本城をPRするイベント「国宝松本城Week」が行われる。
「松本城×三ガク都」をテーマに、城で学び、楽しみ、山岳を感じられる、多彩なイベントを展開。大天守4Fでは一般初公開となる「信州松本城絵図」のレプリカを展示。絵図は2020年度に生坂村の古民家で発見され、市に寄贈されたものを修復。 市文化観光部松本城管理課課は「本丸御殿が起こし絵で描かれたものはこれまで見つかっていないので貴重な資料」と。11/3-11/5;本丸庭園で国宝松本城古城太鼓演奏、11/6;松本城おもてなし隊大集合。特設テント「映像シアター」では、 松本城の保存のルーツや昭和の大修理などの映像を放映。松本城公園には、山岳高原ブースを設け、北アルプスや乗鞍高原などの映像や「登山系ユーチューバー」の動画を流す。堀沿いには期間限定テラスを用意し、キッチンカーが出店。 美ヶ原高原の「うつくしテラス」で提供するメニューを販売。11/3;「松本城の日」の制定を記念した特別御城印発売(\1000,限定1000枚)。大きさは縦15cm、横10cm。松本城天守を切り絵で表現し記念日を入れる。そのほか、期間中には スペシャルガイドツアー。11/10;記念品を無料配布。「松本城の日」は2021年度、「国宝松本城を世界遺産に」推進実行委員会が公募し、最も多かった11月10日に決めた。この日は1873年、天守保存のために開催された「第1回松本博覧会」の初日。 松本城により親しみを抱いてもらい、世界遺産登録に向けた意識を醸成したいと、市では記念ロゴなども作成。制定後、初めて迎える「松本城の日」を盛り上げようと、これまでの「お城祭り」(11/3)を拡張し、「ウイーク」を初開催する。

■「国宝・松本城」で2021年制定された「松本城の日」(11/10)に合わせ、「松本城三ガク都」をテーマにイベントを繰り広げる「国宝松本城WEEK」開催。
松本城天守では、江戸時代の城一帯を描いた絵図のレプリカを初公開。絵図は1600年代の水野家が藩主だった時代のものとされ、大きさは2m×2m。本丸御殿など城郭内の建物が立体的に描かれている。本丸庭園ではお城の昭和の大修理(1950-1955)の 記録映画など貴重な映像資料も公開。松本城公園では北アをPRする動画を配信。
(問)松本市松本城管理課 TEL 0263-32-2902

■2022.11/9-11/15;松本菓子組合や松本市などでつくる松本スイーツ開発・普及事業実行委員会と井上は、井上で「松本城スイーツ販売会」と「夢スイーツ絵画コンクール2022」を開く。
11/10;「松本城の日」を盛り上げようと企画。松本らしい名物菓子の創出を目指して活動する同実行委の和洋菓子店やレストランなど7事業者が、松本城をイメージした商品を出品する。漆喰の白と漆塗りの黒を表現したパフェ、竹炭パウダーを 使った黒い生地のシュークリームなど16種類を\216-\1800で販売。「松本城がこんなスイーツだったら食べたい」をテーマに、主に市内小中学生から集めた絵画作品を展示する。応募全29点を並べ、11/13;入賞者を表彰。

■松本の木版画家・塩入久さんが描いた松本城の版画6点を使ったカレンダーが販売。
11/10;初めて迎える「松本城の日」に合わせて制作。「信州松本城の四季」(2023年木版画カレンダー)。塩入さんは「四季折々の松本城の魅力を感じてもらえれば」と。雪、桜、夕焼、入道雲、秋彩・ 紅葉などの題材を取り入れ、板の木目を利用して空気感や松本城の質感を表現。塩入さんは30年前から木版画を制作、2016年には県工芸美術展で県知事賞を受賞。カレンダーは毎年北アの山並みや安曇野の風景を描いた版画で制作してきた。 今回は松本城の日制定を記念して松本城のみに絞った。11月,12月の絵は秋に完成した新作で木目を強く出して雪と風の流れを強調。カレンダーは縦41cm×横51cm、絵は縦17cm×横46cm。松本城の日は、市民に城に親しみを持ってもらい、 国宝五城のユネスコの世界文化遺産登録を目指す機運を高める狙いで制定。塩入さんは「世界遺産登録に向け盛り上がりの一助になれば」と。毎年、塩入さんの「信州松本・安曇野の四季」を購入していますが2023年は松本城かな。(\1800)

■武将や姫、忍者を装い観光客らをもてなす「国宝松本城おもてなし隊」に新たなメンバーが加わった。
その名は「小笠原忠脩」。松本城3代城主・小笠原秀政と正室・登久姫の長男として安土桃山時代の1595年に生まれ、大阪夏の陣に出陣した実在の人物。女性の役者が演じ、「キリッとした目が印象的な美男子の武将」、「立ち居振る舞いが かっこいい」と好評。おもてなし隊は2013年に結成、本丸庭園でお城を背景に記念撮影に応じるなど観光振興に貢献。小笠原秀政と登久姫をメインに、初代城主・石川数正や7代城主・松平直政といったキャラクターがいる。足軽や忍者、 かわら版売りも出没。史実上の小笠原忠脩は、大阪夏の陣の際に松本城の守備を任されていたが幕府に無断で出陣。父・秀政に合流して豊臣軍と戦うも、親子ともに戦死した悲劇の武将。演じる役者は「おもてなし隊では親子3人がそろうことが できたので、ともに松本城を盛り上げていきたい」と。

■松本らしい景観を後世に残したいと、市は景観計画の見直しを進めている。
「国宝・松本城」をはじめ文化的な町並み、北アルプスや河川などの自然景観が見える場所を、新たに「眺望点」として19ヶ所24地点を選定。景観を阻害するような建物を設けず、屋外広告物の色彩を落ち着かせるなど、市民や事業者向けに 配慮すべき点をきめ細かに示して景観維持を図っていく。景観計画では、全市共通に加え、住居や商業、工業といった用途地域や松本城周辺の重点地区ごとに、建築物の高さや色彩、配置などの基準を示している。見直しは2008年の 策定以来初めて。眺望点を追加したほか、市内を20地区に分け、地域の特性に合わせた景観目標を設定。見直し案は8/19;市議会建設環境委員協議会で了承。現在は意見募集を行っている。眺望点は、県が県内各地で選定しているのを受けて、 市も導入。県建築士会に委託し、候補地108地点を抽出。その中から、松本城や蔵の町「中町通り」、北アルプスを望めるJR松本駅アルプス口、市街地を見渡せる弘法山や城山公園展望台などの地点を選んだ。松本城だけで本丸庭園や 天守最上階など6地点が含まれる。案では地点ごとに景観に配慮すべき点を明示。例えば、松本城では「歴史的景観との調和に努めるとともに、山並みの視認性を阻害する設置物は避けること」、王ヶ鼻の山頂では「太陽光発電などの設置で 景観が阻害されないように」などとある。眺望点の記述には、高さ制限など具体的な数値目標は示していないが、「事業者らへのメッセージにはなる」と市都市計画課。市は眺望点を「守るべき大事な景観」と位置付けており、「市民らに 広くPRする手段を考えたい」と。また、眺望点は必要に応じて追加していく。この他、見直し案では、現在「お城地区」と「お城南地区」の2ヶ所が指定されている「重点地区」の候補地として、松本駅東地区と旧開智学校周辺地区を 選んで盛り込んだ。駅東地区は市の玄関口にふさわしい景観を目指し、旧開智学校周辺では城周辺の街づくりの方向性を示した「松本城三の丸エリアビジョン」などと連動しながら景観保全を図っていく。市都市計画課は「先人たちが 守ってきた松本の景観を大切にしながら、まちづくりにも生かしていきたい」と。意見募集は9/26まで。計画は2022年度末までに公表予定。
(問)松本市都市計画課 TEL 0263-34-3015

■松本市は、南・西外堀の復元を計画している松本城の堀の水について、水量確保策の調査を計画。
お堀の水は現在、周辺の井戸から引き入れているが、外堀復元で堀全体の容量は増えることになる。文化庁の指導を受け、新たに確保すべき水量や、水源を増やす必要があるのかなどを総合的に調べる。市は市議会9月定例会に提出した 2022年度松本城特別会計補正予算案に、調査委託料として約1800万円を計上。松本城の堀の総面積は約3万1300u。このうち内堀と外堀は北馬場柳の井戸など4ヶ所、総堀は北門大井戸から水を引き入れ、堀底から自噴する水と合わせて 堀を満たし、周辺の川に排水して水質を維持。市が用地取得を進めている南・西外堀の史跡指定範囲は約9400u。復元する堀の形状や容量は、2022年度に始めた発掘調査で明らかになる見通し。一方、既存の堀では2023年度、堀底に 堆積した汚泥を取り除く浚渫作業を本格的に始める。こうした中、市は文化庁から水量確保や水質維持の方法を検討するように指導を受けているといい、文化財課は「水を確保するのにどのような手法があるかを整理し、最善策を 取っていきたい」と。

■松本市は「松本城太鼓門」の耐震工事に着手した。
2018年に実施した耐震診断で強度不足が判明したためで、7/中に足場が組まれた。2022年度と2023年度の2期に分け、第1期は2023.2/末まで。門を持ち上げて柱脚に鉄骨の補強プレートをはめ込む大規模な工事も予定し、11/中から2ヶ月間は通行止め。 国宝天守と市役所の間にある太鼓門は「一の門」(櫓門)と「二の門」(高麗門)からなり、門を持ち上げる工事は二の門で行われる。一の門は天井に補強材を設置し、やぐらの内部に4枚の耐震補強壁を設置。やぐらの内部は鯱瓦やパネルの展示スペースと なっていたが、耐震不足が判明した2018年以降公開しておらず、工事後に公開する。第1期の工事費は4499万円。第2期では漆喰の塗り直し作業を予定し、工事費は未定。太鼓門は天守築造後の1595年に松本城主・石川康長によって築造され、明治初期に 取り壊されるも、1999年に128年ぶりに復元された。城の入口を堅く守るための桝形門で、石垣・土塀を四角に囲い内と外に門を二重に構える構造になっている。市文化財課は「復元された建造物だが、国宝松本城を構成する重要な門。工事で来場者には 不便をかけるが理解を求めたい」と。

■松本市が「水をたたえた堀」の実現を目指す「松本城南・西外堀」の復元事業で、臥雲義尚市長は、南側から段階的に掘削を進める方向で検討している。
2019年の土壌汚染対策法の改正を機に水をたたえた堀の実現が可能になったとし、庁内で復元に向けた調整していた。一方、汚染土壌を含む掘削土の搬出先や処理方法などの課題が大きいことも分かり、着手の時期は見通せていない。 市議会6月定例会で、臥雲市長は「今後のスケジュールは2022年度中のしかるべき時期に提示する」とした。段階的に着手する理由として、2022年度末とした用地取得完了の時期が遅れており、用地取得が進んでいる南外堀を先行する方針。 7月には文化庁と外堀の復元手法について意見を交わす初めての協議を行う。2019年の土壌汚染対策法の省令改正では、汚染土壌を道路の盛り土といった公共事業の資材に利用できる。市によると、地表から2m掘削した場合は7500m3の汚染土壌を 含む土が発生し、10tダンプで1000〜1200台に該当。搬出先、活用方法は決まっていない。搬出先は土壌汚染指定区域に指定されるため、搬出先の反発や抵抗が予想される。搬出した汚染土壌は60日以内に資材に使用しなければならないという 規定や、汚染土壌を保管する施設が必要といった課題がある。松本市お城まちなみ創造本部は「さまざまな課題があることは認識しているが、念願の大プロジェクトを実現するため、文化庁と協議を重ねて課題を一つ一つ克服していきたい」と。

■お城情報WEBメディア「城びと」(東北新社)の「2022年に行きたい!お城ファンの推し城20」で、第1位は「松本城」
2021.11/17-2022.1/10;「城びと」の読者1032人が日本の名城(計202城)の中から「推し城」を1人2城投票した結果をまとめた。第1位;松本城は北アを背景に、水堀に映る姿が映える黒色の現存天守をもつお城の美しさに感動する声が多かった。 夜には天守がライトアップ。白と黒のコントラストがよい。前回まで2年連続2位だった「松本城」。2位;姫路城、第3位;犬山城。

■松本市や松本商工会議所など60団体でつくる「国宝松本城を世界遺産に」推進実行委は、松本城の建築前史から近現代の整備、調査などをまとめた「松本城のすべて 世界遺産登録を目指して」を刊行した。
事務局の市文化振興課は「城により親しみを持つきっかけにしてほしい」と。実行委は、松本城のユネスコ世界文化遺産登録を目指して活動。2021年に設立20周年を迎えたことから城の歴史を紹介する書籍を企画。政府がユネスコに登録を 推薦するには地域の盛り上がりも欠かせないとして進めた。A5判フルカラーで272頁。初版は3000部。元松本城管理事務所研究専門員らが執筆に関わった。戦国武将の石川数正・康長父子による天守築造の背景などを紹介。また1948年に 城の修理で調査した建築家、大岡実さんのサインなど公開機会の少なかった資料を掲載。城の愛好家で知られる落語家のインタビュー、本丸庭園を夜警していた番犬の「コロ」のエピソードなども収めた。松本市は国宝五城で「近世城郭の 天守群」として世界文化遺産登録を目指している。市文化振興課は「昔はこういうものもあったと、思いをはせながら楽しんでもらえれば」と。(\1800)

「国宝・松本城」(Matsumoto Castle)のInstgramは、アカウント「matsumotojo_office」のフォロワー数が開設1年の2022.4月で1.4万人を越えた。
外国人にも効果的な情報発信ができるため、市は積極的な投稿を続けている。アカウントは市松本城管理課が2021年5月に開設。2021.10/末;1000人,2022.1/末;4000人,2022.2/上;5900人。これまでに220の画像や動画を投稿。フォロワーの増加は 北アと松本城天守の構図が良いこと。2月の雪と漆黒の天守は「いいね」が計8万。将来の海外誘客を見据え、英語のハッシュタグも付与。熊本城の2.1万人を超えることが目標という。

■松本市松本城管理課が2021年から運営しているInstagramの投稿が好評。
フォロワー数は1.9万人を突破。IGを運用している国内の城の中で、フォロワー数1位は熊本城の2.2万人、目標としてきた熊本城超えの「天下取り」が現実味を帯びてきた。松本城のアカウントは観光客へ向けて発信力を高めようと 2021年6月運用開始。四季折々の草花や城内で開催されたイベント風景とともに、さまざまな角度から撮影した松本城を週5回程度の頻度で投稿。松本城の景色の移ろいを伝えている。フォロワー数は2022年1/末の北アと松本城が納まった写真や、 2/初の白い雪とお城の黒色とのコントラストなどの写真が人気となった。2月の投稿では「いいね」が約8万にも上り、フォロワー数が増えた。「松本城は見るたびに、角度によって表情が違う。ありのままの日常風景を投稿して魅力を 伝えていきたい」と。IGでは松本城周辺に現れる猫の投稿が人気。「城ねこ」と呼び職員が投稿。通常の投稿では「いいね」数は2000-3000だが、城ねこ投稿は8000ほど。城内から鉄砲を打ったり、矢を射ったりするために使う小窓 「狭間」に入り込む姿や庭園内でくつろぐ様子を捉えた写真が人気という。
国宝松本城(matsumotojo_office)

■「国宝・松本城」の庭園や堀沿いにある約300本の桜で、根元に生える若芽のひこばえが育っている。
老化が進み全体的に樹勢が衰えているが国史跡の区域内は植え替えができないため、市が延命策として数年前から育てている。見た目には影響があるが「長い年月をかけて幹にしていきたい」とし、市民や観光客に理解を呼び掛けている。 松本城公園の内堀周辺では、あちこちの桜で高さ1m以上のひこばえが群生。中には2mに達するものもあり「順調に育ちだいぶ大きくなってきた」と庭園管理を担う松本城管理課の技師は話す。お城の桜は1955年頃、天守の解体復元修理を 記念する造園植樹運動で盛んに植えられた。約9割が寿命50〜60年とされるソメイヨシノで、2019-2020年度の樹木医の診断では全体的に老化で弱っていることが分かった。お堀の土手では根を張れる範囲が狭いことも樹勢に影響している。 一方、国史跡では地中の遺構が傷つく恐れのある抜根や植樹ができず、昭和や平成の初めの頃より規制が厳しくなっている。市は管理を委託する造園業者と相談し、基本的には切除すべきひこばえを育て、中長期的に幹を更新させる方針を 取った。枯れ枝処理や、無害な栄養剤を散布。花見の時期には毎年数万人が訪れる。「今できる最善の策をしていく。根を踏んだり枝を折ったりせず、他の樹木も含めて大事にしてほしい」と。
※木の根元に生えるひこばえ(若い芽)は主幹への養分も取ってしまうことから剪定するべき枝とされますが、主幹が古くなってきた場合はあえて残し、主幹を剪定すれば、株を若返らせることができます。

■「国宝・松本城」を世界遺産にしようと活動する推進実行委員会は公募していた「松本城の日」を11/10と決めた。
1873年、天守保存につながる第1回松本博覧会が開催された初日の日付。史実に基づき、市民の城として守られた物語性があるなどの理由から採用された。「わたしが決める松本城の日」と題して、2021年10月から募集を開始。10〜91歳から 101件、41の日付の応募があった。11/10;16件と最多、2位:4/20(最初の国宝指定日)14件、3位;3/29(国宝再指定日)13件。かつての松本城は明治期の廃藩置県で不要となり、取り壊しが政府に許可されて競売にかけられた。当時、地元で 新聞発行に携わっていた市川量造らが天守破壊の運命を知り、博覧会の開催を呼びかけて買い戻しに成功したとされる。11/10;保存への市民運動の起点となった日といえる。推進実行委は「松本城の日」の決定によって、「松本城により 親しみをもっていただき、世界遺産登録への機運を盛り上げたい」と。2/6;「国宝松本城を世界遺産に」のトークイベントを市内で開き、11/10を選んだ人たちを表彰する。(入場無料,定員;800人,1/31まで参加者募集)

■松本市などでつくる「国宝松本城を世界遺産に」推進実行委は、公募した「松本城の日」を11/10と決めた。
1873年に城天守保存のため、第1回松本博覧会が開かれた記念の日に当たる。城に親しみを持ってもらい、国宝五城のユネスコ世界文化遺産登録を目指す機運を高めるのが狙い。市内外から101件が寄せられ11/10は最も多い16件を集めた。 市文化振興課によると、松本城は1872年に競売にかけられて個人が落札し、解体されそうになった。後に県議などを歴任した市川量造らが、松本城で民芸品や動植物標本を集めた松本博覧会を開催し、入場料収入で天守を買い戻した。 実行委員長の臥雲義尚市長は「松本城天守が今に続く姿をとどめる市民運動の起点となった日。大切なストーリーをもう一度喚起し、松本城周辺の発展へ向け意義あるものにしたい」と。

■2021.12/9;松本市は「世界水準の歴史観光エリア」の実現に向けた「松本城三の丸エリアビジョン」の骨子案を公表した。
お城周辺一帯を10ヶ所の「かいわい」に分け、各エリアの特色を生かしたプロジェクトを民間主体で進める。担い手候補となる商店主や事業者などと頻繁に意見交換を重ねており、策定後の2022年度から憩いの場づくり、空き店舗活用などの 実証実験を始める。三の丸エリアビジョン骨子案で示した10エリアのうち注目なのが「市役所周辺」。市は、本庁舎前の太鼓門をくぐって本丸へと向かう江戸時代の登城ルートを物語性を持たせて観光客の間に根付かせ、本庁舎敷地を含む 周辺一帯を「松本の街の新たなシンボル」となる憩いの広場に再整備する方針を示す。大名町通りをお城方面へ向かう観光客の多くは、突き当たりの外堀に架かる土橋を直進する。しかし江戸時代に土橋はなく、市は水をたたえた南・西外堀の 復元を目指している。臥雲義尚市長は「登城ルートを顕在化する。三の丸エリアの将来像の中でも大きな転換」と。憩いの広場の整備には本庁舎の移転かスリム化が必要。現地建て替え計画見直し、庁舎分散化を公約する臥雲市長は東庁舎と 渡り廊下で結ばれた本庁舎の敷地に行政施設を建てない考えを示しているが、市議会は計画見直しを了承していない。市がビジョン骨子案を示した市議会総務委員協議会では、新庁舎建設などの計画と整合していないなどの指摘が相次ぎ 「承認しがたい」と集約された。

■国宝の五城で「近世城郭の天守群」として世界文化遺産への登録を目指し、「松本城」、「犬山城」、「松江城」の3市が連携を強めている。
五城のうち「姫路城」は既に世界文化遺産に登録され、「彦根城」も前段の暫定リストに入っている。3市は機運を高める活動を続けるが、2市とは温度差もある。3市は11/16-11/17;松江で市民の交流行事を開催。世界遺産の登録に向け 「啓発の方向性を話し合いたい」と松本市。2022年「松本城の日」を制定して機運を盛り上げようと、11/10まで日付や理由を公募した。松本市はかつて単独登録を目指したが、暫定リスト入りできなかった。その際、文化庁から同種資産との 組合せなどを研究するよう求められた。このため2008年から犬山市、彦根市との共同研究に方針転換。彦根市は市長の交代を機に離脱したため、犬山市、松江市と取り組んできた。政府の文化審議会は2021年3月、従来の暫定リストを見直すよう 文部科学相に答申。このリストの中から、政府はユネスコに登録を推薦するため、松本市臥雲義尚市長は「千載一遇のチャンス」と3市での活動を活発化。6月には3市長が文科省の副大臣とオンラインで意見交換。7月も松江市の観光関連シンポ ジウムに松本、犬山市長がリモートで登壇するなどアピールを続けている。犬山市長は「複数の城で捉えた方が価値を発信できる」と。だが、ハードルは高い。1993年に姫路城が登録された姫路市は「一城で普遍的価値を認められた。五城での 拡張登録は考えていない」と。92年に彦根城が暫定リストに入った彦根市長も「単独で登録を取りにいきたい」と。暫定リストの見直しは2022年3月まで、手順を定める作業が続く予定。その後、政府の文化審議会が対象を絞って自治体に 資料提出を求めたり、現地調査したりするとみられる。新たなリスト入りは「阿蘇カルデラ」や「四国遍路」なども狙っている。世界遺産に詳しい国学院大の西村幸夫教授は「木造の天守群は世界史でも珍しく、ストーリーとしては有力」と した上で「五城で必要十分なのかという国宝にとらわれない深い議論が必要。複数での登録に向けては文化庁がイニシアチブを取る必要も出てくる」と。国宝5城 江戸時代までに建てられ、天守が現存する12城のうち、文化財保護法に基づいて 国宝に指定された姫路城、彦根城、松本城、犬山城、松江城。他の7城は国指定重要文化財。同法では重要文化財のうち世界文化の見地から価値が高く、類いないものを文部科学相が国宝に指定できると定めている。世界遺産への登録は政府の 文化審議会が暫定リストから候補を選び、ユネスコに登録の推薦書を提出。毎年ユネスコの世界遺産委員会で決定。文化遺産と自然遺産があり、2021年7月には国内で「北海道・北東北の縄文遺跡群」と「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」 が登録。国内からは文化20件、自然5件が登録。暫定リストには現在、彦根城など文化5件を記載。

2019年の土壌汚染対策法の改正を機に水をたたえた堀を復元できる可能性が広がったとして実現を模索。試掘は2021〜2022年度に南外堀エリアで、2023〜2024年度に西外堀エリアで行う計画。

■9/25;松本の「国宝旧開智学校校舎」で耐震対策工事の見学会が開かれた。
2021年始まった工事は2024年秋の完了を予定し、段階ごとに見学会を実施。現在進めている壁の耐震補強の様子と合わせ、普段目にすることのない内部構造や建築当時の部材などにも理解を深めた。2021年12月に続く開催で、学芸員が 4回に分けて約20人を案内。壁の内部が表れている箇所では、1876年の建築時の柱や1964年の移築時に使われた部材を見学。寺院からの転用材が多く、特に1Fで貫穴がたくさんある柱が多いと説明を受け、参加者が興味深く見入っていた。 耐震工事では、新たに木材や構造用合板を組み入れる工法や、鉄骨などで基礎を強化する様子も見て回った。10/2;見学会あり、参加者募集中。
(問)旧開智学校 TEL 0263-32-5725

■10年前の県中部地震以降通行止めになっている「松本城」の「埋橋」が老朽化し、市が対応に苦慮している。
全面的な改修に必要な基礎部分の調査を、堀の遺構を傷つけずに行うのが困難なため。元々は実在せず1955年に観光用に架けられた橋だが、フォトスポットとして定着しているだけに、市は2021年度策定する「松本城三の丸エリアビジョン」の 検討課題として在り方を探る。松本城管理課によると、埋橋の改修は地震前の2011年3月を最後に行っていない。朱色の欄干は色あせて劣化が激しく、安全に通行させるには全面的な改修が必要。実施には架設から65年を経た基礎部分の 状態や強度を確認する必要があるが、耐荷重の調査でコンクリートが沈めば堀底を傷つける可能性がある。「現時点では荷重をかける方法しか考えられない。どうにも動けない10年だった」。1999年に定めた松本城整備に関する計画では、 埋橋を撤去し、内堀と外堀を区切る遮蔽物として江戸期にあった「足駄塀」を復元するとしている。しかし、構造や規模を示す資料が不足し、復元のめどは立っていない。一方、埋橋は資料的根拠はないものの、天守に美観を添える撮影 スポットで観光PR用画像にも使われ、城の一部として浸透している。松本城管理課は「化粧直しは最低限行いたい」とし、短期的には塗装直しを視野に入れる。将来の取り扱いについては、臥雲義尚市長が市議会6月定例会で「三の丸エリア ビジョンで課題の一つとして検討していく」と。

■9/14;冷たい空気が吹き出す「風穴」を活用した小屋の中で約5ヶ月間熟成させた日本酒の「蔵出し」作業が松本安曇で行われた。
松本安曇の稲核地区には地中を流れる雪どけ水などで冷やされた空気が岩の隙間から噴き出す「風穴」があり、300年以上前から漬物などの熟成に使われてきた。明治時代には製糸業が日本を支える産業として盛んだったころに蚕種(蚕の卵)を 貯蔵する場として使われていた。地元の3つの酒造会社では、この「風穴」を囲うように建てられた小屋の中で毎年、日本酒を熟成させていて、9/14;5000本の「蔵出し」作業が行われた。酒造会社によれば、「風穴」によって真夏でも8℃に 保たれている小屋の中で4/下〜約5ヶ月間貯蔵したことで、ゆっくりと熟成が進み、まろやかで口当たりのよい日本酒に仕上がっているという。酒造会社は「昔からある風穴を利用して今年もお酒を熟成でき、うれしく思います。秋の味覚と 一緒に味わってほしい」と。「蔵出し」された日本酒は、来週から松本を中心に県内外で販売される。2007年にブランド化した「風穴貯蔵地酒」
(問)亀田屋酒造(アルプス正宗) TEL 0263-47-1320
(問)大信州酒造(大信州) TEL 0263-47-0895
(問)笹井酒造(笹の誉) TEL 0263-47-0762

■松本市は「あがたの森公園」にある池を清掃するため、13年ぶりに水抜き作業を始めた。
夏に藻が茂り、汚れた水が循環する状態となったため、根本的な水質改善が必要になった。工期は11/末を予定しているが、落ち葉などの堆積物が多かった場合は延長する場合もある。夏に汚れを沈殿させる薬を投与したが改善しなかったため、 水の入替えが必要と判断。10/21;工事を始め、バキュームで少しずつ水を抜いている。11/16;池の水位は1/3となり、底が見えるようになった。池の広さは3000u、水深は深い所で80cm。池に生息するコイは別の池に移した。外来種のミドリガメは 駆除を検討。水を抜くことで沈殿物から漂う臭気が心配されたが、今のところ、公園利用者や近隣住民から苦情はないという。市公園緑地課によると、十数年前は池の水を毎年交換していたが、水質を保てたことから13年間実施していなかった。 水の入替えにかかる工事費は432万円、堆積物が多く工期が延長された場合はさらに費用がかかることもある。池には水を循環するポンプはあるものの、浄化する機能はないため、ろ過装置の導入を検討する必要がある。市公園緑地課は 「臭気が出ないように気温が下がる時期を選んで水を抜いている。今後、いかに水質を保つか検討に着手したい」と。

■松本でもインバウンドの回復の兆しが表れている。
水際対策を緩和してから増加ペースが加速、10月の松本城の外国人観覧者数は4333人と前年同月の6倍、コロナ禍前の2019年10月の15894の3割まで戻ってきた。観光関係者は回復基調の持続を期待。市松本城管理課によると、入国者数の上限が 撤廃され個人旅行も解禁された10/11以降、外国人観覧者の増加が顕著になった。10月は欧米系が7割を占めたが、最近はアジア人の姿も目立つといい、「コロナ対策の注意書きなども、再び多言語を意識しないと」と。通訳ガイドを行うNPO法人 「アルプス善意通訳協会」でも依頼件数が増加。繁忙期と同じ半日で5件の日もあるといい、事務局は「確実に戻ってきた。再び活動できる喜びを感じる」と手ごたえ。宿泊者数も増加。Hブエナビスタでは水際対策の緩和を境に外国人の 予約件数が急増。10月は2019年同月の3割まで戻り、11-12月の予約はさらに多いという。松本ホテル旅館協同組合は「団体客も見るようになってきたが、まだ道半ば。コロナ下でも何とか客足が引かないでほしい」と一層の回復を期待する。 インバウンド需要の高まりは記録的な円安も後押し。臥雲義尚市長は外国人観光客の誘致を強化する考えを示し、特にコロナ禍前の市内宿泊者が国・地域別で最も多かった台湾を重点市場として観光プロモーションを展開する方針。

■松本を訪れた観光客らに、国宝松本城を中心とした市街地を無料で案内する「松本まちなか観光ボランティア」が20周年を迎えた。
2002年の発足以来、年間数千人をガイドし、松本の歴史や文化、自然や景観を紹介。会員たちの郷土愛や好奇心が温かなおもてなしを育んでいる。「三の丸側は堀が深く、二の丸側ほど浅かったと考えられます」。観光ボランティアが月例で 開いている内輪の研修会。9月は市教委文化財課の職員を講師に、会員たちが松本城南外堀の発掘現場を見学していた。メモやカメラを手に松本城の最新の情報や知識を見聞きする。いつ、どんな案内依頼が来ても対応できるようにと欠かさない 勉強の一環。現在活動するボランティアは50-80代の約30人、平均年齢は72歳。定年退職後に登録する人も少なくない。自分たち自身が郷土を知り、驚いたり感心したりした喜びを大切に来訪者を案内するのだという。「全国から訪れる人たちと 交流できるのは私たちも楽しい」と。コロナ禍前の2018年度に389件4130人だった年間案内数は、2020年度146件1160人にまで減ったが、2021年度は196件2411人と回復傾向。外国人客や団体客はまだ少ないものの、小学校の校外学習や公民館講座、 家族単位の街歩きなど市民も含めた幅広い人々に松本の魅力を伝えようと熱意は衰えない。事務局の松本観光コンベンション協会は「ボランティアの活動の幅はまだまだ可能性がいっぱい。子供からシニア層まで市民も観光客も、ガイドを 通じて松本を楽しんで」と。

■2022.8/4;国宝の城を持つ松本市、犬山市、松江市の市民交流会が松本で始まった。
お城の世界遺産登録をともに目指す関係者9人が参加、8/5まで松本城の視察や意見交換会を通じて交流を深める。初日は松本城の視察と、外国人観光客の案内の現状と課題を学ぶ学習会があった。松本城の視察では松本市文化財課の 研究専門員が案内役となり、天守の中で松本城の成り立ちや構造を解説。松江市の松江城を守る会事務局は「それぞれの城の理解を深めることで連携を深め、世界遺産登録を目指す活動を活発化させていきたい」と。8/5;松本Mウィングで 市民交流会。観光の在り方や3市民の連携継続などをテーマに意見交換を行う。市民交流会は「国宝松本城を世界遺産に」推進実行委員会が主催。松本城、犬山城、松江城に、姫路城と彦根城を加えた国宝5城を「近世城郭の天守群」として 世界遺産登録を目指す活動の一環として企画。

■2022,8/2;「国宝松本城を世界遺産に」推進実行委員会は、市民公募で定めた11/10;「松本城の日」をPRしようと記念のロゴマークを作り、企業などに利用を呼びかけている。
土産物などに活用してもらい、世界遺産登録に向けた機運を盛り上げる。ロゴは北アを背景にした天守で「国宝松本城を世界遺産に」の文字を入れた。実行委によると、松本城関連の土産物の包装に印刷したいとの引き合いが既にあるという。 市文化振興課は「市内の盛り上がりを全県に広めたい」と。ロゴは、形の改変などをしなければ自由に使える。松本城の日は明治初期に売却・解体されかけた松本城天守を買い戻す資金を集めるため、1873年の博覧会の日にちなむ。 2022年11/10;記念シンポジウムを計画。QRコードからアクセスできる電子申請で申し込む。使用期限は2026年3/末まで。

■2022.2/23;松本「アルピコプラザ」で、松本のシンボル「国宝・松本城」を中心としたまちづくりの構想「松本城三の丸エリアビジョン」案をテーマにした臥雲義尚市長と市民の対話集会「多事争論会」が開かれた。
お城東側の市役所本庁舎の敷地のあり方などについて議論が交わされた。オンラインを含め61人が参加。ビジョン案に示した10ヶ所の「界隈」のうち本庁舎敷地周辺一帯について、市は公園や道路、公有地が一体となった「松本の新たな象徴的空間」と して広場などにする方針。これについて参加者から「広場的空間の創出は賛成」との声があり、市長も「庁舎を現地に建てない考えは市民の多数に賛同してもらえるのでは。ここのコンセンサスだけは早く市民や議会とつくりたい」と。一方で 「敷地が民間に渡ると、もし建物ができた場合の景観への影響が心配」「庁舎を分散するなら三の丸エリア内にしてほしい」といった指摘や要望も出た。「ビジョンの具現化をどう検証するのか」との意見に対して臥雲市長は、具現化に向けた 業務委託費を2022年度一般会計当初予算案に計上。「10の界隈の皆さんに具体的なアクションへの助言、方向付けをしていただきたい」と。

■松本市は2022年度から、県と連携して中心市街地の緑化に本腰を入れる。
街中の歩道や河川敷、広場に主眼を置き、街路樹の転換や親水エリアの整備、大型プランター設置などの実施を検討。緑の潤いあふれる空間で歩行者を増やし、にぎわい創出や脱炭素化につなげる街づくりを市民との協働で進めたい考え。 松本駅と松本城、あがたの森公園を結んだエリアを対象にする。重点エリアの一つがあがたの森通りで、自転車走行帯の整備に合わせ、街路樹の保全、転換などを行う方向で、道路管理者の県が調査や設計を進めている。実行メニュー案には このほか、女鳥羽川河川敷を観光客らの憩いの場にする整備、テラス席やベンチが置かれた歩道への緑陰スペース創出、松本駅前広場へのミニ庭園設置なども挙げている。市は2021年夏、県や長野市などとともに「信州まちなかみどり宣言」を 行い、緑や水、土を生かした街づくりに着手。2022年度に「松本まちなかグリーンインフラアクションプラン」を策定し、2023年度から実行する考えで、部局横断の庁内検討チームや、樹木医や地元関係者などでつくる外部の検討委員会を 設ける。松本の緑化政策を巡っては以前から「中心市街地に緑があまり感じられない」との声があり、市が2014年度に「緑の基本計画」を作り直し、てこ入れした経緯がある。しかし大量の落ち葉やムクドリの騒音・ふん害に対する懸念が 地元関係者の間にあり、取り組みは道半ばとなっている。市建設総務課は維持管理の負担との兼ね合いを重視し「地域がついてこなければ絵に描いた餅になる。地元住民などから提言を受けながら、より実効性の高い計画にしていきたい」と。

■2021.12月;松本市などでつくる「国宝松本城を世界遺産に」推進実行委は、公募した「松本城の日」を「11/10」と決めた。
1873年に城天守保存のため、第1回松本博覧会が開かれた記念の日に当たる。城に親しみを持ってもらい、国宝五城のユネスコ世界文化遺産登録を目指す機運を高めるのが狙い。市内外から101件が寄せられ11/10は最も多い16件を集めた。 市文化振興課によると、松本城は1872年に競売にかけられて個人が落札し、解体されそうになった。後に県議などを歴任した市川量造らが、松本城で民芸品や動植物標本を集めた松本博覧会を開催し、入場料収入で天守を買い戻した。 実行委員長の臥雲義尚市長は「松本城天守が今に続く姿をとどめる市民運動の起点となった日。大切なストーリーをもう一度喚起し、松本城周辺の発展へ向け意義あるものにしたい」と。

■国宝の五城で「近世城郭の天守群」として世界文化遺産への登録を目指し、「松本城」、「犬山城」、「松江城」の3市が連携を強めている。
五城のうち「姫路城」は既に世界文化遺産に登録され、「彦根城」も前段の暫定リストに入っている。3市は機運を高める活動を続けるが、2市とは温度差もある。3市は11/16-11/17;松江で市民の交流行事を開催。世界遺産の登録に向け 「啓発の方向性を話し合いたい」と松本市。2022年「松本城の日」を制定して機運を盛り上げようと、11/10まで日付や理由を公募した。松本市はかつて単独登録を目指したが、暫定リスト入りできなかった。その際、文化庁から同種資産との 組合せなどを研究するよう求められた。このため2008年から犬山市、彦根市との共同研究に方針転換。彦根市は市長の交代を機に離脱したため、犬山市、松江市と取り組んできた。政府の文化審議会は2021年3月、従来の暫定リストを見直すよう 文部科学相に答申。このリストの中から、政府はユネスコに登録を推薦するため、松本市臥雲義尚市長は「千載一遇のチャンス」と3市での活動を活発化。6月には3市長が文科省の副大臣とオンラインで意見交換。7月も松江市の観光関連シンポ ジウムに松本、犬山市長がリモートで登壇するなどアピールを続けている。犬山市長は「複数の城で捉えた方が価値を発信できる」と。だが、ハードルは高い。1993年に姫路城が登録された姫路市は「一城で普遍的価値を認められた。五城での 拡張登録は考えていない」と。92年に彦根城が暫定リストに入った彦根市長も「単独で登録を取りにいきたい」と。暫定リストの見直しは2022年3月まで、手順を定める作業が続く予定。その後、政府の文化審議会が対象を絞って自治体に 資料提出を求めたり、現地調査したりするとみられる。新たなリスト入りは「阿蘇カルデラ」や「四国遍路」なども狙っている。世界遺産に詳しい国学院大の西村幸夫教授は「木造の天守群は世界史でも珍しく、ストーリーとしては有力」と した上で「五城で必要十分なのかという国宝にとらわれない深い議論が必要。複数での登録に向けては文化庁がイニシアチブを取る必要も出てくる」と。国宝5城 江戸時代までに建てられ、天守が現存する12城のうち、文化財保護法に基づいて 国宝に指定された姫路城、彦根城、松本城、犬山城、松江城。他の7城は国指定重要文化財。同法では重要文化財のうち世界文化の見地から価値が高く、類いないものを文部科学相が国宝に指定できると定めている。世界遺産への登録は政府の 文化審議会が暫定リストから候補を選び、ユネスコに登録の推薦書を提出。毎年ユネスコの世界遺産委員会で決定。文化遺産と自然遺産があり、2021年7月には国内で「北海道・北東北の縄文遺跡群」と「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」 が登録。国内からは文化20件、自然5件が登録。暫定リストには現在、彦根城など文化5件を記載。

■2021.12/9;松本市は「世界水準の歴史観光エリア」の実現に向けた「松本城三の丸エリアビジョン」の骨子案を公表した。
お城周辺一帯を10ヶ所の「かいわい」に分け、各エリアの特色を生かしたプロジェクトを民間主体で進める。担い手候補となる商店主や事業者などと頻繁に意見交換を重ねており、策定後の2022年度から憩いの場づくり、空き店舗活用などの 実証実験を始める。三の丸エリアビジョン骨子案で示した10エリアのうち注目なのが「市役所周辺」。市は、本庁舎前の太鼓門をくぐって本丸へと向かう江戸時代の登城ルートを物語性を持たせて観光客の間に根付かせ、本庁舎敷地を含む 周辺一帯を「松本の街の新たなシンボル」となる憩いの広場に再整備する方針を示す。大名町通りをお城方面へ向かう観光客の多くは、突き当たりの外堀に架かる土橋を直進する。しかし江戸時代に土橋はなく、市は水をたたえた南・西外堀の 復元を目指している。臥雲義尚市長は「登城ルートを顕在化する。三の丸エリアの将来像の中でも大きな転換」と。憩いの広場の整備には本庁舎の移転かスリム化が必要。現地建て替え計画見直し、庁舎分散化を公約する臥雲市長は東庁舎と 渡り廊下で結ばれた本庁舎の敷地に行政施設を建てない考えを示しているが、市議会は計画見直しを了承していない。市がビジョン骨子案を示した市議会総務委員協議会では、新庁舎建設などの計画と整合していないなどの指摘が相次ぎ 「承認しがたい」と集約された。

■2021.12/9;松本市は「国宝・松本城」を中心とした市街地の将来像を示す「松本城三の丸エリアビジョン」の骨子案を示した。
旧開智学校校舎から南側の松本城、女鳥羽川の区域を10の「界隈」に分類。界隈ごとに街づくりの取り組みを進め、市民の暮らしと観光を両立させた世界水準の歴史観光エリアを目指す。市役所周辺は「地蔵清水・柳町界隈」とし、にぎわいを 創出する広場と位置付けて街の新たなシンボルにする。拡幅整備を進める内環状北線周辺の「松本城南・西外堀/外堀大通り界隈」は、通りを歩行者空間としても活用する構想を示した。ほかに「大名町通り界隈」や「松本城二の丸界隈」も、 市民や歩行者の憩いの場などへ再整備する方針を盛り込んだ。市は、市議会総務委員協議会で報告。しかし、議会側は市役所周辺の整備を巡り、市が計画している「分散型市役所」の議論が進んでいないと主張し、骨子案を「承認しがたい」と 集約した。ビジョンは2021年度末に策定。臥雲義尚市長は「庁舎の建て替え計画は同時並行的に進めており、年明けには議会にも説明する。ほかの事業と整合性を取りながら進めていきたい」と。市は6月、公募型プロポーザルでビジョンの 策定支援業務を都市デザイン事務所「ハートビートプラン」に委託。140の企業や個人に聞き取り調査したほか、公立小中高校の児童生徒や市民ら計5000人にも市の将来像を尋ねるアンケートをしている。

■2021.10/1-10/29;松本市や信毎など59団体でつくる「国宝松本城を世界遺産に」推進実行委員会は、独自に制定する「松本城の日」の候補日を公募する。
松本城の日にふさわしい日のアイデアを寄せてもらい、2022.2/6;審査結果を発表。松本城への親しみを深め、世界遺産登録に向けた機運を醸成する狙い。天守が国宝に指定された3/29、1873年に天守が取り壊されそうになった際に保存に向けて 開いた博覧会初日の11/10など、城の歴史や出来事にちなんだ日を考え、400字以内で理由を添えて応募する。市文化振興課は「記念日を考えるために松本城のことを調べることで、城への興味や愛着が生まれるといい」と。市内在住者や 市内へ通勤・通学している人が対象。実行委HP専用申請フォームから応募。実行委が審査し採用者全員に記念品を贈る。

■松本市が「世界水準の歴史観光エリア」の実現を目指して策定する「松本城三の丸エリアビジョン」の検討作業が本格化。
天守や旧開智学校などの観光スポットだけでなく、お城周辺の暮らしや文化の豊かさが観光客を引きつけるまちを目指す。都市デザインのコンサルタント業者と協力し、にぎわい創出の主体になり得る地元の事業者や住民、各分野の専門家など 民間の意見を幅広く聞き、エリア別のまちづくり方針を練っている。ビジョンの検討範囲は、松本城三の丸エリアと、旧開智学校を含む周辺一帯。市はコンサル業者と協力して地元住民や商店、企業などに出向き、どんなまちにしたいかなどの 聞き取り調査を8月から続けている。今後は調査結果を踏まえ、検討範囲内に10ほどのエリアを設定し、それぞれで特色あるまちづくりのシナリオを描く。画餅に終わらないよう、まちづくりの担い手候補となる商店主や企業、まちづくり団体 などを探して意見交換し、文化財や交通などの専門家からも助言を受けるなどして実現可能性の高いものにしていく。年度末をめどにビジョン案を固めた後、翌年度以降に社会実験を行い、シナリオ通りのにぎわいにつながるかを検証する。 市お城まちなみ創造本部は「行政が作るのではなく、地元の皆さんのビジョンにしたい」と。コンサル業者は「魅力的な観光地は人々の暮らしが豊かそうに見える。民間の取り組みが公共事業と連動して活気につなげることが大事」と。

■2021.8月;松本市が用地取得を進めている松本城南・西外堀復元事業で、堀の幅や形状を調べる試掘が8月から本格的に始まった。
戦国時代に敵の侵入を阻む仕掛けなどの遺構があるかどうかなども含め、堀の全容を解明する4年がかりの調査。市は調査結果を基礎資料として、水をたたえた堀の実現を目指す。市教育委員会が松本城公園南側の3ヶ所で試掘を行い、かつて 土塁に面していた南外堀の内側のへりの位置やのり面の角度を調べている。市教委は復元事業着手前の1998年、2006年にも別の場所で試掘しており、その際には外側のへりの石積みが見つかっている。今回の調査で内側のへりが確認できれば 堀の幅が分かり、江戸時代の絵図などと照合して堀の範囲を推定できるようになる。堀の形状も単純とは限らない。大阪城などでは、敵が攻めにくいように堀底を凸凹にした仕掛けの遺構が発見されている。松本城三の丸を囲む総堀跡では 外向きにとがったくいが見つかっている。こうした防御の遺構が発掘される可能性もゼロではなく、市文化財課の担当者は「堀の範囲や形状は分からないことだらけ。さまざまなことを想定し、慎重に発掘を進めなくてはならない」と。 南・西外堀の復元区域面積は約1.1万u、市はこのうち民地9283uの用地取得を目指す。進捗率は72%、2022年度には完了する見通し。市は鉛による土壌汚染の判明を受けていったんは堀の範囲を平面で表示する「平面整備」にしたが、 2019年の土壌汚染対策法の改正を機に水をたたえた堀を復元できる可能性が広がったとして実現を模索。試掘は2021〜2022年度に南外堀エリアで、2023〜2024年度に西外堀エリアで行う計画。

■2021.7/末;松本市が復元を目指している「国宝・松本城」の南側の外堀について、8月から堀の範囲を確認するための発掘調査を始める。
松本市によれば、国宝・松本城の南側と西側にはかつて外堀があったが、大正から昭和にかけて埋められ、現在は民間企業が土地を所有している。松本市は2007年から城の本来の姿を取り戻そうと復元事業を始めた。改正土壌汚染対策法が 2019年施行され、汚染土の処理が可能になり、外堀を掘削して復元する見通しが立った南側の外堀について土地の取得が進んだことや、文化庁から発掘調査の許可が下りたことから、南側の外堀の範囲を確認するための発掘調査を8月から 始める。外堀があったとみられる3ヶ所で幅3m、長さ10mの溝を掘って地層を確認し、外堀の範囲を確かめるという。松本市は2021年中に南側の外堀の調査を終わらせ、その後は文化庁と協議し、調査方法を検討していく。また、松本市では 首里城やノートルダム大聖堂の火災を受けて、2022年度までに松本城にスプリンクラーを設置する計画を進めています。

■2021.6月;松本市は「国宝・松本城」の南側と西側の外堀について、掘削して復元する見通しがついたと明らかにした。
松本市によれば、国宝・松本城の南側と西側にはかつて外堀がありましたが、大正から昭和にかけて埋められ、現在は民間企業が土地を所有していて、松本市は2007年から城の本来の姿を取り戻そうと復元事業を始めた。市は外堀があった 土地の取得を進め、2017-2018年に掘削を行うための調査をしたところ、土が自然由来の鉛で汚染され、汚染土処理に4.6億円の費用がかかることがわかりました。民法の規定で汚染土の処理費用は土地の元の所有者が負担することになるため、 掘削しての復元は断念した。しかし、改正土壌汚染対策法が2019年施行され、公共事業工事で汚染土を盛り土などとして利用できるようになったため、土地の元の所有者に処理費用の負担を求める必要がなくなったという。市は2022年度中には 外堀があった土地をすべて取得できる予定とし、掘削して復元する見通しが立ったとしています。今後、文化庁から調査や工事の方法などについて指導を受けながら復元を目指す。

■6/14;松本市の臥雲義尚市長は、国宝松本城の南・西外堀の復元を巡り、「具体的方法を研究する」としていた汚染土壌の処理方法に一定のめどが付いたと明らかにした。
近年の法改正で、掘削で出る汚染土を公共事業の盛り土などに使うことが可能になったためとしている。堀の用地取得は2022年度中に終える見通しで今後、復元に向けた動きが加速しそう。外堀を巡っては、市が2007年度に復元着手を表明したものの、 2017年度の調査で土壌から自然由来の鉛などを検出。4億円に上る汚染土撤去などの費用が地権者負担になってしまうことから2018年度、当面は掘削を伴わない「平面整備」を行うと転換した。2020年3月に就任した臥雲市長は「掘削による水を たたえた堀の復元は可能」とし、手法の調査研究を進めていた。市によると、2019年4月の土壌汚染対策法と関係省令の改正で規制が緩和され、自然由来の汚染がある土壌でも、土木工事の盛り土などに使えるようになった。臥雲市長は「汚染土を 資源として有効活用するもので、公共事業として活用するための費用を除き処理費用は発生しない」と。外堀復元に向けた用地は約7割が取得済み。市は2021年度、埋蔵文化財調査を始め、文化庁と協議しつつ復元の計画を進めていく。松本城では、 文化庁が世界遺産の国内候補を見直すことから登録に向けた活動も2021年度活発化。臥雲市長は、松本城一帯を「世界水準の歴史観光エリア」と位置付け、外堀復元を含めた一帯のまちづくりに注力するとしている。

■松本市が用地買収を進めている松本城南・西外堀の復元事業で、臥雲義尚市長は「水をたたえた堀を実現できる方法がある」とした。
これまでは用地の一部で確認された汚染土壌の処理を巡る問題から、2018年に掘削を伴わない「平面整備」に方針転換した経緯があるが、国の規制改革に伴う法令改正で解決の道筋がついたという。市議会6月定例会の一般質問で臥雲市長が説明。 従来の答弁は実現可能性への言及にとどまっていたが、今回は「2022年度中に用地取得が完了する見込みを見据え、文化庁の指導を得ながら外堀復元の実現に向けた調整を進めていく」と。基準値を超える自然由来の鉛の土壌汚染が複数の 地点で確認されたのは2017年度。無害化の処理に約4.6億円の費用がかかり、法的には地権者が負担せざるを得ないとし、実際問題として、松本市は2018年、堀の掘削を棚上げした。2019年4月の土壌汚染対策の省令改正で、汚染土壌を道路の 盛り土といった公共事業の資材に利用でき、無害化の費用が発生せずに済むようになった。松本市お城まちなみ創造本部長は、文化庁もこの考えに一定の理解を示しているとし「法的な課題をクリアして堀を復元できる」との認識。 復元の対象区域は約9300u、用地取得率は約7割。市は発掘調査を2021年度から4年以上かけて行い、堀の設計へと進める方針。復元の時期はまだ見通せないが、松本古城会は「どんなことがあっても実現させたいと思っていた。見通しが 付いて本当にうれしい」と。

■6/9;世界遺産の国内の候補リストをまとめるのを前に、松本城など国宝の城を一括で登録することを目指し、自治体の関係者が国に要望した。
松本城は、すでに世界遺産となっている姫路城も含めた国宝5城(松本、犬山、松江、姫路、彦根)で世界遺産一括登録「近世城郭の天守群」を目指しています。そのためには、2022年夏までに文化庁がまとめユネスコに提出する、国内の候補リストに入ることが 第一歩となります。5つの城のうち、松本市臥雲市長と、島根松江城の上定昭仁市長、愛知犬山城の山田拓郎市長が文科省副大臣とオンラインで意見交換し、支援を求めた。文科省の文化庁が3月に発表した国内候補のリスト見直しを登録に 向けた好機、正念場と捉えて活動することを確認。3市は「近世城郭群世界遺産登録推進会議準備会」を2016年度に組織し活動しているが、市長交代もあり3人が顔を合わせるのは初めて。臥雲市長は「千載一遇のチャンス。何年もかけて 積み重ねてきたものをこの1年間に全てぶつけるつもりで取り組みたい」、「世界的に見ても価値があるということを説得力を持って示せるのか、説明やプレゼンテーションが必要」と今後の課題について触れた。山田市長は「非常に 重要な局面。しっかりとお城の価値を発信して理解を深めたい」、上定市長は「3市が一体となって登録に向けて力を合わせたい」と。臥雲義尚市長は3市では連携を深めることや、学術調査に力を入れることなどを確認した。姫路市と 彦根市に対しても必要な働きかけをしていく方針。副大臣は「学術調査に力を入れて組み立ててほしい」との助言があったという。

■松本城の世界遺産登録を目指す運動が正念場を迎えている。
ユネスコへの推薦候補を掲載した国内暫定リストを文化庁が14年ぶりに見直すことになり、記載の可能性が広がった。市は「この機を逃すとしばらくチャンスはない」と国宝5城による「近世城郭の天守群」の登録に向け、機運醸成や 関係自治体への働きかけを強める。「この1-2年が大きな正念場。最初で最後のチャンスと捉えることができる。臥雲義尚市長は、会長を務める官民連携組織「国宝松本城を世界遺産に推進実行委員会が開いた総会で参加者を鼓舞した。 2021年で発足20周年となるが、近年は機運の盛り上がりは停滞気味。2021年度は「松本城の日」の制定や、若者向けのオンライン学習会の開催を新規に企画、活動の強化期間を設ける。「近世城郭の天守群」(松本城、姫路城、彦根城、 犬山城、松江城)の関係自治体との協調にも動く。文化観光部長は5/中に松江市を訪問、就任間もない市長を表敬し、一層の協力を呼びかけた。6年前の国宝指定で観光客が増えた松江城は注目度が上がり、部長は「多くのメディアから 取材され、関心の高さを感じた」と。松本、松江、犬山の3市は「近世城郭群世界遺産登録推進会議準備会」を組織。課題は、すでに世界遺産となっている姫路城、暫定リスト記載済みの彦根城の地元自治体が前向きに協力してくれるかだ。 臥雲市長は「彦根市にもいずれ足を運ぶなどして姫路、彦根の両市とも気持ちを共有し、5市の協力体制が示せるように努力したい」と。暫定リストの記載は7件。このうち「奄美・沖縄」と「北海道・北東北の縄文遺跡群」が7月に 世界遺産として登録決定される見通し。文化庁はリストの補充・変更を行う方針。

■「国宝松本城を世界遺産に」推進実行委員会の公式HPがリニューアル。
松本城の紹介部分を中心に英語版を設けたほかInstagramを連動させるなど、外国人や若者にも層を広げて分かりやすい情報発信を進めていく。Instagramには事務局職員が週1-2回松本城にちなんだ写真を投稿し日常風景を伝えている。 実行委の取り組みなどを伝える「スケッチ」のコーナーも文字だけだったトップページ上の表示を改めるなど、写真を多用することで言語が通じなくても視覚から伝えられるよう工夫した。画像サイズもスマホに対応させ、リニューアル後は 閲覧数が2割増えたという。事務局は「まずはお城について興味関心を持ってもらうことが大事。見やすくなったので若い人にも利用してほしい」と。

■ユネスコの世界文化遺産登録をめざし、国宝の天守を持つ松江市、松本市、犬山市でつくる「近世城郭群世界遺産登録推進会議準備会」会長の小原直樹・松本市文化観光部長が、松江市上定昭仁市長を表敬訪問し、世界遺産登録へ 向けて連携強化することで一致した。準備会は2016年発足。近世城郭群としての一体的な世界遺産登録をめざしているが、登録にはまず国内候補として暫定リストに入ることが必要になる。2021年3月、文化審議会で暫定リストの 見直しの方向が示されたことから、「この1ー2年が正念場。松江市、犬山市と協力してチャンスをつかみたい」と。これに対し、上定市長は「国際文化観光都市・松江市の価値や魅力を高めるため、世界遺産の暫定リスト登載に向けて 連携を深めたい」と。国内では国宝・姫路城が世界遺産に登録済みで、国宝・彦根城はすでに暫定リストに入っている。

■松本の「国宝松本城天守」を英語で表現すると「Castle」ではなく「Tower」?
松本城の世界遺産登録を目指す市が、城を訪れた外国人観光客に天守の表現を聞いたところ、1位タワー(47%)、2位「Castle」(11%)、3位「Keep」(8%)、4位は「Donjon」(6%)。他に「Temple」(2%)、「Shrine」(1%)。世界遺産登録に向け、 こうした表現を提案書づくりの参考にする。「タワー」には塔以外に城の防衛拠点との意味がある。市などは天守が権力の象徴や防御の拠点だったことから「タワー」が使われているとみる。日本では城主の住まいが天守とは別にある一方、 西洋では天守の役割を果たす建物に城主が住んでおり、こうした違いも関係しているという。調査は松本城で外国人をガイドするNPO法人「アルプス善意通訳協会」(ALSA)が協力し、2019年6月-2020年3月に実施、1222人が回答。回答者は米国、 オーストラリア、英国などからの個人旅行者が中心。市は現在、松本城の英語版パンフでは「ドンジョンタワー」、小学生用の英語版副読本では「メインキープ」と表現しており、天守に「キャッスル」という表現は使っていない。 ALSA中田和子理事長は、城を表す英単語として馴染みの「キャッスル」は城郭の意味があり、松本城では三の丸までを含む範囲になると指摘。天守の表現として以前は「Donjon」と通訳したが、「Dungeon」と聞き間違えるケースが多く、 6年前から「メインタワー」を使っている。市文化振興課は「外国人にも分かりやすい提案書づくりにつなげ、観光面でも生かしたい」と。今回の調査では、松本城で興味深かった点についても尋ねており、「木造」「月見櫓」「天守の階段」 などが上がった。ALSAは松本城を中心に、外国の方々に外国語(英語,仏語,スペイン語,中国語)でのガイドサービスを提供するボランティアグループ。現在、拡大防止のため、松本城の外国語ボランティアガイド活動は休止中。

■松本城の西側にある松本市「城西」の呼称はあまり知られていない。「じょうさい」「しろにし」と呼ぶ人が多いが、「じょうせい」が正しい。
長年松本で暮らす人も勘違いして読んでしまう。現在の城西に当たる地区は、江戸時代は蟻ケ崎村に属した。明治期に入り、旧城下町の中で各地区名が付き、城西町が誕生した。「松本城の西側に位置する」ことが町名の由来。 松本市制は1907年に施行され、同地区はその一部となった。1965年、市内で初めて実施された住居表示で、同地区は城西と定められた。「しろにし」が「じょうせい」に変わった?。城西町会長は「じょうせい」の呼び名が定着しない 背景として、現在も町会名や病院、薬局などの呼称に「しろにし」が使われている地域事情を挙げる。「地元の人はじょうせいの読み方を間違えないと思う。ただしろにしで親しんできた年配者が多い」と。日本語学を研究する 信大人文学部の山田健三教授は「城の西に位置する地域への思い入れを言葉で表した際の差」。和語の「しろにし」と漢語の「じょうせい」を比較すると、人は音の響きで「城の西」という意味合いを感じやすい前者に親しみを持つ。 「じょうさい」の場合は、方角の「東西南北」の「西」の音から類推して読む。一方の「じょうせい」。響きでは「情勢」「醸成」などほかの単語が思い浮かび、瞬間的に「城西」とは結び付きにくいという。平成の大合併以降、 事務的な地名で統合し、地名から歴史を振り返ることが難しくなった地域も出てきている。山田教授は「地域に古くから伝わる地名の呼び名や歴史を大切にしてほしい」と。

■松本市は2022年度から、県と連携して中心市街地の緑化に本腰を入れる。
街中の歩道や河川敷、広場に主眼を置き、街路樹の転換や親水エリアの整備、大型プランター設置などの実施を検討。緑の潤いあふれる空間で歩行者を増やし、にぎわい創出や脱炭素化につなげる街づくりを市民との協働で進めたい考え。 松本駅と松本城、あがたの森公園を結んだエリアを対象にする。重点エリアの一つがあがたの森通りで、自転車走行帯の整備に合わせ、街路樹の保全、転換などを行う方向で、道路管理者の県が調査や設計を進めている。実行メニュー案には このほか、女鳥羽川河川敷を観光客らの憩いの場にする整備、テラス席やベンチが置かれた歩道への緑陰スペース創出、松本駅前広場へのミニ庭園設置なども挙げている。市は2021年夏、県や長野市などとともに「信州まちなかみどり宣言」を 行い、緑や水、土を生かした街づくりに着手。2022年度に「松本まちなかグリーンインフラアクションプラン」を策定し、2023年度から実行する考えで、部局横断の庁内検討チームや、樹木医や地元関係者などでつくる外部の検討委員会を 設ける。松本の緑化政策を巡っては以前から「中心市街地に緑があまり感じられない」との声があり、市が2014年度に「緑の基本計画」を作り直し、てこ入れした経緯がある。しかし大量の落ち葉やムクドリの騒音・ふん害に対する懸念が 地元関係者の間にあり、取り組みは道半ばとなっている。市建設総務課は維持管理の負担との兼ね合いを重視し「地域がついてこなければ絵に描いた餅になる。地元住民などから提言を受けながら、より実効性の高い計画にしていきたい」と。

■2021.12-2022.2月;冬の「松本城」でイルミネーション点灯
閑散期となる冬の集客力を高めようと、松本市や商工会議所などがイルミネーションイベントを計画。12月〜2022年2月までの3カ月間を予定。光と音で演出する。城の石垣をプロジェクションマッピング、本丸公園の木々をイルミネーションで飾る。

■4/26;県PRキャラクター・アルクマと国宝松本城をデザインしたピンバッジが発売。
バッジ製作会社・ビッグウェーブが製作を手掛け、県や松本市の協力を得て商品。感染拡大の影響を受けた観光地・松本を応援しようと制作。アルクマがお城の前に座り、お城を眺めているデザインで、横約3cm、高さ約2cmの真ちゅう製。 石垣部分には「松本城」の文字も入る。パッケージの台紙には松本城を紹介する文章を掲載し、松本城HPのQRコードも掲載。(\440)。松本BTやアルピコ交通新島々駅、県松本合同庁舎などで扱う。ビッグウェーブの通販サイトからも購入できる。 アルクマのピンバッジはこれまで50種類以上が作られ、2020年夏には松本空港をデザインした商品も企画。「松本城のPRにバッジが役立ってもらえたらうれしい」と。

■松本市は、「松本城本丸庭園」のライブカメラの画像を、松本城HPで配信を始めた。
8:00-22:00;国宝天守や北アルプスの山並みなどをスマホやPCから楽しめる。事務所から庭園内の様子を確認するカメラの静止画で、画像は数秒間隔で更新。感染拡大で、遠方の人に楽しんでもらうほか、庭園内の混雑状況などを確認してもらう。 試験的に公開し、画像の活用や動画配信なども検討。市松本城管理課は「桜や紅葉、雪景色などさまざまな季節の松本城を楽しんでもらい、新型コロナが落ち着いたら訪れたいと感じてもらえれば」と。市HPでも、市役所本庁舎の 屋上展望室のカメラで撮影している松本城公園や外堀、北アの山並みなどの画像を公開。2020年12月には閲覧数が約4.5万件にのぼり、市の全てのページで閲覧数が最多。

■松本市HPで発信している「松本城ライブ映像」が根強い人気。
ページビューは毎月2万回前後に上り、新型コロナウイルス情報など緊急性の高い項目を除くとサイト内で断トツのアクセス数。松本城や背景の北アルプスが365日映し出される様子に、市民のみならず故郷を思う県外在住者までもが 広く関心を寄せている。地上23mに位置する松本市役所展望室のネットワークカメラから配信。映像は60秒に1回更新され、朝夕・四季折々の姿を楽しむことができる。広報課によると11月の閲覧回数は1万9107回、1回以上アクセスの あった6424ページ中3番目の多さ。毎月同様の傾向。トップページ、新型コロナ情報に次ぐアクセス数で「実質的には最も人気が高い」。市には映像に関する市民の声も通年で寄せられ、郷土出身の県外者からは「懐かしい」、結露の朝は 「レンズが曇っている」など多岐にわたる。2003年に開始。当初は小型デジカメを窓ガラスにガムテープで貼付けた簡易な仕組みだったが、松本が誇る景色を市内外に届けようとの意気込みは今も昔も変わらないという。最近では コロナ禍で思うような外出ができない人からも喜ばれているという。


■松本市の「松本城南・西外堀整備事業」に伴い市教育委員会が2021年夏から進めている松本城の南外堀発掘調査で、無数の木製のくい列が見つかった。
年代は不詳だが外堀が築かれた当時、護岸用の土留めや防御用に打ち込まれた可能性がある。くい列は南外堀の二の丸側の淵付近にあたるとみられ、南外堀の幅や構造を探る上でも貴重な成果が得られた。発掘を進める3ヶ所のうち2ヶ所から くい列が出た。文化財課によると一帯は地下水が豊富なため土中の水量が多く、木製のくいが腐りづらかったとみられる。くい列は南外堀と二の丸を隔てた土塁の手前に位置し、護岸の役割を果たした可能性がある。先端を尖らせたくいも あることから、防御用だったとも推定される。くいの周りからは大量の瓦も見つかった。土塁上に築かれた土塀の瓦などが明治維新を迎えて壊され、廃棄された可能性があるという。最後の松本藩主・戸田家の家紋入りの瓦も含まれていた。 市教委は1998年と2018年にも今回調査の対岸に当たる場所を調べている。外堀は場所によって幅が異なるものの、今回の成果と合わせて考察すると南外堀の幅は30m弱だったと推定され、信府統記の記述とも重なった。11/13;市教委は地元の 中央地区の住民向けに現地説明会を開き、YouTubeで解説動画も配信する。発掘調査は西外堀に移動しながら2024年度まで続く予定で、文化財課は「途中経過や成果を多くの市民にお伝えできれば」と。

■2021.8月;松本市は、中心市街地に環状道路を整備する「内環状線構想」を取りやめる方針を固めた。
城下町エリアを分断する一部区間(内環状東線)のルートが決まらず長年議論してきたが、歩行者優先のまちづくりのため整備しないことにした。ただ、内環状北線など他の区間では4車線化が進んでおり、街中への車の流入をどう抑えるかが課題。 内環状東線は、あがたの森通りや中町などの城下町エリアを南北に縦断することを想定。市は城下町の風情を損なわないルートを模索してきたが「まちづくりが盛んなエリアに幅員の広い道路を通すのは困難」と判断、次期総合交通戦略の案に 「内環状線構想に基づく新たな道路整備は行わない」との文言を盛り込んだ。2021年度末の改定を目指す都市計画マスタープランの案にも、内環状線の記載はない。ただ、内環状北線などの拡幅が進めば、車の流入が増え街中が混雑する恐れが ある。これに対し市は交通量推計の結果から「人口減少などで車の総量が減り、既存の道路網で目詰まりは防げる」とみる。他の幹線道路網への迂回や公共交通の利用を促す施策も行い、松本城と松本駅、あがたの森を結ぶ線で囲まれた範囲を 「歩行者の回遊を高めるエリア」としてにぎわいを生み出す方針。内環状線構想を巡っては、2019年度まで市は実現に前向きだったが、その後就任した臥雲義尚市長が市議会で内環状東線の計画を見直す意向を示していた。

■松本市は、松本城周辺のまちづくり方針「松本城三の丸エリアビジョン」の策定準備に着手した。
南・西外堀の復元や市役所本庁舎建て替えなどの大型事業や、公共空間を生かしたにぎわいづくりなどの施策を盛り込み「世界水準の歴史観光エリア」を目指す。市民を巻き込んで実現可能性を高めるため、業務の一部を外部に委託する 予定で、プロポーザル方式による業者選びの参加者募集を始めた。外堀と総堀の間に広がる三の丸エリアでは、外堀復元、内環状北線の整備、基幹博物館の建設などのハード整備が計画・実施。ビジョンには、こうした公共事業で 整備する道路などの空間を歩行者のにぎわいに生かす方策や、松本城と旧開智学校を往来する人の流れを生み出す都市デザインなど、街を活性化させる具体策が盛り込まれる見通し。市庁舎の建て替えは、市役所のスリム化・分散化を 掲げる臥雲義尚市長が見直す方針で、外堀に面した本庁舎敷地はまちづくりの観点から行政施設を建てない考えを示している。どう土地利用するかは、現計画の見直しを了承していない市議会との協議を含め、焦点の一つとなる。 年度末に策定するビジョンには市民や関係団体の意見を反映させる考え。意見集約方法やビジョン実現の戦略などを企画提案する業者を5/17まで募集し、有識者を交えた審査をした上で、7月をめどに選定する。その後、委託業者と 本格的な検討に入る考えで、お城まちなみ創造本部は「いろいろな声を聞き、行政の独り善がりにならないビジョンを作りたい」とする。三の丸のまちづくりを巡っては2020年度、臥雲市長が大手門枡形跡地の用地取得を凍結。 公共事業は、お城に近い所から同心円的に整備を進める考えを示している。

■「国宝・松本城」の問題(MJC-HP参考)
「国宝・松本城」は年間約70万人の観光客が訪れる名所で、松本城公園は市民も足を運ぶ憩いの場、春は約320本桜が咲き乱れる花見の名所。松本城は「松本のシンボル」です。
1)お堀のヘドロ;
市民や観光客からお堀の水がくさいと聞く。松本城には内堀、外堀、総堀があり、総面積は約3.5万u。水深は2-4m。落ち葉やコイのふんなどが約1.3-2.4mの高さまでヘドロが堆積し、水位が下がると水面上に見える所もある。 内堀の水深は0.3-0.8m。これまでにヘドロのを吸い上げ(2013年)や、化学処理で水質浄化に取り組んだが問題は解決していない。江戸末期(1864年)に浚渫した記録はある。R2年度にお堀中央で異なる浚渫工法で実証実験を行ない、 年次計画を策定し、早期に浚渫工事に着手したいとするが、本格的な浚渫はR5から3年間を検討中。
2)松本城の南と西の外堀復元;
現在、城の北側と東側にお堀がある。周囲の取得した用地から基準値を超える自然由来の鉛汚染が判明。地権者には除去費用を求められないことからお掘の掘削ではなく、芝生による平面整備に菅谷昭前市長が2018年に方針転換。 2020年、松本市臥雲義尚市長は「松本城の魅力を高め、世界水準の歴史観光エリアとするには、水をたたえたお堀の復元が不可欠」と述べ、水のある南と西の外堀復元を表明。土壌汚染対策法の解釈、掘削方法などを調査・研究する。 汚染除去費用(汚染土壌深さ2mで約4.6億円)はふるさと納税の活用や寄付(CF)等を検討していく。さらに周辺道路拡幅を含めて検討。松本城管理事務所によると1.1haの用地で取得率は7割。
3)松本城の「埋橋」;
松本城と松本城公園を結ぶ赤い橋「埋橋」(うずみのはし)は現在通行禁止。2011.6/30;松本地震で埋橋を渡った先にある埋門の石垣が被害を受け、崩落の危険性が生じたことから通行止め。赤い橋と黒い松本城は写真スポットでもある。 埋橋は昭和の大修理(1950-1955年)にあわせて1955年9月に観光用として建設。1998年,2011年に橋の部分的改修が行われているが、65年の歳月で橋の老朽化が進んでいる。改修費用はどうするのか? 江戸時代には埋橋はなく、埋門の 北側に「足駄塀」(水面1mに板塀・屋根のある防御塀)があり、松本城復元を目指す整備計画では「撤去すべき」としている。災害時の避難ルート、国宝・旧開智学校への回遊性なども配慮して検討。

■松本青年会議所は、国宝・松本城への疑問や課題を発信する動画「みんなの疑問!松本城の気になること、聞いてみた」を製作し、MJC(YouTube)で公開を始めた。
松本城は堀にたまった泥の撤去などの課題を抱えており、現状と改善策を広く知ってもらい、地域が誇る遺産を後世につないでいく狙い。「郷土のレガシー発信委員会」が企画し、委員が実際に現場を取材。 1)外堀は復元できる?(20分)、2)赤い橋はなぜ渡れない?(4分)、3)堀の泥が汚い!(11分)の3本。1)松本市が調査・研究を進める南・西外堀の復元計画について臥雲義尚市長にインタビュー。2),3)は城の西側の内堀をまたぐ赤い「埋橋」が 通行できない理由と対策、泥が堆積する内堀の浚渫計画について城管理事務所職員に聞いた。

■2021.6月;松本市は、国史跡の松本城の堀で2020年12月-2021年3月に実施した浚渫の実験結果をまとめた。
3種類の工法でそれぞれ効果はあったが、騒音、見た目、残土処理などの課題が浮上した。浚渫は堀の堆積物除去や水質浄化を目的に、内堀、外堀、総堀の3.1万uで実施する予定。市は効果や観光への影響などを考慮した最適な工法を探るため、 内堀の3ヶ所で実験の作業を進めてきた。気圧を利用して土砂を吸引する工法では、巨大な浚渫船が堀に浮かんで国宝天守の景観に影響が出たほか、船の移動時に水の濁りや臭いが発生。船底から泥を吸引する工法では、吸い取った泥の 脱水処理で騒音が課題となった。水中でロボットが土砂をすくう工法は、ロボットが堀底の起伏で円滑に進めないことがあった。市は「泥を吸い取る作業と、吸い取った泥を処理する作業に分けて評価する必要がある」と。また残土の処分で 土に含まれているヒ素の扱いが今後の検討課題に挙がった。市は9/末までに工法を決め、2021年度内に浚渫や堀の管理に関する基本計画を策定する。2022年度に実施設計を作り、2023年度から工事に入る予定。
松本城のお堀は天守側は浅く、二の丸は深い。深いところでは3m。松本城の総堀の3重で外堀、内堀、総堀。水面は浅いところで深さ20cm、堆積土壌は70cm。浮泥は60cm。

■松本市は、「国宝・松本城」を囲む堀の堆積物除去と水質浄化で実施する浚渫工法を決めた。
2020年末以降に実施した3つの工法の実験結果を踏まえ、水底で泥をかき混ぜて吸引する工法(作業船を浮かべてポンプで吸い上げる)を選んだ。城を囲む3つの堀は深さ3mともいわれるが、長い年月で泥や土砂が堆積し、内堀の水深は 平均で20cm。水温が上がる夏場には悪臭を放ったり、藻が発生したりして環境が悪化。水の濁りも問題となっている。選ばれた工法は、史跡への影響や景観、臭気の有無、事業費など9項目の総合点が最も高かった。縦横5.4mの船から 水底に箱を沈め、水を送って堆積土をかき混ぜ、ポンプで泥水を吸い上げる。国史跡の堀を傷つける危険性が最も少ないほか、箱の中で泥水をかき混ぜるため水の濁りも発生しにくいという。吸い取った泥の脱水処理は、加圧ろ過する 方法を採用する。土に含まれるヒ素が水に溶け出さないよう処理し、土を再利用する。実験ではほかに、吸引した泥を空気の力でプラントに送ったり、水中でロボットが土砂をすくったりする方法もあった。市は2021年度内に 基本計画を策定し、2023-2025年度の毎年11月-3月に外堀、内堀、総堀の順で、計2.9万uを1.5mの深さまで浚渫する予定。概算の事業費は約9億円。3つの堀にたまった泥を本格的に除去するのは江戸時代末期以来とされる。

■「国宝松本城」天守の耐震化工事に向け、松本市が2020年12月から進めていた石垣の構造調査が3/末で完了する見込み。
3/19;内堀のある東側で、調査員がロープにぶら下がって石垣の厚さを測定し、忍者のような姿が観光客の目を引いていた。3/11-3/19;レーダーを搭載した機械を石垣のあちこちに当て正確な厚さを測定した。2026年度から計画する耐震補強工事に 向けた調査で、これまでボーリング調査や掘削調査を通じて石垣の強度などを調べてきた。2021年度から補強案の検討が始まる。松本城管理事務所は「調査のデータを元に、城の文化財的価値を損なわない耐震策を講じたい」と。

■松本の「国宝・松本城」で、大地震で倒壊の恐れが指摘されていた天守を支える石垣の耐震調査と、泥がたまった内堀の浚渫実験が3月まで実施中。
貴重な文化財保護のため市教育委員会が取り組み、石垣耐震調査は天守全体の耐震対策に、浚渫実験は堀全体の本格的な浚渫に生かす。松本城天守は2014-2016年度に耐震診断を実施。糸魚川-静岡構造線断層帯に起因する震度6強-7の地震で 「乾小天守」は倒壊の恐れがあり、「大天守」も一部で変形の恐れがあることが判明した。天守の石垣は土を盛った土台の周囲に積まれ、外側に強固に組み合わされた大小の「築石」と内側に詰められた細かい「栗石」から成る。地中には 直径40cm、長さ5mの柱が16本組み込まれ、それらが全体で重さ約1000tの天守を支えている。耐震調査は2020年12月に始まり、天守1-2Fの一部床板を外して実施。レーダーで土台の地中から石垣の構造を把握するとともに、上部を掘削して築石や 栗石の厚みや大きさを調べる。地盤についても、深さ25mまでボーリングをして土の種類や強度を調べる。地中の柱16本は「昭和の大修理」(1950-1955年)で木材から鉄筋コンクリートに交換しており、その状況や強度も調べる。市教委は2017年度に 耐震対策の専門委員会を設置。今回の調査を基に2022年度に基本計画を作り、2026年度にも耐震工事に着手する予定。松本城管理事務所は「400年以上の歴史を持つ文化財の価値を損なわない形で耐震補強し、後世に残していきたい」と。 内堀の浚渫実験は泥の除去と水質浄化が目的。天守南西の内堀は深い場所で3m以上あるが、長年の間に泥や土砂がたまり、水の層は20cmほどしかない。夏には悪臭を放つこともあり、除去は大きな課題だった。天守を水面に映す内堀一帯は 国の史跡で、周辺の環境や景観、訪れる観光客に配慮した方法が必要になる。市教委では工法が異なる3業者に委託して2020年暮れから、船から出したアームで泥を真空吸引、船の下で泥を囲いポンプで除去、水中ロボットで泥を吸引の3工法を 順次試している。参加業者は「史跡なのでいろいろと制約があり、気を使う」と。松本城の堀は外堀や総堀を含めて計3.1万u。今後は実験結果を検証した上で適切な工法を選び、2021-2022年度に堀全体の浚渫計画立案と実施設計を行い、 2023年度-2025年度計画で実施を目指す。

■松本市は、「国宝松本城」を囲むお堀の浚渫に乗り出す。
2020年末から環境などに配慮した工法を決める実験の作業を進めている。3つの堀にたまった泥を本格的に除去するのは江戸末期以来とされ、国宝五城で唯一、天守が堀の水面に映る城として美しい景観を守るために知恵を絞る。 戦国時代、平地に造られた松本城は、敵からの攻撃を防ぐため堀が欠かせなかった。深さは3m以上とも5mともいわれるが、明確な記録はないという。長い年月で泥や土砂が堆積し、市によると、天守に最も近い「内堀」の水深は 平均20cm。「コイの背びれが飛び出ている」と言われる地点もある。別の場所では2.4mもの泥が堆積し、堀をすみかにしているコブハクチョウが泳ぐたびに水が濁って景観を損なっている。水温が上がる夏場には悪臭を放ったり、 藻が発生したりして環境が悪化。市は水質浄化があるとされる酸化マグネシウムをまくなどして対応していた。松本城管理事務所の専門研究員は「平城で石垣も高くない松本城にとって、水をたたえた堀は大事な要素」と。堀は国史跡で 文化財としての整備、保存に加え、景観や周辺環境への影響などを踏まえ、市は2023-2025年度に内堀、外堀、総堀の31300uで泥を除去する。そこで問題となるのが浚渫の工法。泥には鳥のふんなども混じって掘り出すと悪臭が 予想されるほか、文化財保護の観点から水を抜いての作業は困難という。市は3月まで、3つの業者が異なった方法で工法を試すことにした。2020年12/下、内堀に縦10m、横8mの「しゅんせつ船」が浮かんだ。実験の作業では、吸引した 泥を空気の力で別の場所に設けるプラントに送るほか、船底から下に延びるポンプで水底の泥を吸引したり、水中でロボットが土砂をすくったりする工法を試す。各業者はそれぞれ300uの範囲で、深さ1mの泥を取り除く。市は効果、 悪臭や騒音の有無などを検証し、2022年度に浚渫計画を策定する。同事務所によると、堀の浚渫は2013年に内堀の1200uで実施したが、全体的な除去は江戸時代末期以来。同事務所の米山順一所長は「史跡として本来の堀の姿を 取り戻したい」と。松本城は戦国時代の永正年間に築かれた「深志城」が始まり。豊臣秀吉の家臣、石川数正・康長父子により、1593-1594年の天守整備などが進められた。五層六階の天守は1936年に国宝に指定。平地に築かれた平城で、 三重の水堀と土塁、石垣などを備える。例年は約90万人の観光客が訪れている。

■2020.12/21;「国宝・松本城」のお堀の水を浄化に向け、深いところで2m以上というたまった泥を取り除く方法を検討するための工事が始まりました。
北アがくっきりと見渡せた松本城では、天守の南西に広がる内堀に浮かべた船で泥を除去する工事が始まりました。松本城管理事務所によれば、城の内堀と外堀には計2.8万m3の泥がたまっています。5年前に内堀で600m3を取り除きましたが、 それ以前はまとまって除去した記録がなく最も深いところでは2.5mにも達するといいます。しかし一気に水を抜いて作業をすると悪臭が広がる可能性があり、管理事務所は「周辺に迷惑をかけてしまうことになる」と。市は2023年度から泥の 除去をすることを決定。観光客などが訪れる中で騒音や臭いをなるべく出さずに工事をする必要があり、市は応募があった県外の5業者の中から審査を経て3業者の工法を試すことにした。このうち、新潟に本社がある小柳建設が提案したのは、 重機で吸い上げた泥を空気の圧力で長さ250mのパイプを通して送りフィルターを使って水分などを取り除く方法です。小柳建設は「お堀をきれいにする、浄化するというのは大変な作業なので、ぜひ我々の工法がお役に立てればと思う」と。 ほか2業者の工事は、船の真下から直接吸い上げるものと水中にロボットを走らせるもので、年明けの1月-2月にかけて行われます。市はそれぞれの工法を比較して業者を決めることにしています。

■松本の「国宝松本城」で大がかりな工事や調査が行われている。
内堀では水底に堆積した汚泥を除去するための作業船が浮かび、天守では石垣の構造を調べるため作業員が床の一部を解体。どちらも、お城を長年にわたり安定的に管理していくための市教育委員会の取り組み。内堀で行われるのは水質浄化の しゅんせつの実証実験で、7年ぶりの実施。底面にたまった落ち葉などの汚泥や土砂を吸引する特許技術の工法を3種類入れ替えながら試し、作業効率や環境への影響などを調べる。市教委は松本城に適した工法を見極め、R5年度から外堀や総堀を 含めた堀全体を本格的にしゅんせつする方針。作業船から長い配管で近くの脱水プラントに泥を送る方法の工事が12/21に始まる。石垣内部の調査は天守の耐震補強に向けた取り組みで、松本城では初めてとみられる。4年前の熊本地震で熊本城の 石垣が崩れたのを教訓に、これまで把握できていなかった石垣の構造や天守台の地盤の状況、土台支持柱のコンクリート強度を調べる。石垣背部の目視やボーリング調査を行う前段階で天守の床板を取り外しており、2021年1/中から本格的に 調査が始まる。しゅんせつの実証実験、石垣調査は2021.3月まで行われる。松本城管理事務所は「長年にわたりお城、お堀を管理していくための第一歩。取り組みが市民に分かるように広報していきたい」と。

■水質浄化が課題になっている「国宝松本城」のお堀について、松本市は泥などの堆積物を浚渫する実証実験を12/下に始める。
内堀3ヶ所の泥を3事業者が処理。2023年度から2〜3年の計画で実施する浚渫の本格実施に向け、最適な工法を見極めるとしている。観光客が少なくなる12月〜2021.2月に順次、業者が入れ替わりながら作業。天守南西の内堀で、各業者が 約300u、浚渫船の吸引口から泥を吸い取ったり、専用の水中ロボットが泥を除去したりするなど、それぞれの工法で深さ1Mほど浚渫する。市は2020年度松本城特別会計当初予算に、実験費3000万円を計上。1業者当たり1000万円を上限として、 業務費用を市が負担。松本城管理事務所によると、堀は内堀、外堀、総堀を合わせ約3.1万u。泥などが堆積し悪臭が指摘されてきた。これまでも堀の一部で泥をくみ上げたり、藻類を減らす効果がある酸化マグネシウムの粉末をまいたり してきたが、根本的な解決には至っていない。今回の実験で浚渫中の騒音や臭いの影響、費用、仕上がりなどを評価。実験の他、水質や水の流入、流出量などに関する総合調査の結果を踏まえ、最適な工法や浚渫する泥の深さなどを盛った 計画を作る。

■「松本城」の「お堀」は凜とした景観に欠かせない。
国宝の天守を鏡のように映す水辺は、観光客に人気の撮影スポット。その堀にたまった泥の除去と水質浄化に松本市が本格的に乗り出す。巻き上げによる悪臭の程度や機械の騒音など、泥の除去作業の実証実験を12月から始める。 関ヶ原の合戦前、1593年に建設が始まったとされる松本城は、内堀、外堀、総堀と、堀を3重にめぐらせた城郭だった。明治期から昭和初期にかけて、総堀の大部分と外堀の半分ほどが埋められ、現在は市街地の一部になっている。 現存する堀の総面積は3万1300u。地下水で水が満たされ排水口もあるが、川のような水流はない。よどんだ状態が続くため、雨などで流れ込んだ土砂が長年たまり、特に夏場はにおいがしたり、藻類が繁殖したりして、せっかくの景観や 雰囲気を損なう。市の調査では、水深が20cm-1mだが、たまった泥は深い所で約2.5mに達するという。こうした泥を掘り出すとしても一帯は国史跡に指定されていて、4t以上の車両や重機は入れない。何より、泥が露出したり巻き上げられたり したら悪臭が漂いかねず、水を全部抜く作業はそぐわない。観光客や市民が日常的に立ち入る憩いの場所にふさわしい工法は何か。それを探るのが今回の実証実験。市は9月に5業者から応募を受け、3業者の工法を試すことにした。 堀に船を浮かべて機械のアームを動かしながら泥を吸引する方法、船の真下から直角的に吸い上げる方法、もう一つは水中ロボットを走らせる方法。泥の巻き上げや騒音を抑え、美観を損なわないなど、それぞれ長所があるという。 一番人気の撮影スポットである天守わきの内堀で、1工法につき300uを割り当て、12月-2021.2月にかけて順次施工する。除去した泥は脱水プラントで水と土に分離し、土は産業廃棄物として処理する。その結果を踏まえ、堀全体の 浚渫計画を2022年度までに策定し、2023年度から3年ほどかけてすべての堀で作業する予定。

■松本市は国史跡に指定されている「松本城内堀」で、堆積する泥などを除去する浚渫の実証実験を始める。
市は堀全体の堆積物除去や水質浄化を目指し、2023-2025年度に浚渫を進める予定で、実験結果を計画に反映させる。11/17;市議会で実験の工法を説明。3業者が各300u、深さ1mの範囲で異なる方法を試し、効果や周辺への影響などを 検証する。費用は各社1000万円。新潟の業者は、堀に浮かべた船のアームを水中に入れて真空吸引する。東京の業者は、船から水底に伸びるポンプが泥を吸引する工法。愛知の業者は水中でロボットが泥を吸引し、ポンプで地上に圧送する 工法を進める。11/末から真空吸引の工法を準備し、12/21〜6日間実験予定。残り2業者も交代で作業し、2021.2/末終える。機械の騒音や汚泥を吸い上げる際に発生する悪臭、機械の配置による景観への影響などを調査する。松本市は、 2020年度に進めている堀総合調査の結果も踏まえ、2021-2022年度に堀全体の浚渫計画と実施設計を進める。浚渫は内堀、外堀、総堀の計3.1万uが対象。

■1/27;「国宝・松本城」の耐震補強に向けて天守を支える石垣や地盤の大規模な調査が始まりました。
新型コロナの影響で、訪れる人が少ない「松本城」。天守一階では、床の一部がはがされ、大規模な調査が始まった。ボーリング調査では高さが5mある石垣の土とその下の地盤をあわせて25mの深さまで掘る予定で、城が立つ地盤の状況を調べます。 これまでに約15mの深さまで調査が進んでいる。5年後(2026年)を目標に予定されている松本城の耐震補強工事に向けたもので、大規模な調査は70年前に行われた「昭和の大修理」以来。松本城管理事務所は「松本城は400年以上の歴史があり、 文化財として非常に貴重なので、価値を損なわないように耐震補強をして、多くの方が安心して来られる松本城にして後世に伝えていきたい」と。調査は、3月まで行われる予定で、レーダーを使って石垣の厚みや内部の構造も調べ、 石垣上部を掘削して石の厚みや大きさなどを把握したりする。松本城は2014〜2016年度に実施した耐震診断で「乾小天守」が震度6強以上で倒壊の恐れがあると判定され、2017年から公開中止。大天守なども避難誘導のための警備員を配置 している。

■「国宝・松本城」の天守を支える石垣の強度はどれぐらいか?。地震に備え、調査が始まった。
大天守の1-2Fの床板を外し、地面に振動を与えて盛り土の構造を調べたり、ボーリング調査で石垣の安全性を探ったりする。松本城の本格的な石垣の調査は初めて。お城の石垣といえば、2016年の熊本地震で熊本城の石垣が崩れた光景が記憶に新しい。 松本城管理事務所によれば、松本城では江戸時代の地震で石垣が崩れた記録はあるものの、場所は不明で、明治以降は一度もない。市は2014年度-2016年度にかけて、大天守、乾小天守、月見櫓・辰巳附櫓、渡櫓の5棟からなる松本城の耐震診断を実施。 糸魚川-静岡構造線断層帯に起因する地震が発生した場合、震度6強-7で、大天守が倒壊する恐れがあるとされた。隣接する乾小天守は倒壊すると診断されたため、それ以降は入場禁止になっている。市は有識者で耐震対策専門委員会を設置し、 耐震化のための基本計画作りを進めている。土台となる石垣の強度調査はその一環で、どの程度耐震性を持っているかのデータを取る。1950年-1955年の大修理で城を解体して組み直した際には、約1000tという大天守を支える直径40cm、長さ5mの 木柱を鉄筋コンクリート製に交換したが、石垣の本格的な調査はなかった。松本城の石垣は、自然の石をあまり加工しない野面積みという技法。石の大きさは不ぞろいだが、奥の方でがっしりと組み合わさり、表面から平均1.5mの厚みがある。 そんな構造も、レーダー調査やファイバースコープを使うなどして調べるという。2020年12月から着手し、1Fと2Fの床板の一部を外して1/下からボーリング調査に入る。3/下までにデータを収集し、その解析をもとに2022年度までに城全体の 耐震補強の方針を固め、2026年度から耐震化工事に着手する予定。一方、2019年の沖縄・首里城火災の衝撃を受けて、防火対策は前倒しして実施。天守の内部では2020-2021年度にスプリンクラーを2Fに取付け、煙感知器を数十ヶ所に増やすなど、 万が一火が出た際の「早期発見、早期消火」につなげたいという。

■松本市が国の交付金を活用し昭和末期から中心部の城下町エリアで進めてきた「街なみ環境整備事業」のハード整備が2020年度で終了した。
道路の美装化や電線地中化などを行い景観が調和した街づくりを進めてきたが、30年以上たち「主要な路線の整備が進み、一定の整理ができた」と都市計画課。ただ、事業目的の回遊性向上は今なお課題で、「本当のまちづくりはこれから」と いった地元住民の声もある。事業は1987年度に開始し、「中町地区」、緑町周辺の「お城下町地区」など松本城周辺の5ブロックで進めてきた。道路を石畳風に改良したり、井戸水が流れる小公園を新設したり、情緒ある建物をまちづくりの 拠点施設に改修したりと、地元の意向を踏まえた整備をしてきた。5ブロックの総面積は84haで美装化した道路は31路線の5.3km。公園なども含めた各種ハード整備の総費用は約32億円。建物修景の補助金は継続中だが、交付は年に数件程度。 都市計画課は「松本らしさを醸し出す事業として一定の成果が得られた」と。街並みは整ったが、街の活性化の課題は残る。商店街歩行者通行量調査によると、1991年以降、中町や大名町は微増だが、上土町や緑町は微減または横ばい傾向。 5ブロック全体の住民組織「歩いてみたい城下町まちづくり連合会」会長は、事業によっては実施時期に10年以上のずれがあるとし「街並みが完全には整っておらず、時代に合っていない部分もある。もう一度仕切り直すべきだ」と話す。 臥雲義尚市長は松本城周辺を市民や観光客が憩う「セントラルパーク」に整備する公約を掲げる。年度当初の組織再編で新設した「お城まちなみ創造本部」を中心に、取り組みを本格化させる。

■松本の松本城北西にあり、緑の鐘塔が目を引く「日本聖公会松本聖十字教会」(開智)が、国の登録有形文化財に登録される見通しとなった。
1910年建築で「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として国の文化審議会が11/20;文部科学大臣に登録するよう答申した。ゴシックを基調とする木造教会堂で2019年、創立120周年を迎えた。赤い瓦の切り妻屋根と、美しい鐘塔が外観を 特徴づける。礼拝堂は、梁をはさみのように組んだシザーストラスと呼ばれる構造が特徴で、内部に広い空間を作りだしている。教会は、カナダ人宣教師によって、初めは松本城の南に建てられた。1957年、分散していた関係施設とともに現在地に 移転集約された。当初の姿をほぼ維持して大切に守られ、2011年の地震で被災した際も、信徒らの情熱で修復された経過がある。教会は現在、隣接する聖十字幼稚園の子供の礼拝や式典でも利用されるほか、地域にも開かれ、諸活動の場となっている。 松本聖十字教会の司祭は「戦争を乗り越え、地域の人も支えてくださったから教会がある」と、「登録を出発点と考え、一層地域の方に見守ってもらえる場所として、未来につなげたい」と。市内の登録有形文化財は52件。市文化財課は「価値ある 建物が残ってきたのは使用者の尽力のおかげで有り難い」と朗報を受け止めた。教会の見学は誰でも参加できる日曜日のミサなどの行事日のほか、平日も教会事務所経由で受け付ける。


■2023年秋の開館に向けて建設が進む松本市の基幹博物館の周辺を、ゆとりある歩行者空間に改める市道の再整備事業が、2022年度にかけて実施される。
かねて土手小路と呼ばれる基幹博物館南の市道約180mで、市は歩道の拡幅や段差解消のほか舗装のお色直しを進め、一帯道路環境の改善を図る考え。新博物館の開館よりも一足早く、2022年度内の完成を目指す。総事業費1.4億円を見込み、 うち5600万円を市議会9月定例会に提出を予定する一般会計補正予算案に計上した。現在の土手小路は両脇に歩道があるが、車道との段差が大きい場所で15cmあり、歩道自体の起伏も激しい。計画ではこれらの凹凸を解消するほか、 北側歩道部分を現行の2mから3.5mへと拡幅し、大名町通りと同じ幅員の歩行者空間を確保する。近くの市営松本城大手門駐車場と同様、松本城をイメージした黒やグレーが基調の平板ブロックも敷き詰め、美化を図る。文化財課は、 近世の土手小路は松本城の大手門から東西に延びていた三の丸内の小路で、総堀の土塁に面していた。「信府統記」には土手際小路と紹介されているという。現在は再整備事業の対象となる西半分しか残っておらず、基幹博物館周辺の 道路環境整備は歴史的由緒ある通りの再生にもつながりそう。建設課は「大型観光バスが乗り入れる大手門駐車場から博物館へと一体感ある動線を演出し、来館者を誘いたい」と。

■松本市の主要文化施設「松本市立博物館」、「国宝旧開智学校校舎」、「松本市美術館」。が長期休館に入る。
通常であれば、各施設で年間10万〜20万人が訪れる松本観光の目玉施設で、関係者が影響を注視。市立博物館は新博物館への移行に伴う現行施設の観覧業務終了で4月〜R5年9月に、市美術館は大規模改修に伴い4月〜R4年4月に休館。旧開智学校は 当初令和6〜8年に耐震工事が予定されたが、沖縄・首里城の火災などを背景に防災の機運が高まり、R3年6月〜R6年5月に前倒しされた。松本観光最大の目玉はなんと言っても松本城だが、3施設も多くの集客を誇る。市立博物館は年16万〜17万人、 旧開智学校は国宝に指定された令和元年度に13.6万人が訪れた。市美術館は前衛芸術家・草間彌生さんの特別展が開かれた2018年度に過去最多の21万人が来館した。いずれも長期休館となると観光への影響は避けられない。代替案を検討する 施設もある。旧開智学校は休館中、隣接する県宝旧司祭館で開智学校の紹介パネルを展示するほか、工事現場の見学会を催す計画。ただ建物全体はシートで覆われ外観は望めない。松本観光コンベンション協会は3館の休館により、 滞在型旅行客の滞在日数が少なくなる可能性を指摘する。一方で「休館明けに再度松本を訪れてもらうきっかけにつなげることが大切」とし、そのための魅力向上やPRの必要性を説いていた。

■2021.6/下;新博物館への移転のため3/末で長期休館に入った「松本市立博物館」で、12万点に及ぶ収蔵資料の整理が本格化。
施設始まって以来の大規模な引っ越しを前に、全資料を分類、照合、撮影するなど状態を把握する必要がある。2023年秋にオープン予定の新博物館は収蔵面積が現行の2倍になるが、より厳格な管理基準で保管するには収容能力に 限界もあり、新館に入れる資料とそうでない資料を選別する課題にも直面する。展示室では、床に収蔵庫から運び出された資料が並び、整理の順番を待つ。引っ越しの梱包を前に状態を確認し、必要なものはリスト化し、1点ずつ 撮影するため。12万点という収蔵資料は「市立規模では本当に多い」。年度内には終わらせる計画。博物館建設はその建物が注目されがちだが「裏側で進む中身の準備もとても大切」と学芸員。収蔵資料の振り分けもその一つという。 新博物館が予定する収蔵面積は計1048u。現行は別棟も含めて計443uで面積は2.3倍。ただし現行施設は棚を介して縦に高く資料を積み上げるなど容量が大きく、より厳格に耐震への配慮を求める新博物館では踏襲できない。 将来受け入れる資料のため余裕を確保しておく必要もある。同館は「6万点を新博物館へ、残る6万点を別の施設へ移すイメージ」で選別に着手する考え。別の施設とは用途変更した四賀地区の旧錦部小を指す。同館はこの機会に 合併地区で保管する3.3万点の整理も進めており、学芸員は「資料は市民の財産。きちんと継承したい」と。

■〜2021.3/末;「松本市美術館」と「松本市立博物館」、「国宝旧開智学校校舎」の3館は無料開放。
大規模改修や移転に伴い、2021年度から長期休館するのを前にした取り組みで、各館が来館を呼び掛けている。誘客などを促す市の事業「come to matsumotoキャンペーン」で開放。新施設への移行期に入る市立博物館では3/21、 現施設では最後となる博物館祭りも開かれる予定。市美術館の学芸員は「散歩がてら気軽に足を運んでほしい」と。開館は、市美術館は9:00-17:00、月曜休館、市立博物館は8:30-17:00、期間中無休、国宝旧開智学校校舎は9:00-17:00。 期間中は3/15休館。

■松本市が3月の1カ月間無料開放した市美術館、市立博物館、国宝旧開智学校には、長期休館を前に展示品を見ておこうと中信各地から大勢の人が訪れた。
入館者数は大幅に増加し、美術館では感染拡大前の2019年3月(9801人)の1.8倍の17648人が訪れた。美術館は大規模改修で2022年4/下まで休館中。3月の催しは前衛芸術家・草間彌生さんの常設展のみだったが、来館者は1日平均679人で 前月の6.5倍。緊急事態宣言解除後の3/下は観光客も増え、最後の週末(3/28)は1297人に。アンケートに答えた市民の多くは無料開放を事前に知っており、堀洋一副館長は「美術に興味ある人が大勢来てくれた。来館者の6〜7割が松本の 人だった」と。耐震対策のため6月から3年半休館する旧開智学校には10277人が訪れ、国宝指定前の2019年3月(5218人)の倍近くになった。春休みでもコロナ禍で遠出しにくいためか学生グループの姿が目立ったという。2年半後に 移転新築する博物館には11066人が来館。外国人観光客の来館が見込めない分、2019年3月の12573人には及ばなかったが、前月の3倍以上。「現施設はこれで最後だから」とひと月に5回訪れた人もいた。3施設の無料開放は、コロナ禍の 経済対策の一環で市が実施。長期休館中に、松本パルコのワンフロアを貸し切り美術館の館外特別展示を行うなどの代替イベントも計画。

■松本市は2019年国宝に指定された「旧開智学校校舎」の耐震工事計画を3年前倒し、実施設計に2020年度着手する方針を市議会教育民生委員協議会に示した。
工事に伴い、R03年夏からR06年3月までの約3年間にわたって全面休館する。世界文化遺産の首里城で2019年発生した大規模火災を教訓に防火設備の拡充なども合わせて行う考え。当初はR06〜R08年度の耐震工事を予定していたが、 計画を前倒してR03〜R05年度に耐震工事を行う。概算事業費は防火設備の費用などを除いて約2.4億円。6/中に文化庁に補助事業の申請をする。計画の前倒しに当たっては、2019年の首里城火災などを受けて文化庁が防火や耐震などの 防災事業に重点を置くようになって予算が拡充され、文化庁が県を通じて市に耐震工事を打診してきたことが背景にあるという。旧開智学校校舎は耐震基礎診断の結果、震度7クラスの地震で倒壊する恐れがあることが分かっている。 耐震工事では、要所要所で壁のしっくいを剥がして内部に金属製の構造用合板を埋め込んで補強する考えで、市立博物館は「外観上はあまり影響のないようにする」と。耐震化と合わせて行う防火対策では、館内の蛍光灯をLED照明に 変更し、敷地南側の門扉の間口を広げて消防車両が出入りできるようにするという。老朽化している売店・トイレ棟の改築や、バリアフリー化のための庭園整備も予定する。全面休館が約3年間と長期に及ぶため、休館中は隣接する 県宝旧司祭館で旧開智学校校舎を紹介する映像を流したり、工事現場の見学会を企画したりすることも検討する。

■5/25;松本市は「国宝旧開智学校校舎」の防災計画を市議会経済文教委員協議会に報告した。
仏・パリのノートルダム大聖堂や那覇市の首里城など国内外の文化財で相次いだ大規模火災を背景に、ソフト・ハード両面から文化遺産保護の対策強化を図りたい考え。防火管理を中心に防犯、耐震、台風、大雨、大雪の各対策をまとめている。 国のガイドラインに基づき、2020年度に計画を策定した。防犯設備の整備計画では、出火時の自動通報システムや侵入者への音声警告装置、火災場所を詳細に把握するR型受信機などの新規設置を予定するほか、防火防煙スクリーンや売店棟に おけるスプリンクラーの導入も検討する。併せて職員の防火体制の強化や非常時の対応訓練などソフトの対策にも力を入れるという。計画に基づく防災事業は国庫補助を活用できる。市は可能なものから予算措置を進め、6月から3カ年で 予定する耐震工事期間中に整備したい考え。旧開智学校は木造2F建て。外部は土蔵造り・しっくい大壁造り、瓦屋根など燃焼性が低いが、内部は板床や紙天井など燃焼性が高い。消火・防災設備の一部老朽化といった課題も抱えており、 博物館長は「日常の適切な施設管理に役立て、文化遺産を継承したい」と。

■松本の「国宝・旧開智学校校舎」の設計施工者で、幕末〜明治期に活躍した市出身の大工棟梁・立石清重による建築物の設計図面や仕様書、帳簿の貴重な資料が06月から「松本市文書館」で閲覧できるようになった。
立石家の寄託文書で、2019年度までに再整理と目録作成が完了し、その数は1230点余に及ぶ。旧開智学校校舎以外の仕事の功績が分かる基礎資料で、立石の丹念な仕事ぶりや人柄がうかがえ、市民の関心の高まりや研究の進展が期待される。 立石文書は、旧開智学校校舎と市文書館に保管。文書館にある資料は、清重のひ孫・清氏の1973年の記述によると、「綴っていない未整理の書類や図面手紙などが一箱」に当たり、10年以上前に立石家から寄託されていた。大まかに47袋に 分割して整理されていたが、2017年度に、旧開智学校校舎創建140周年に関連する調査の一環で、信大工学部建築学科の梅干野成央准教授らが文書の再整理に協力し、資料を採寸して目録を作成した。現当主・立石大樹氏に了承を得て閲覧も 可能にした。開智学校建設以後に携わった図面が多く、墨や鉛筆で書かれ、着色されたものもある。重要文化財・旧長野地方裁判所松本支部庁舎の前身で、松本城旧二の丸御殿跡に1878年に建てられた初代・松本裁判所に関しては、実際に 施工されなかった図面もある。資材費や人件費の見積書もあり、大工558人を使い1人当たりの支払金額も記してある。明治13年に明治天皇が行幸で「行在所」として利用した松本神道事務分局(現四柱神社)の建設関連記録もある。文書からは 試行錯誤しながら建築物を創造し、丁寧かつ緻密に仕事を進めた様子が伝わってくる。市文書館の石井敬一館長は「歴史が立体的に見えてくる」と話し、専門員は「立石が開智学校だけではないと知ってほしい。目録ができ、ここから研究が 始まれば」と。このほど発行された「松本市史研究第30号」に目録と梅干野准教授の解説文が掲載されている。

■「松本市立博物館」が4/1からの休館を前に、3/21;「第2回博物館まつり」を開催。
同館の歴史や分館での体験講座、市内の6地蔵調査のパネル展示のほか、「化石展」として展示と学芸員によるギャラリートーク、「伝えたい、小さな戦争展」として戦時下の子どもたちの暮らしの紹介と絵本の読み聞かせなどを行う。 昔の遊びや、七夕人形やカータリを作る体験コーナー、博物館のルーツを探るガイドツアーも。現在、「come to matsumotoキャンペーン」の一環として、同館と市美術館、旧開智学校校舎が無料開放されているが、3/21;市立博物館の 分館も入場無料。分館の一つ、「松本市歴史の里」では松本の道祖神のパネル展示を行う。同館は、1906年9月21日に「明治三十七、八年戦役紀念館」として開館したのが始まり。その後、「松本紀念館」として現在地に移り、1948年に 松本市立博物館と改称。2021.4/1-2023.9/30;移転新築に伴い休館。「博物館まつり」は、2019年9/21;市が制定した「松本市博物館の日」に初開催。2020年秋は新型コロナウイルスの影響で実施できなかったが、休館を前に 「さよならイベント」として開催することにした。学芸員は「この建物で見られるのは最後になるので、移転前に訪れてもらえれば」と。(9:30-15:30)
(問)松本市立博物館 TEL 0263-32-0133

■松本市の国宝旧開智学校校舎、市美術館、市立博物館が4月以降、移転や改修工事により順次、長期の休館に入る。
6月-2022年4月は3施設そろって休館。市はコロナ禍の消費喚起策で、3/中は3施設を無料解放。休館前に見納めしようと市民や観光客らの来場が増えている。
1)「旧開智学校校舎」は耐震対策工事のため、6月-2024年6月に休館。建物は2016-2017年の耐震基礎診断で、震度6強?-7の地震発生で倒壊の恐れがあると診断された。2019年の首里城の火災などを受け、文化庁が防災事業の予算を 拡大したため、市は2024年度から計画した耐震工事を前倒した。2018年度の来場者数は9.1万人で、国宝に指定された2019年度は13.6万人に増加した。閉館中は隣接する県宝「旧司祭館」で、パネルや映像などで開智学校を紹介し、 グッズも販売する。工事の見学会も企画する予定。
2)「松本市美術館」は4月-2022年4月、空調設備や照明など館内全体の改修工事で休館。美術館は松本出身の芸術家・草間弥生さんの常設展などが人気で、2019年度は16万人、2018年度は21.1万人が訪れた。2022年で開館20周年を迎え、 リニューアルオープンする。
3)松本城公園内にある「松本市立博物館」は、移転新築に向けて3/末で休館。資料の整理や研究などは当面続ける。300mほど南側で、大名町通り沿いに建設中の新博物館は2023年秋に開館予定。博物館は2018年度17万人、2019年度16万人が 訪れた。消費喚起策は、新型コロナウイルス対策に加えて、例年観光が落ち込む時期の新しい楽しみ方を発信する狙いもある。臥雲義尚市長は「文化施設を楽しんでもらいながら、街の回遊性を高めたい」と。

■11/18;松本市教委は「国宝旧開智学校校舎」の「保存活用計画」の原案を示した。
パリ中心部のノートルダム大聖堂や那覇市の首里城などの火災を受け、初期消火用スプリンクラーの導入検討など19項目の防火態勢強化策を盛り込んだ。計画は、校舎など施設の保存や、教育・観光への利活用方針を定める。原案によると、 火災への対策として、地震発生時に電気を遮断するブレーカーや火災発生時に消防署に自動通報するシステム、侵入者による放火などを早期に覚知できる炎検知器の導入などを検討する。校舎の保存管理については、1876年の建設当時の姿を 損なわないよう維持するとし、校舎や西側の旧司祭館(県宝)一帯を「保存区域」と定め、原則土地の形状の変更や建物の新築はしないとしている。計画は2021年度中に策定し、10年ごとに見直す。

■中学校で使われている教材「漢字練習字典」の表紙に、国宝旧開智学校校舎の写真と、北アルプス乗鞍岳から見える山並みの写真がデザインされている。
発行元の学習教材出版社「新学社」によると、歴史ある旧開智学校は学びの場の象徴で、山の風景は「山」の漢字の成り立ちを想像しやすい、などの理由から「漢字の教材のイメージにぴったり合う」として10年以上前から掲載。 新学社によると、他県に比べて長野県でこの教材を使う中学校が多い実情も踏まえ、信州の名高い事物をデザインに採用した。同社発行の全国版の小中学生向け教材の中で「一つの県に特化したデザインの表紙のものはほとんどない」。 新学社は「小中学校で習う漢字を全部網羅した1冊。中学校3年間でしっかり使って勉強してほしい」と願う。旧開智学校校舎の学芸員は表紙に校舎の写真が使われていることを初めて知って喜び、「昔、旧開智学校に通っていた子どもたちも 難しい漢字の勉強を頑張っていた。現代の皆さんも昔の人に負けないように頑張ってください」と。

■「松本市立博物館」の工事現場で地元の漫画家や高校生が制作した「仮囲いアート」が公開。
3年後の開館を予定している新松本市立博物館の工事現場の「仮囲いアート」。コロナ禍で疲弊する街を元気づけようと、工事現場の周囲に張り巡らされた鋼板のパネルに、市内在住の漫画家や高校生が作品を寄せた。にぎやかに彩られた 巨大な「カンバス」が道行く人を楽しませています。このうち、地元に住む漫画家・高橋ヒロシさんの作品は「クローズ」や「WORST」のキャラクターが描かれ、「たまにはがんばらないことも大事だぜ」などのメッセージが添えられています。 市内の漫画家の高橋ヒロシさんと鈴木ともこさんの作品を高さ2.4m、幅計約35mの塩化ビニールシートに引き伸ばして仮囲いに張り出した。高橋さんの代表作「クローズ」の登場人物や、鈴木さんが愛してやまない北アルプス、美ヶ原高原、 松本の街並みなどが描かれ、松本蟻ヶ崎高校書道部のしたためた言葉が添えられている。メッセージを書いた女子生徒は「書くときは緊張しましたが、迫力があり元気が出るような書体で書きました。多くの人に見てもらえて光栄です」と。 新型コロナウイルス禍で催しの中止や観光の低迷が続く中、街のにぎわい創出につなげようと、施工を請け負う3社の共同企業体が提案し、デザイン業のMAGMAGincが演出した。「仮囲いアート」は工事現場の仮囲いが撤去される2022年2月頃 まで公開。松本市教育委員会は「コロナ禍でイベントの中止など街が疲弊するなか、元気になってもらえるようメッセージ送りたい」と。

■2/24;「松本市立博物館」の市民ボランティア「エムの会」が最後の例会を開き閉会した。
ボランティアといえば福祉分野が主流だった1997年、館の文化活動を支えようと立ち上がり、四季折々の年中行事に来館者に伝統食を振る舞うなど幅広い活動を展開してきた。会員の高齢化が進む中、移転新築のため3月で閉館する 現博物館と共に区切りを付けようと、25年の歴史に幕を下ろす。最終日は博物館報の発送作業を手伝った後、ささやかな終わりの会を開いた。2020年度はコロナ禍で活動に制約があったが3月の博物館まつりには再会することを確認し 解散した。中央公民館ボランティア講座の受講生でつくる虹の会を前身に、1998年度に発足。市美術館がなかった当時は博物館で開く美術展の監視を担い、展示作業やバス見学会にも携わった。繭玉やほうとうといった伝統食の振る舞いは 長く定着し、観光客にも喜ばれた。「年を重ねても知的好奇心はうせない」との思いから学習会や研修会も重ね、懇親を深めた。会長は「新しいことに挑戦する自負を感じた。うれしくて楽しくて、大変と思ったことはない」と、 閉会を惜しんだ。新博物館は2023年秋に開館予定。会員たちは「これからも一市民として博物館を見守りたい」と。

■松本市は中心市街地の開発を進める上で、建設中の「基幹博物館」用地と隣接する「八十二銀行」が管理する松本営業部ビルの用地取得を目指していたが、コロナ禍で財政悪化が見込まれる中、大きな財政負担になるなどとして取得を 凍結する。
2020.12/2;松本市臥雲義尚市長が明らかにした。中心市街地の開発を進めようとしていた松本市では、2016年に前菅谷市長と八十二銀行間で松本大手にあるビルの用地を取得するための覚書が交わされていたというが、臥雲市長が就任後に 改めて取得費用を調査、19億と試算。建設が進む基幹博物館は、用地4114uのうち1807uを八十二銀が所有。市はこの用地と営業部用地1350uとを合わせて取得する交渉を八十二銀行と交渉してきた。臥雲市長は新型コロナウイルスに よって財政悪化が見込まれる中、市民の理解が得られないと判断し、取得を凍結する方針を発表した。八十二銀行はもともと松本城の南の入口に当たる大手門枡形があった歴史的なエリアの一部。市は菅谷市政のころから「まちづくりを 進める上で非常に重要な場所」とし、枡形を意識した周辺整備を視野に同行に譲渡を打診、代替地の確保に市側が全面協力してきた。臥雲市長は凍結の理由について、用地の取得や具体的な活用策について庁内の意思決定を示す公文書がなく、 市民や議会への説明前に同行とやりとりしていた点を示し「手続きや説明責任の観点で問題がある」とした。コロナ禍で財政が厳しい中で、19億円の負担は市民の理解を得られないとも述べた。臥雲市長は「19億円というのは大きな額で、 費用について市民や議会に伝えられないまま話が進み、後戻りできない瀬戸際だった」と。八十二銀行は「今後も松本市の発展のために協力していく」と。枡形周辺整備については、南・西外堀復元などの事業に比べると優先度は低いとし 「将来的な課題として市民や議会の議論を経ながらあらためて方向性を検討する」と。代替地の地権者には「深くおわびを申し上げる」と方針転換を陳謝した。八十二銀行は現地で営業を継続するとした。

■松本市が八十二銀行が所有する松本大手の松本ビルの土地と隣接する博物館建設地の一部の取得を凍結した。
取得に動きだした2015年、松本城の大手門枡形があった松本ビルの土地を手に入れたいとの思いが強かったとされるが、その後、代替地の用地交渉が難航。臥雲義尚市長は、大手門枡形の整備は市の施策で優先度が高くないと判断した。 八十二銀松本営業部が入る松本ビルの移転先とされた旧深志支店周辺で、市と土地の売買交渉を続けてきた人は「松本城の事業に協力できるなら」と思い立ち退きを考えてきた。「このまま進めてほしかった」と。ただ市によると、 立ち退きに納得していたのは全体の1-2割。市が松本ビルの土地取得の構想を公表したのは、2018年8月の市議会。市は八十二銀から借りている博物館建設地を購入する予定でいたが、賃貸借契約を継続すると報告。八十二銀は博物館建設地と 松本ビルの土地を一体的に売却したいとの意向で、ビル移転先の用地交渉が難航しているため、購入には時間が必要だと理由を説明した。八十二銀は、「博物館建設地のみ単独で売却すれば、松本ビルの土地と合わせた活用法の選択肢が 狭くなる」と一体的に扱う必要性を語る。市は、博物館建設地を選定する前の2015年1月、八十二銀にこの2つの土地の譲渡を依頼。大名町通りをはさんだ東側を含め、このエリア一帯はかつて松本城に通じる大手門、門前には敵の侵入を 防ぐ枡形があった。依頼文書では「まちづくりにおいて非常に重要な場所」との思いが込められていた。実際、東側の区域では市が三棟のビルと土地を取得し、2013年に枡形広場として整備した。ただ全体として具体的な整備計画はなく、 2015年3月に策定された「松本城三の丸地区整備基本方針」でも、「周辺施設の更新を見据えて松本城の入口にふさわしい整備のあり方を検討していく必要がある」「枡形があった場所はお城とまちをつなぐ場、歴史と現代の接点として 大きな意味を持つ」とした記述があるのみ。譲渡依頼から1年半後の2016年6月には、市と八十二銀は「市は松本ビルの移転先とする旧深志支店周辺用地の取得に全面協力する」とした覚書を交わした。その3日後、市が市議会に建設地の 選定を報告。松本ビルの土地について、当時を知る関係者は「具体的な事業計画を示した上で譲渡を依頼するのが筋だった。でも計画を作るほどの議論にはなっていなかった」と。臥雲市長は「前市政に、何とか大手門枡形を整備したい という強い思いがあった。結果的に本来の手続きや説明より、先に取得への道筋をつけることになったのだろう」と。ただ、臥雲市長の方針は別。「松本城の歴史観光エリアは、同心円的に整備していく」との考えで、喫緊の課題には 南・西外堀の水をたたえた復元や、松本城公園南を通る内環状北線の4車線化を掲げる。三の丸南端に位置する枡形周辺の整備の優先度は低い。市と八十二銀は2020年4月、博物館建設地について、事業用定期借地権設定契約を結び、 存続期間を10年に設定。今後は期間延長か再契約の必要がある。臥雲市長は「取得した方が安定性は増す。不安定な状態にならないよう関係をしっかりしたものとして進め、不安を払拭する」と。八十二銀は「今後も松本市の発展の ために協力していく」と。松本市は、八十二銀行松本営業部が入る松本ビル(1350u)と、市基幹博物館の用地(4114u)のうち八十二銀が所有する1807uの取得を目指したが、松本ビル代替地の用地交渉が難航して取得を凍結。市は2つの 土地と松本ビル代替地の取得、移転補償などで費用を計19億円と試算。2017年末に着手した代替地の用地交渉では既に1300万円を負担した。

■松本市が松本城三の丸エリアに建設している「博物館」の本格着工から半年が過ぎた。
現場では、以前あった立体駐車場がすべて撤去され、新施設の基礎工事の作業が始まっている。2004年度に開館した「まつもと市民芸術館」以来、18年ぶりとなる中心市街地での大型公共施設の建設事業は2021年春以降、徐々にその姿が 見えてくる。大名町通りと土手小路に面した大手3の建設現場では、露出した地面の上を重機や大型トラックが忙しく動いている。西側では、立体駐車場の基礎を解体して土を埋め戻す作業が行われ、東側では基礎のコンクリートを打つ前段階で 固めた「捨てコンクリート」や大型クレーンが見える。年末には基礎工事が一段落し、2021年4月から建物の姿が見え始める見通し。人や車の往来が多い中心市街地ではクレーンを置くスペースが限られるため工区を分割し、西側から骨組みや 外壁、屋根などを徐々に仕上げていく特殊な方法で進めていく。市建設担当者は「なるべく道路占用をしないようにし、周辺への影響を抑えたい」と。建物はR4年5月に完工。その後、展示などの準備を進めると同時に、建材や接着剤から 発散される化学物質が所蔵の文化財に影響するのを避けるため、ふた夏の期間を空け、R5年10月に開館。総事業費は約90億円。

■松本市が大名町通り沿いに移転・建設している「新市立博物館」の工事が本格化。
2020年度は基礎工事が主体で、地中の固い層までくいを打つ工事が始まる。着工と時を同じくして就任した臥雲義尚市長の下でも設計に変わりはなく、R04.5/末の建物完成後に展示スペースの整備を行い、R05年秋の開館を予定。 現在の博物館が老朽化したことなどから移転する計画で、新しい博物館の敷地面積は4115u、鉄筋コンクリート3F建て延べ7775uの建物を建てる。04月に着工、現在は、建物の基礎部分の地面を掘ってできたのり面の崩れを防ぐ工事などを している。建物が姿を見せ始めるのは2021年度になる。現場周辺は松本城に近いことから観光客の通行が多く、建設工事の共同企業体が仮囲いに市街地の観光案内図を張った。「松本駅870m 国宝松本城230m 国宝旧開智学校1300m」との 表示もした。週間の工事予定を紹介し、工事に対する意見箱も設けた。建物は東西に長く、大名町通りに面した場所はガラス張りで吹き抜けの開放的な空間となる。常設展示は「お城のあるまち」「開かれた盆地」など8つのテーマで 構成し、城下町のジオラマも展示。井戸水を利用した空調を設ける。現博物館の2-3倍となる収蔵庫の周囲に廊下や機械室を設け、収蔵物が外気に影響されにくい「魔法瓶構造」とする。総事業費は約90億円。市は、博物館の計画概要を まとめたリーフレットをHPに載せた。「地域の協力を得て工事を進め、市民に愛される施設にしたい」と。

■松本の繁華街として栄えた「裏町」を活性化しようと、住民有志と商店主らが「信州松本うらまちレジリエンスプロジェクト」を立ち上げた。
空き店舗を活用した演劇イベントや街づくりフォーラムの開催、SNSでの魅力発信で、3年間で裏町の復活と魅力向上に取り組む構想。プロデューサーは「若者に魅力を知ってもらい、街の回遊性を高めたい」と。「裏町」と呼ばれているのは 国宝松本城の東側に位置する大手や城東地区。地元住民によると、以前は飲食店260店が営業していたが、現在は約40店にまで減った。信大医学部の前身の松本医学専門学校があり、松本城を解体の危機から救った市川量造の出身地でもある。 「スズキ・メソード」の出発点となる「松本音楽院」が設立された地としても知られる。衰退する地元を何とかしたいとの思いでプロジェクトを発足。「レジリエンス」には「再起力」という意味を込めた。6/25-6/27;劇団「Team Opcebo」が、 裏町の空き店舗を活用した「スタジオ365松本うら町」で公演。裏町の下宿屋を舞台に人間模様を描いた作品。夏にはまちづくりに関して若者を集められるような企画を開催予定で、店やスポットの情報発信も予定。「プロジェクト発足は マッチに火をつけたところ。この火を若い人たちが感じ、表現する場所ができたらいい。長い目で見守って」と。地元町会は「地域を何とかしようという気持ちには本当に感謝している。全力で応援したい」と。プロジェクトは県の 地域発元気づくり支援金を活用した。

■松本市は2021年度、国宝松本城などの観光地や小中学校のトイレの洋式化を集中的に進める。
臥雲義尚市長は当初予算のテーマの一つに掲げる「環境」の整備に当たるとして、「保健衛生の面や感染症リスクの観点からもトイレの洋式化は必要」と。松本城では本丸庭園などにある7施設のトイレで44の個室があり、うち11ヶ所が和式。 着物で訪れる人が使いやすい和式を一つ残し、10ヶ所を洋式化する。松本城のトイレを巡っては、これまでも市議会で洋式化が話題になっていた。しかし国史跡で施設の建て替えが難しく、従来の個室に洋式便所を設置すると狭くなるといった 課題も指摘され、当面は和式を残す方針だったという。今回は市民からの要望や臥雲市長の考えで、思い切って洋式化にかじを切った。ほかにも観光客や市民の利用頻度が高い市街地の公衆トイレを中心に洋式化を進める。縄手通り、西堀公園、 分銅町公園の4施設の6ヶ所などを改修する。学校の環境整備も加速させる。市教委によると、現在の小中学校のトイレの洋式化率は45%。近年は洋式の家庭が一般的で、和式に慣れていない子どもが多く、保護者や学校現場から洋式化の要望も あった。近いうちに校舎改築などの予定がない小中学校26校は、3年間で全て洋式に改修する。校舎を改築する学校は改築時に洋式化し、最終的に100%を目指す。和式便所で多く使われているタイルの床は、悪臭の原因などになるため、衛生面も 考慮してフローリングなど乾いた床を採用する予定。全体の事業費として当初予算案に工事費や設計委託費として計3682万円を計上。2020年度補正予算案にも工事費1.4億円を盛り込んでいる。


★松本市内の道路★;
■松本市は、2023-2027年度に新設・改修する市道について定めた「第7次道路整備五箇年計画」の案をまとめた。
中心市街地では、巾上など渋滞が指摘される交差点で付近の道路を拡幅するほか、複数の一方通行路を2車線に拡幅して車の流れを円滑にする。地元住民との合意形成により着実な整備を目指す。あがたの森通りの深志3交差点から約1km南の 庄内町交差点までの一方通行路は、庄内町〜本庄区間(630m)を拡幅して2車線化。併せて、本庄交差点から西の一方通行路(180m)も2車線化し、鎌田方面と庄内・出川町方面を往来する車の流れを円滑化して中心街の交通分散を図る。 松本城周辺では、広い歩道空間を備えた暫定2車線の「外堀大通り」を2023年度中に整備し、観光客が往来する大名町通りを歩行者に魅力的な道路へと再整備する。こまくさ道路の蟻ヶ崎高校交差点から西方の一方通行路も2車線化。 渋滞箇所の一つ、松本駅北西の巾上交差点では、女鳥羽川に架かる橋を改築して右折レーンを設け、先詰まりを解消する。同じ問題を抱えるR19平田南交差点でも、右折レーンや歩道などを設置するための道路拡幅に着手する。 奈良井川西側では、県松本合同庁舎から南に延びる市道の先線整備を本年度内に完了させ、月見橋の架け替えなどを進める。5ヶ年計画案には、松本駅東口のロータリー再編、村井駅舎の建て替え、波田駅周辺整備の各関連事業を含め 30以上の路線が盛り込まれ、2027年度までに完了しない事業もある。松本市建設課は「投資効果が出るように、なるべく整備を進めていきたい」と。計画案は意見公募を経て、9/末までに策定予定。

■松本市が松本城南で整備を進めてきた「内環状北線」の大手2〜松本城交差点区間(外堀大通り)(280m)の車道がほぼ完成、7/10;対面通行を開始。北松本駅方面から4車線道路を東進してきた車が、市役所方面に直進する車の流れが新たにできた。 2011年度に事業化して用地買収を進め、2020年度から工事着手。幅7mの一方通行の市道を4車線幅の31mに拡幅。広い歩道を両側に設けることで暫定2車線とした。臥雲義尚市長は、観光客がお城付近に車で流入すれば渋滞が避けられないとし、 「車の流入を必要最低限に抑える総合的な交通政策を展開する必要がある」と2車線化の理由。車の流入を抑えつつ路線バスや自転車の利用を促すことで、中心市街地ににぎわいを生み出す考えを示した。両側歩道のうち市が用地買収を進める 南外堀復元エリアに接する最大幅15.5mの歩道は工事中で、9月に利用を開始。工期は11/末までで事業費は約30億円。

■松本城の南・西外堀復元に伴って2020年度から進めてきた都市計画道路「内環状北線」(外堀大通り)の建設工事が終盤を迎えている。
松本市は対面通行の開始時期を5/末としていたが、松本城交差点の信号機などの調整に時間がかかり、1ヶ月ほど遅れる見込み。外堀大通りは松本城の南側に東西方向に建設され、東端が松本城交差点、西端が大手2丁目交差点の280mが 片側2車線の4車線道路。以前は両脇に建物が立ち並ぶ幅7mの狭い一方通行の道だったが、歩道を含む全幅が31m、見通しが非常に良くなった。南側の歩道は幅4m、植栽帯を含めると全幅5.5mで広々としている。通りを西に向かうと北アが、 東に向かうと美ヶ原が見える。道路の北側では外堀の発掘調査が行われており、石垣の跡が見える。将来はお堀が復元される予定。

■2022.10月〜;R19松本渚〜宮渕本村間(1.6km)で白板交差点付近の4車線化工事が本格化する。
交差点南にある落合橋を架け替える計画で、2023年度末には既存の橋の下流側に新たな橋脚、橋台ができる予定。田川に架かる落合橋は長さ54m、1958年に架設。長野国道事務所と市によると、下流側に2車線の新たな橋を併設し、車線を 切り回した後、既存の古い橋を撤去して新橋に架け替える。歩道専用の橋も新設。下流側の新橋と歩道橋の下部工事が約3.6億円、2024年3月まで行われる。既存の橋の架け替えにはさらに数年はかかる見通しで、開通時期は未定。 移動ビッグデータなどを用いた市の渋滞調査によると、白板交差点は平日の混雑度が市内で最も高い。交差する東西方向の県道倭北松本停車場線も渋滞するため、県は国道拡幅の進捗に合わせ、交差点西側で車線増設の改良を行う方針。 R19松本拡幅事業は1998年度に事業化。全体の用地取得率は3/末時点で57%、渚1丁目〜白板区間は8割程度とみられる。国は2014年に渚1交差点北側の右折レーンを2車線化して以降、同区間で電線共同溝や歩道の整備を進めてきた。 落合橋の架け替えに合わせて渚1〜白板区間を4車線化できるかどうかについては、長野国道事務所は「用地取得の進捗度合いによる」とした。

■松本市は、通勤通学者などの自転車が日常的に通る道路の路面表示に、間隔を置いた矢羽根マークを導入
自転車レーンと違い拡幅を必要としない手法を取り入れることで、自転車路線のネットワーク化を早める。5年間で延長40kmの市道に設置する計画で、まずは中心市街地の学校、駅周辺などを優先して行う。車道の外側部分に、赤茶色の 矢羽根マークを10mおきに表示。2022年度は松本駅や松本城、信大、松本深志高、イオンモール松本周辺など、合わせて8kmに表示する計画で、2022年度一般会計当初予算案に2400万円を計上。市がこれまで整備してきた自転車レーンは 自転車と自動車の通行帯を分離できるが拡幅が必要なため、場所によっては整備が途切れて路線網になっていなかった。一方、矢羽根型表示の場合は自転車も車道内を通ることをドライバーに注意喚起する「混在通行」。市自転車推進課は 「スピード感を持って費用も抑えながら整備できる。若者の自転車事故が多い所を優先しながらネットワーク化を進めたい」と。市は「自転車活用先進都市の実現」を目指し、安全で快適に利用できる環境整備の施策を相次いで打ち出す。 商業地域にある店舗が既存の自転車置き場に簡易ラックや柵を設ける際の物品調達、工事費の一部を補助する制度を2022年度に創設するほか、松本駅東西口の自転車駐車場の一時利用の無料時間を30分から1時間半まで延長する実証実験を 3〜6月に行う。

■2021.9/15;松本市臥雲義尚市長は市議会定例会で、松本市中心市街地で長年計画してきた4車線の環状道路の整備計画「内環状線構想」を撤回する。
唯一未整備となっている内環状東線のルートが城下町などを通る想定だったが、歩行者優先のまちづくりが進むエリアで4車線道路を新たに設けるのは困難と判断した。構想は市街地を通過する車の抑制などを目的に、1985年に計画が始まった。 国宝松本城南側を東西に通る県道320号などを北線(白板-松本城間)、R19を西線(白板-鎌田間)、松本駅南側を通過する県道297号を南線と位置付けた。東線はR143大橋通りの内側、都市計画道路の小池浅間線周辺に南北に通す想定で議論してきたが、 一帯には城下町特有の街並みが残り、市民や観光客が街歩きを楽しむ中町通り、縄手通りなどを4車線道路で分断すれば、まちづくりにも影響が出るとした。臥雲市長は「東線は非現実的であり、昭和の遺物と化した計画は撤回すべき」と。 市は、定例会で審議する予定の次期総合交通戦略案にも、内環状線については「新たな道路整備を行わない」との文言を盛り込んだ。ただ、環状線としての機能を維持するため、南線の突き当たりから相沢病院側の一方通行区間を対面通行に するなど既存道路の整備は進める考え。南線は2021年4月に4車線化し、北線は2022年度末に拡幅工事の完了を見通す。街中へ流入する車の抑制が課題となる中、市交通ネットワーク課は「将来的に、人口減少により車の総量が減るとみている。 さらに公共交通や自転車の利用促進で車の量を減らしていきたい」と。

■松本の幹線道路や市街地では、朝夕の通勤時間帯や週末を中心に慢性的な交通渋滞が発生している。
R19平田駅〜北松本駅、やまびこ道路元町〜筑摩、松本和田線松本城〜清水、R143松本駅前〜市民芸術館などは渋滞箇所、朝の松本方面はR19新橋・白板・渚1丁目、鎌田、北松本の蛇原橋、R143巾上、R158新村などで渋滞が発生。 渋滞は時間のロスを生み、混雑を避けて生活道路に流れ込む車が増えれば事故の危険も高まる。市民の暮らしと結び付きが深い道路環境の改善は、快適なまちづくりに向けた大きな課題。市民タイムスの読者アンケートでは「中信で 遅れていると思う事柄はあるか」との質問に対し、約6割の人が「渋滞が激しい」「市街地の道路幅が狭い」と回答。松本市街地の交通改善に必要と思うことを尋ねたところ、「交差点への右折レーン設置」と「道路拡幅」を指摘する 意見も6割近くに上る。松本市が2020年度行った市内交差点の渋滞調査では、62ヶ所が「渋滞交差点」と判断。R19の「白板」「平田南」、市道やまびこ道路の「出川西」などが渋滞発生のワースト10に。交差点の平均通過時間は2分以上で、 中には交差点改良を行った後も渋滞が発生している場所があった。市は調査を基に、通行車両の総量を抑制する取り組みに力を入れている。出勤時間の分散化を企業に呼び掛け、自転車の利用促進や、使いやすい公共交通の整備などを 進めている。市交通ネットワーク課は「必要なハード整備はしっかりやっていく」とした上で「長期的なハード対策に加え、ソフト対策も重要。いろいろな交通手段を賢く使ってもらえるような制度設計をしたい」と。信大工学部の 高瀬達夫准教授(交通工学)は、松本は東西を移動するための橋が多く、幹線道路が市街地近くを走っていることなど、渋滞が発生しやすい条件が重なっていると指摘する。解消には車の絶対量を減らす必要があり「特にピーク時の車の 量を減らすことが大事。一人一人が渋滞の中の一員という認識を持ち、例えばピークを避けて30分早く行動する、そうした意識付けをしてほしい」と。渋滞の解消は一朝一夕には実現できないが、交通環境の改善は暮らしに密接に関わる 問題。行政が企業、市民を巻き込んで腰を据えて取り組むことが求められる。

■松本市は、中心市街地に環状道路を整備する「内環状線構想」を取りやめる方針を固めた。
城下町エリアを分断する一部区間(内環状東線)のルートが決まらず長年議論してきたが、歩行者優先のまちづくりのため整備しないことにした。ただ、内環状北線など他の区間では4車線化が進んでおり、街中への車の流入をどう抑えるかが課題。 内環状東線は、あがたの森通りや中町などの城下町エリアを南北に縦断することを想定。市は城下町の風情を損なわないルートを模索してきたが「まちづくりが盛んなエリアに幅員の広い道路を通すのは困難」と判断、次期総合交通戦略の案に 「内環状線構想に基づく新たな道路整備は行わない」との文言を盛り込んだ。2021年度末の改定を目指す都市計画マスタープランの案にも、内環状線の記載はない。ただ、内環状北線などの拡幅が進めば、車の流入が増え街中が混雑する恐れが ある。これに対し市は交通量推計の結果から「人口減少などで車の総量が減り、既存の道路網で目詰まりは防げる」とみる。他の幹線道路網への迂回や公共交通の利用を促す施策も行い、松本城と松本駅、あがたの森を結ぶ線で囲まれた範囲を 「歩行者の回遊を高めるエリア」としてにぎわいを生み出す方針。内環状線構想を巡っては、2019年度まで市は実現に前向きだったが、その後就任した臥雲義尚市長が市議会で内環状東線の計画を見直す意向を示していた。

■松本市都市計画審議会は2021年度、構想を取り下げた「内環状東線」のルート候補に想定していた都市計画道路「小池浅間線」など4路線の一部または全線を廃止する議案を承認した。
「博労町栄町線」を新たに都市計画道路とし、一方通行を対面通行にする計画。


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